食材の入手法から安全な扱い方、調理のポイントまで、ジビエの基本を学べる「導入編ジビエセミナー」を開催!
シカ肉やイノシシ肉を使った調理の実演も実施
近年、消費者からの注目度が高まっている国産ジビエ(狩猟で得た野生鳥獣の食肉)。飲食店でもジビエを使った料理を提供する店が増え始めている。そんな流れを受けて、国産ジビエ流通規格検討協議会が農林水産省からの補助を受けて実施する事業の一部をぐるなびが運営。2016年9月1日、ジビエ料理の提供を検討している飲食店関係者を対象にした「導入編ジビエセミナー」を開催。会場の江上料理学院(東京・市ヶ谷)には、約30名の参加者が集まった。
まず、農林水産省 農村振興局 農村政策部 農村環境課 鳥獣対策室の生玉修一氏が開会のあいさつ。「近年、イノシシやシカなどによる食害が増えて問題になっていました。しかし、ジビエ専用処理施設が数多く作られたことで、飲食店などへ提供できる数が増加し、間接的に食害の抑制にもつながっています」と、ジビエを取り巻く状況の変化を報告。「飲食店の方々に加熱処理や衛生面に関する正しい知識などを身につけていただき、おいしいジビエ料理を提供してほしい」と、期待を語った。
続いて、ぐるなび大学の講師が、「ぐるなびビッグデータから見るジビエ市場について」と題して講義。「ジビエ」がぐるなびでの検索ワードとして増加傾向にある点や、ジビエに「希少性」「低脂肪」「ヘルシー」といったプラスのイメージを持っている人が多いことを紹介し、店の差別化を担う食材として最適であると提案した。
そして、国産ジビエ流通規格検討協議会会長 兼 日本ジビエ振興協議会理事長で、長野にあるオーベルジュ「エスポワール」オーナーシェフの藤木徳彦氏が、「ジビエの供給ルート」と「提供のルール」について講演。家畜の精肉とジビエの違い、仕入れルート、仕入れる際に確認すべき捕獲や解体に関する情報、調理・加工後の殺菌や加熱の重要性など、ジビエを扱う上で知っておくべきポイントを細かく解説。参加者は熱心にメモを取っていた。
さらに、講演終了後には藤木氏が、「安全とおいしさを両立させたジビエの加熱調理」をテーマに、「猪挽肉のソーセージ仕立て」「鹿モモ肉の柔らかソテー」など、4品の調理を実演。肉を柔らかく仕上げるための火加減や、調味料の選び方などについて自らの経験を交えて解説した。完成した料理は参加者全員で試食。藤木氏が「今日はフレンチの手法で作りましたが、調理法や調味料などを変えれば、どの業態でもジビエは活用できます」と語ると、何人もの参加者がうなづく姿が見られた。
最後の質疑応答では、参加者から仕入れや調理法などについての質問が相次ぎ、飲食店のジビエへの関心の高さを感じさせるセミナーとなった。
国産ジビエ流通規格検討協議会会長 兼 日本ジビエ振興協議会理事長
オーベルジュ「エスポワール」オーナーシェフ
藤木 徳彦氏による講演&調理実演