秋田空港に陶板レリーフがお目見え!

去る10月2日、秋田空港2階の出発ロビーにて、漫画家・矢口高雄氏の原画による大型陶板レリーフ「釣りキチ三平・山魚女(やまめ)群泳」(縦3.5メートル 横6.7メートル)がお披露目された。

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パブリックアートが新たな名所として、秋田の魅力を発信

秋田空港に矢口高雄氏原画・監修の陶板レリーフがお目見え。“釣りキチ三平”が国内外からの観光客を出迎える!

除幕式には矢口氏(右から5人目)のほか、菅内閣官房長官(中央)、佐竹秋田県知事(右から6人目)など、多くの来賓が参列

昼食会では秋田の郷土料理や「接待の手土産」掲載品も紹介

去る10月2日、秋田空港2階の出発ロビーにて、漫画家・矢口高雄氏の原画による大型陶板レリーフ「釣りキチ三平・山魚女(やまめ)群泳」(縦3.5メートル 横6.7メートル)がお披露目された。矢口氏は秋田県横手市増田町出身で、1973年、「週刊少年マガジン」に自らの体験をもとにした代表作「釣りキチ三平」の連載を開始。日本中に釣りブームを巻き起こした。

この壁画の企画・制作は、公益財団法人日本交通文化協会によるもので、株式会社ぐるなび代表取締役会長・創業者の滝久雄が理事長を務めている。同協会は、「ゆとりと潤いのある文化的公共空間の創造」を目的に、空港や駅などパブリックスペースにアート作品を設置する事業を推進。今回の「釣りキチ三平・山魚女群泳」は、静岡県熱海市にある「クレアーレ熱海ゆがわら工房」で、約10名の陶板レリーフ職人がおよそ半年をかけて完成した大作だ。日本古来の焼き物の伝統技術を活かし、独自に開発した釉薬(ゆうやく)で彩色した460個のピースを組み合わせ、主人公の少年・三平が山形との県境にある名峰・鳥海山を背景に、山女魚の群れに囲まれているシーンを立体的に表現した。

除幕式には、来賓として内閣官房長官の菅義偉氏、秋田県知事の佐竹敬久氏、公益社団法人日本漫画家協会理事長のちばてつや氏など、関連企業・自治体の代表者が列席。多くの報道陣も訪れ、関心の高さをうかがわせた。

除幕に先駆けた祝辞では、秋田県湯沢市出身の菅官房長官が登壇し、幼少期の釣りの思い出を語るとともに、「『釣りキチ三平』は、秋田をはじめ、日本の美しい自然を描いた不朽の名作」と絶賛。「政府がインバウンド対策を政策の柱にするなか、国内外の観光客に向けて、この壁画をシンボルにした秋田空港が、秋田の魅力を発信する玄関口になってほしい」と、“秋田から世界へ”の期待を述べた。

また、滝は「高い文化力が国を豊かにする」というパブリックアートの意義や歴史を説明。「漫画は世界に誇るべきアート。壁画の魅力が秋田の観光に末永く寄与してほしい」と、挨拶した。

そして、最後は矢口氏が巨大な壁画を前に、「自分自身の作品が迫力ある見事な陶板レリーフに仕上がり、感無量。漫画家の道の果てに、このような栄光があるとは夢にも思っていなかった。故郷・秋田の発展を願います」と、壁画設置の喜びを語った。

除幕式終了後は、空港内の「レストラン そら」において、関係者を招いての昼食会を開催。会場では創業明治19年の秋田の老舗割烹「かめ清」が調理した、矢口氏おすすめの秋田の郷土料理 「いものこ汁」や、「ぼだっこおにぎり」が提供され、来場者は舌鼓を打った。さらに、ぐるなびの「接待の手土産」に掲載されている秋田産の商品も特設ブースで紹介されつつ、振る舞われた。

様々な面から、今後の秋田の活性化が期待される1日となった。

漫画家
矢口 高雄氏原画を担当した陶板レリーフ「釣りキチ三平・山魚女群泳」の前に立つ矢口氏。「迫力ある作品で感無量です。この壁画を見に、世界からたくさんの人に来てもらいたい」と、喜びを語った
内閣官房長官
菅 義偉氏「まったく勉強しないで、朝から晩まで釣りに明け暮れた」と、幼少期の思い出を語った菅氏
秋田県知事
佐竹 敬久氏佐竹氏は、「壁画は、開港35周年を迎えた秋田の表玄関を飾るのにふさわしい」と賞賛
株式会社ぐるなび
取締役会長
滝 久雄パブリックアートの意義を説明した滝。「壁画が秋田の活性化に寄与してほしい」と述べた

昼食会

関係者を招いての昼食会。郷土料理を堪能しながら交流を深めた
昼食会の会場には、「接待の手土産」に掲載されている秋田産の商品を展示。関心を集めた
老舗割烹「かめ清」の女将が、秋田の新米を使った「ぼだっこ(塩辛い鮭)おにぎり」を振る舞った
「接待の手土産」掲載の「比内地鶏 味わいセット」なども提供
「いものこ(里イモ)汁」は、矢口氏おすすめの秋田の郷土料理