「ぐるなび戦略共有会議」を開催

2017年1~2月、春の歓送迎会シーズンを前に「歓送迎会とインバウンド対策」をメインテーマとして、「ぐるなび戦略共有会議(GON MEETING)」が、北海道から沖縄まで全国21カ所で開催された。

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歓送迎会商戦を勝ち抜くメニュー作り、販促や外国人受け入れ環境整備について講演

歓送迎会&インバウンド対策をテーマに「ぐるなび戦略共有会議」を開催

恒例の歓送迎会対策に加え、訪日外国人観光客の受け入れ環境整備についても解説。会場には1,000人以上が集まった

基調講演やセミナーに加え商品展示会も大盛況

2017年1~2月、春の歓送迎会シーズンを目前に、「ぐるなび戦略共有会議(GON MEETING)」が、全国各地で開催された。

ぐるなび戦略共有会議は、株式会社ぐるなびが年に二度、忘年会と歓送迎会の時期に合わせて、飲食店の集客や売上の向上を目的に行っているもの。ぐるなび独自のビッグデータに基づく市場動向の分析や、全国の繁盛店事例などを紹介し、毎回好評を博している。また、飲食業界のオピニオンリーダーを招聘して行われる基調講演も、大きな見どころとなっている。

今回は「歓送迎会とインバウンド対策」をメインテーマに、北海道から沖縄まで全国21カ所で開催。東京、名古屋、大阪などでは、農産物や加工品などこだわりの食材が集まる「ぐるなび商品展示会」も併催された。

2月1日、最大規模となった東京会場には、飲食店関係者を中心に1000人以上が集まった。開会にあたり、飲食業界を取り巻く情勢の変化として、スマートフォンやタブレットの普及に伴うWeb予約の増加や、汎用性の高い「共通ポイント」の人気などを指摘。その上で、ぐるなびが様々な企業と連携し、ポイント利用シーンの拡大に向けて取り組んでいることなども紹介した。

また訪日外国人(インバウンド)の動向について、約70%が旅程を個人で手配しており、今後は訪日時の外食もWeb予約が主流になると予測。ぐるなびとしては、日本政府観光局(JNTO)、トリップアドバイザーなどとの連携、事前決済型Web予約システムによるアジア圏外国人の集客強化に努めるとした。このほか、高級宅配弁当の総合サイト「ぐるなびデリバリー Premium」などのコンテンツも紹介。2017年も消費動向をとらえ、幅広く飲食店をサポートしていくと約束した。

午前の基調講演では、都内を中心に19店舗を展開する株式会社ヴィクセスの代表取締役社長・中元孝太氏が登壇。25歳の若さで独立を果たした経緯にはじまり、「他人本位」を基軸にする企業理念や、「礼儀」「感謝」「サプライズ」「おもてなし」「人と違うこと」などを意識した人材育成、「ファン獲得率」「利益達成率」「アルバイトミーティング参加率」など、独自の評価基準を用いた戦略を紹介。アプリを活用したコミュニケーションや独自の人材獲得ノウハウも示し、会場の注目を集めていた。

午後の基調講演には、鳥料理「玉ひで」八代目主人の山田 耕之亮氏が登壇。山田氏は創業からの歴史を振り返り、東京都、農水省と連携して高品質品種「東京軍鶏」を復活させたことや、看板料理である親子丼の発祥について紹介。自身が考える老舗のあるべき姿を「変わらないように変えていくこと」と述べ、時代や客層に合わせて味付けを微妙に変えていること、さらなる高品質化に向けた取り組みなどを語った。

このほか、百貨店と提携した弁当開発、熟成鶏肉や真空低温調理への挑戦についても触れ、会場からは感心の声があがった。

一方、午前と午後の2回にわたって行われた「歓送迎会&インバウンド対策セミナー」では、ぐるなび大学の講師が、加盟店・ユーザーを対象としたアンケート結果や繁盛店の事例などをもとに、歓送迎会の動向を詳細に解説。「近年の歓送迎会は少人数化しているが、通常の飲み会と比較すれば大人数で客単価も高め。自店の客層のニーズ分析、質にこだわった料理の提案、平日の販促が売上アップのカギ」と述べるとともに、ユーザーが飲食店選びにおいて重視するポイント、春の人気食材、メニュー作りのノウハウなども提示。熱心にメモをとる参加者の姿も数多く見られた。

インバウンド対策については、月別の訪日外国人観光客数や飲食費支出の推移などを示した上で、「来店頻度が高いのはどの国の人か、彼らに好まれる食材や料理が何かを見極め、コースとして提案することが単価アップのポイント」などと提案した。

同時開催の「ぐるなび商品展示会」や、「ぐるなび外国語版」「接待の手土産」などの特設ブースも終始盛況。2017年の外食業界への新たな可能性を感じさせる1日となった。

基調講演(東京会場/2月1日開催)

“他人本位”の理念のもと成長し続けるヴィクセスの取り組み

株式会社ヴィクセス
代表取締役社長
中元 孝太氏「多くの人に支えられ、今がある」という“他人本位”の企業理念や行動指針、独自の戦略を紹介。「サービス業界の固定概念を覆す日本一の素人集団」を目標に掲げ、将来的には10,000人企業を目指すという高い志にも、会場から拍手が湧いた。

玉ひでの伝統を守るために「変わらないように変えていく」

鳥料理 玉ひで
八代目主人
山田 耕之亮氏1760年の創業から伝統を守る一方、変革を恐れず尽力した玉ひでの歩みを語った。看板料理の親子丼も季節や客層に合わせて甘さを調節するなど、時代に添った味を追求。飲食店が長く継続するために必要な発想と経営スタイルに、感心の声が上がった。
「ぐるなび外国語版」のブース。外国語版の店舗ページを印刷して作ったメニューブックのサンプルも並んだ
「現役秘書の目利きで選ばれた商品などを掲載する「接待の手土産」のブース。多くの飲食店関係者の関心を集めた

同時開催 ぐるなび商品展示会

全国から約80の生産者らが集結!来場した飲食店関係者に自慢の食材をアピール

「ぐるなび商品展示会」は、全国各地で生産されたこだわり食材が一堂に会する、飲食店と食材の“出合いの場”。飲食店の食材探しやメニュー開発とともに、生産者の販路拡大もサポートし、食業界全体の発展に寄与する試みだ。生産者から直接食材の特長や生産方法などを聞けること、試食・試飲をして品質を確かめられること、その場で商談につなげることもできる効率の良さなどが好評で、毎回多くの飲食店関係者が訪れている。今回は、展示会形式と食材紹介形式合わせて全国19会場で「ぐるなび戦略共有会議」と同時開催された。

2月1日、東京会場では、北海道・東北、関東、中部、新潟・北陸、関西、四国、中国、九州の8つのエリアと特設エリアに区分され、生産者、協賛メーカー、自治体などが合わせて79のブースを出展。こだわりの野菜や畜産・水産物、昨今注目されているジビエのほか、豆腐を熟成させた新感覚の加工品や、原料にイカを用いた魚醤、日本酒、国産ワインなどバリエーション豊かな商品が並んだ。

訪れた飲食店関係者からは、「生産者と話すことで新たなメニューのヒントが見えた」「直接取引には、“顔が見える”安心感がある」といった声が聞かれた。

また、会場には食材や加工品を活かしてシェフが開発したオリジナルレシピや分析シートを展示するブースもあり、新発想のレシピに関心を示す関係者も多く見られた。

多くのブースで試食が提供された。食材に関係するユニークなコスチュームでアピールする生産者も
生産者にとっては、飲食店関係者に商品の売りを伝える絶好の機会。さまざまな資料を使って生産方法やラインナップを紹介した
こだわりの食材や、珍しい食材が多数並んだ
東京会場で行われた「ぐるなび商品展示会」の様子。生産者と飲食店関係者が直接交流し、熱気に包まれた
生産者とシェフが直接話すことで、新たなメニューのアイデアが生まれることも
特設エリアでは、協賛メーカーが飲食店に向けてミックスドリンクなどを提案