来場者とふれ合い、宮城の食の豊かさを発信
3月12日(木)、仙台空港ターミナルビル1階国際線ロビーにおいて、「『アート』と『食』のわくわくイベント」が開催された。空港内に「AKIRA」などの作品で世界的に評価の高い漫画家・映画監督である大友克洋氏(宮城県登米市出身)の原画・制作監修による壁画が設置されたことに伴い開催されたもので、完成除幕式のほか、大友氏を交えた特別座談会や、生産者が県産農産物を来場者に無料提供する「スペシャルマルシェ」、仙台市内の2つの飲食店が県産食材で作った料理を振る舞う「ハッピーレストラン」などが行われた。
完成除幕式で披露された壁画「金華童子風神雷神ヲ従エテ波濤ヲ越ユルノ図(キンカドウジ フウジンライジンヲシタガエテ ハトウヲコユルノズ)」は、幅8.7m、高さ2.8mに及ぶ陶板レリーフの大作で、「童子が風神と雷神を従えて自然に立ち向かい、未来へ向かう姿」を描いたもの。作者の大友氏は、「壁画の迫力に感慨を新たにしている。特に子供たちに触れて、親しんでほしい」と挨拶。来賓である国土交通省事務次官の本田勝氏は、「国際線ロビーに設置されたことで、力強い東北の姿を世界の人たちと共有できる機会になる」と話し、宮城県知事の村井嘉浩氏は「今、県民が創造的復興に取り組んでいるとき。この壁画は人々に勇気と活力を与えてくれるだろう」と語った。そして、壁画の制作・設置を推進した公益財団法人 日本交通文化協会 理事長を務める、株式会社ぐるなび代表取締役会長・創業者の滝 久雄は、「より宮城県へ足を運んでもらえるよう、地域の魅力や食文化を発信し、発展に尽力していきたい」と述べた。
昼からは「ハッピーレストラン」や「スペシャルマルシェ」などがスタート。「ハッピーレストラン」では、「一般社団法人東北食の力プロジェクト」から、生産者直結の飲食店「畑のあぐり」(仙台市・青葉区)とオイスターバー「Ostrade Ole(オストラ デ オーレ)」(仙台・国分町)が、宮城県産の食材を使った料理を無料で提供。「スペシャルマルシェ」では、宮城県内の生産者5組が参加し、「スーパーデリシャストマト」や「有機米」「竹鶏たまご」などを、自ら来場者に無料プレゼント。来場者は宮城県の豊かな食に触れる機会となった。
3月14日(土)には仙台市で「世界防災会議」が開かれ、世界各国から研究者が来日。仙台空港に降り立ったときには、多くの人がこの壁画を鑑賞していた。