株式会社 永遠希 小田利明氏 - 心に残る外食 -

2013/03/07

外食企業トップの心に残る外食

8名の飲食店経営者トップが日々の外食で感じたことを、連載コラムでお届け

Vol.101大将が作り上げる値段以上の価値

(株式会社 永遠希 代表取締役 小田利明氏)

 今回はこだわりの寿司屋さんをご紹介させていただきます。広島市中区の中心部から少し離れた下町の雰囲気が残る地蔵通りにある「鮨処 ひと志」です。うちのお店で長くお世話になっている常連のお客様にランチで連れて行ってもらいました。

 入口から入ると、小さなお庭を抜けて店内へ。カウンター10席(写真1)、テーブルは4席、掘り炬燵のお部屋は8席です。価格は高めとは聞いていたのですが…ランチで3,000円と5,000円のおまかせコースのみだったので、3,000円のコースを注文。なかなか昼から3,000円の寿司は食べないので、ワクワクしてきましたよ。

 コースは、水イカの握り(写真2)からはじまりました。どうですかこの水イカは!美しいの一言!大将が目の前で次々と握ってくれるのですが、どれもすばらしいものでした。

 なかでもお猪口に3色で彩られたミニ丼(写真3)がとても印象的でした!重くならずにいただけながら、満足できるこの量はセンスですね!バランスが絶妙でした。「お客様の心の奥まで掴む!」そんな感じでした。握るだけでなく、こんな風に演出されているのがまたいいですね。見た目の美しさはもちろんのこと、それぞれの素材を生かした味付けで提供されるお寿司はどれもおいしく、口に運ぶと思わず目を閉じて頷いている自分がいました。いろいろと食べ歩いていますが、一品一品にここまで感動するお店は久しぶり。すべてにこだわりを感じ、手を抜かない姿勢が伝わってくるプロの作品でした。握りは水イカからはじまって数品、ミニ丼、巻物、小鉢、茶碗蒸し、汁物、デザートまでついて、3,000円でも大満足な内容です。

 回転寿司以外の寿司屋さんはほとんどの場合、敷居が高く、お値段が高ければ高いほどなんとなく空気がピーンと張り詰めており、静かに食べなくてはいけないような気分になります。ですが、同店はそんな敷居の高さを感じない接客で、カウンター越しに大将がお店を始めたきっかけや、その日のネタの解説、食材へのこだわりなど、色々と話してくれ、とてもリラックスして食事ができました。

 大将(写真4)の出身は長崎の対馬で、ご実家も寿司屋さんだそう。そんな環境で育ち、福岡・博多の修業を経て、奥様とのご縁があって広島という土地で独立して出店されたそうです。食材では、熊本のコハダ、ふぐの白子、クエ、有明の海苔、くじらなど、産地のほか、採れる時期にもこだわり、最高の味をお客様に提供する姿勢を貫いています。また、有明の海苔は自家製の佃煮にしたり、からすみも手作りしているそうで、聞きながら味を想像していると、思わず笑顔になってきました。

 カウンターには焼酎や日本酒のプレミア酒が並びます。ワインもありますが、大将がおいしいと思ったものだけ置くそうです。作るだけではなく、大将自身も飲むこと・食べることが大好きだそう。大将のこだわりと、おいしいものをお客様に!という心が感じられます。

 ランチが3,000円からと、決して安いとは言えない価格ですが、「鮨処 ひと志」はその値段以上の価値を感じるお店です。夜はおまかせコースが12,000円~、にぎりは5,000円~。こちらも値段以上の価値がありそうですよ!絶対、夜も行きます!誰と行こうかな…そんな想像もしながらワクワク感を抱いてお店を後にしました。

株式会社永遠希 代表取締役 小田利明氏株式会社永遠希
代表取締役
小田利明氏
1965年広島県広島市生まれ。美容専門サロンの営業職を経て、1995年30歳で起業し、「総菜BAR HAZUKI」をオープン。2000年に有限会社永遠希を設立し、2005年に株式会社永遠希に変更。現在、「囲酒家 永遠の縁卓」など広島市内に7店舗を展開中。
(写真1)「鮨処 ひと志」の店内
(写真1)「鮨処 ひと志」の店内
(写真2)美しい水イカの握り
(写真2)美しい水イカの握り
(写真3)3色のミニ丼。少しの量でも大満足
(写真3)3色のミニ丼。少しの量でも大満足
(写真4)気さくな大将がいろんな話をしてくれます
(写真4)気さくな大将がいろんな話をしてくれます

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