矢野顕子×上原ひろみのライブ音源 - エンタメレストラン -

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矢野顕子×上原ひろみ『Get Together -LIVE IN TOKYO-』
11月23日発売(ユニバーサル ミュージック) 初回限定盤(DVD付):3500円  通常盤:3000円
ポップスの枠を超えた自在な弾き語りで、音楽ファンから圧倒的な評価を得ている矢野顕子。本年度のグラミー賞を獲得し、さらなる注目を浴びる天才ピアニスト・上原ひろみ。ニューヨークを拠点に活動する2人の女性ミュージシャンが開いた一夜かぎりのコンサートを真空パックした、珠玉のライブ音源(収録:2011年9月9日、東京・昭和女子大学人見記念講堂)。互いのオリジナル曲に加え、ジャズ・スタンダードや童謡、昭和流行歌まで。お互いのインスピレーションが高次元でぶつかり合う白熱のピアノ・セッション。初回限定盤のボーナスDVDには「ラーメンたべたい」のライブ・クリップも収録。
【収録曲】
1. CHILDREN IN THE SUMMER
2. あんたがたアフロ(あんたがたどこさ/アフロ・ブルー)
3. ケープコッド・チップス
4. リーン・オン・ミー
5. 学べよ
6. 月と太陽
7. りんご祭り(リンゴの木陰/リンゴの唄)
8. ラーメンたべたい

昔ながらのラーメン、ご当地ポテトチップス…
"B級グルメ"の喜びあふれるピアノセッション

 いわゆるジャンクフードやB級グルメ流行の昨今である。高級レストランのディナーや割烹料理とはまた別の、リーズナブルがゆえに気軽に楽しめるおやつ感覚の食べ物。高級料理に舌鼓を打つのが好きな人も、どんなに健康的な自炊生活をしている人も、時々たまらなく100円ハンバーガーが食べたくなるあの衝動は誰もが一度は経験しているはずだろう。

 その代表格がラーメン。最近はフカヒレやコラーゲン、果ては金粉などを投入した何千円する高級ラーメンが話題となることも少なくないが、せいぜいナルトとメンマと薄っぺらいチャーシューが入っただけのシンプルなしょうゆラーメンこそがラーメンの王道と言うにふさわしい。

 そんなラーメンを無性に食べたくなる歌と言えば「ラーメンたべたい」しかないだろう。タイトルを見ただけで口の中にあの食感が蘇ってきて、『天才バカボン』の"小池さん"じゃなくてもラーメンをすすりたくなるような、あまりにも無邪気で愛らしいポップソングだが、こんな庶民的な風合いの曲を書き、今なおレパートリーとしているアーティストこそが矢野顕子だ。そう、アメリカと日本を行き来しながら、かれこれ約40年活動を続けている日本の音楽シーンのトップランナーの一人。彼女の手にかかれば、《キング・オブ・B級グルメ》のラーメンも優雅で気品もユーモアもある極上ポップスの"食材"になってしまう魔法使いのようなミュージシャンだが、そんな矢野が、同じくグローバルに活躍する若手ジャズピアニストの上原ひろみと組み、今年9月に東京で行なったステージを収めた共演盤『Get Together-LIVE IN TOKYO-』では、その「ラーメンたべたい」を上原の斬新なアレンジでデュエットしながらクライマックスで披露している。

 とにかく「今、食べたいの!」という素直で大らかな情熱がライブならではの躍動感に表れているのが聴きどころで、一見ラーメン屋とは縁のなさそうな矢野と上原が、ラーメンへの愛情を2人して鍵盤にぶつけている様子が伝わってくるのもおもしろい。いや、今やラーメン屋さんに女性の姿は珍しくなくなったが、この曲を聴けば女性同士で食べに来ている2ショットが案外多いことにも気づくのではないかと思う。

 なお、この共演アルバムには矢野・作詞/上原・作曲編曲による「ケープコッド・チップス」という曲も収録されている。これはアメリカで人気の一口サイズのポテトチップスのことだそうな。今やベテラン若手問わず最大級のリスペクトを集め、海外アーティストとの共演も多い矢野。かたやデビュー以来ワールドツアーを重ね、ついには若くしてグラミー賞まで獲得した上原。"世界をまたにかけた女性セレブミュージシャンはジャンクフードがお好き"…ということなのかもしれない。

■矢野顕子オフィシャルサイト
http://www.akikoyano.com/
上原ひろみオフィシャルサイト http://www.hiromiuehara.com/
Text by 岡村詩野
音楽関係を中心としたライター。「朝日新聞」「ミュージック・マガジン」「VOGUE NIPPON」などで執筆中。誰でも気軽に受講できる「音楽ライター講座」も開講している。

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