「海外現地事情セミナー」で知る、外国人旅行者の声

海外で東京の魅力を伝え、セールス活動を行う個人「東京観光レップ」と情報交換を行う「海外現地事情セミナー」が開催。外国人旅行者は日本の食への関心が高いことが明らかになった。

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インバウンド獲得対策の今─ vol.11

特別リポート「日本の食」が外国人観光客から高い関心「海外現地事情セミナー」で知る、旅行者の声

東京都が配置する各国のレップや旅行エージェントと参加者との商談会の風景。海外の旅行者を東京に呼び込むためにどんな旅行がよいかなど、熱心な意見交換が繰り広げられていた

「東京観光レップ」を配置し、東京都が日本の魅力を発信

2020年の東京オリンピック開催が決まり、2013年には日本を訪れた外国人が年間1000万人を突破し、日本の観光産業が盛り上がりを見せている。そんななか東京都では、東京の魅力を海外に発信するとともに、海外からの旅行者の誘致に取り組んでおり、その施策の1つとして、東京の魅力を伝え、セールス活動を行う個人「東京観光レップ」を8カ国10都市に配置。「東京観光レップ」は、自身が暮らす各都市の旅行エージェントへ、東京観光の情報提供や旅行者のニーズの収集、商品開発のサポートなどを行っている。

その「東京観光レップ」10名と各国の旅行エージェント約30社が来日。去る5月30日(金)、東京・虎ノ門にあるホテルオークラ東京で「海外現地事情セミナー」(主催/東京都産業労働局観光部)が開催された。日本の大手旅行代理店やホテルなど、主に観光業に携わる人々など、約200名が参加。各国のレップや旅行エージェントと参加者が直接会話できる商談会のほか、講演やパネルディスカッションが行われた。

パネルディスカッションでは特に「都市観光における食の魅力について~和食のユネスコ無形文化遺産登録を機に考える~」で盛り上がりを見せた。フランス・パリレップ・小泉範里子氏、イタリア・ミラノレップ・荻原雅典氏、スペイン・マドリードレップ・植田妙子氏、そして、株式会社ぐるなびの杉山尚美がパネラーとして登壇。まずは昨年、「和食」が「ユネスコ無形文化遺産」に登録されたことを踏まえ、各国の食文化について意見が交わされた。そして、「食と観光の関係性」については、どの国の旅行者も「食体験は重要な要素」と位置付けており、そのうえで「日本の飲食店はもっと歓迎の態度を表した方がよいのではないか」「簡単でかまわないので写真付きの外国語メニューが必要」など、情報発信の重要性や環境整備の必要性が語られた。一方で、「旅行者にとっては不便なことも旅行の楽しさの1つ。店舗側が完璧にする必要はない」という意見も聞かれ、まずは外国人観光客を受け入れる姿勢を見せることの重要性が訴えられた。

パネルディスカッションでは東京都も力を入れる観光における食をテーマに積極的に意見が交わされた。(ステージ左より)公益財団法人東京観光財団・田所明人氏、パリレップ・小泉範里子氏、ミラノレップ・荻原雅典氏、マドリードレップ・植田妙子氏、株式会社ぐるなびの杉山尚美

【世界各国の東京観光レップが語る】自国の日本食事情と日本の飲食店に求めること

「東京観光レップ」の7名の方に、各国の食事情や現地の日本食の傾向、そして外国人旅行者が日本の飲食店に求めることは何かなどを語っていただいた。ぜひ、インバウンド対策の参考にしていただきたい。

※掲載は国名アルファベット順

オーストラリア シドニー 栩野(とちの) 勝治 氏

日本の「飲み放題」は売りになる

オーストラリアでは寿司とラーメンが人気です。訪日したオーストラリア人観光客には居酒屋が人気で、飲み放題システムの値段の安さに驚きます。自国にはないため、これは売りになると思いますね。一方で、オーストラリアではレストランもバーも店内禁煙ですので、居酒屋でも禁煙席を増やしてほしいです。サービス面では片言でも英語はうれしいですし、メニューには写真も必要。寿司握りやたこ焼体験などの日本食の「体験」は喜ばれる要素だと思います。

カナダ トロント 津島 晃 氏

カナダでは和食・焼鳥がブーム

トロントでは今、和食がブームで、焼鳥が人気です。料理をシェアする居酒屋文化はカナダにはないものだったので、それも理由の一端でしょう。寿司は昔から人気で、「バンクーバーロール」といったメニューもあるほど。カナダからの観光客が日本で飲食店に行くことは、文化体験の1つであり、和食の体験が一番印象深いと答える旅行者が多いです。それだけ日本での飲食店の情報が重要とも言え、英語版のWebサイトは不可欠ですね。

フランス パリ 小泉 範里子 氏

日本人が普段通う店が観光でも魅力

超高級店の情報は誰でも得ることができますが、コストパフォーマンスがよく、親切で、雰囲気があって、地元の人が行く店、これが日本観光でフランス人が求める店ですね。24時間営業も東京の特色を表すポイントでしょう。今回の来日メンバーも、街で人気の居酒屋に行ったことが一番楽しかったようです。「English menu is available」の札をかけて、簡単な英単語と写真付きのおすすめメニュー20個だけでも作っておいてほしいですね。

イタリア ミラノ 荻原 雅典 氏

イタリア人は小規模な個人店を好む

イタリア人は、大きい店より小さい個人店を喜びますね。旬の食材をそのまま味わうという和食はイタリア料理と似ているので、イタリア人は日本の食を受け入れやすいと思います。もし、外国人を受け入れる体制が整っていなくとも「thank you」「welcome」「one, two」など、簡単な英単語さえ言えれば、歓迎の意を表せると思います。また、食べるお手本を見せてあげて、ジェスチャーを交えて教えるのもいいですね。

スペイン マドリード 植田 妙子 氏

1日4食のスペイン人。旅行でも食が重要

スペイン人は1日4食食べるほど、食べるのが好きです。ですから、観光で食は重要です。欧州ではビルの地下に飲食店が入ることはなく、日本でも地下にあるレストランは想定外。そのため、外から居酒屋なのか、レストランなのかなど、何のお店かわかるようにすることが重要です。また、室内でタバコを吸う習慣がないので、禁煙席を好みます。グルテンフリーを求める人やベジタリアンも多いため、アレルギー表示などもほしいですね。

イギリス ロンドン 大野 耕平 氏

日本のB級グルメに人気が集まる

イギリスでは「食」がブーム。手作りやヘルシーさを求めるなかで、和食も注目されています。現地では寿司はもちろん、カレー、ラーメン、お好み焼、たこ焼、大判焼などのB級グルメも人気。ですが、一般的には東京は飲食代が高く、遠くて一生に一度の旅行先という印象。同じアジアでも、タイなどのリゾートに行く人が多いのが現状です。日本食は高いという先入観を払拭し、日本の魅力をさらに伝えられれば、観光誘致にも効果的なはずです。

アメリカ ロサンゼルス 青木 利恵 氏

食に興味のある旅行者が増加中

ロサンゼルスはラーメンブーム。フードコートで12ドルしてもラーメンをオーダーしますから、食べたいものにはお金をかける傾向です。たこ焼や回転寿司、居酒屋もブームで、日本のビールに合う和食が人気。焼酎も人気がありますね。ロサンゼルスの飲食店はすべて禁煙なので、日本でも禁煙席は必須です。食に興味がある旅行者が増えていますから、食に関する情報、特にWebでの情報は重要。メニューも英語版を用意してもらいたいですね。

インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。国土交通省を中心に展開される「ビジット・ジャパン」事業(2003年~)などにより、2013年には過去最高の1,036万4千人もの外国人が訪日(日本政府観光局[JNTO]発表)。これまで過去最高であった2010年の861万1千人を上回り、1964年の統計以来、初めて1,000万人を突破した。今後も増加が予想されるインバウンドの集客対策は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。

Information

受講無料 ぐるなび大学でインバウンド対策セミナー好評開催中!

近年、増加の一途をたどる訪日外国人観光客(インバウンド)。2013年は過去最高の1,036万人となり、初めて年間1,000万人を突破した(日本政府観光局[JNTO]発表)。

今後もさらなる増加が期待される中、ぐるなび大学ではインバウンドの集客対策として、「インバウンド対策セミナー」を各地で開催。インバウンドの現状、集客するためのポイントや「おもてなし」をする上での注意点を伝えるとともに、実際に外国人観光客が来店したときの対応について学ぶ内容になっている。ぜひこのセミナーを活用し、インバウンド受け入れ準備につなげていただきたい。

開催スケジュール

※参加無料。対象はぐるなび加盟の飲食店様となります。
※詳細はWeb、もしくは電話でお問い合わせを。

ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking

「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、ぐるなびが2013年4月25日に開設した、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。

全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の“本物の情報”を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。それを理解してもらうことにより、結果として日本の外食文化の健全な発展、そして海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客の拡大を目指していく。

■会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧を促進。
■日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。

https://sg.sushiandsake.net/(英語版)https://th.sushiandsake.net/(タイ語版)https://sushiandsake.net/(ロサンゼルス版)

訪日外国人観光客のための「コンシェルジュサービス」も実施!インバウンド対策には詳細情報の発信が可能な「ぐるなび外国語版」!

■ぐるなび外国語版 トップページ

インバウンド(訪日外国人観光客)の受け入れ環境整備は、飲食店の急務。ぐるなびでは、そのサポートの一環として「ぐるなび外国語版」を開設している。

トップページは英語、韓国語、中国語(簡体字、繁体字)、タイ語、マレー語、インドネシア語に対応し、店舗ページでは売りや特徴をアピール。また、店舗ページのメニュー情報をプリントアウトするだけで、簡単に外国人用のメニューとして使用できる。2013年には特集の掲載のほか、コンシェルジュサービス(※1)がスタートするなど、ユーザーの使い勝手も高まっている。

ぜひ「ぐるなび外国語版」の導入を検討してみてはいかがだろうか。内容や加盟特典に関する詳細は、担当営業またはサポートセンターまで。

※1「 コンシェルジュサービス」
日本語を話せない「ぐるなび外国語版」ユーザーのために、予約専用ダイヤルを設置。ぐるなびの外国人スタッフが直接要望を聞き、日本語で希望店舗への予約を代行するサービス。また、メールでの問い合わせ専用フォームもあり、ぐるなびに蓄積された様々な情報をもとにユーザーの要望に合った店を探して返信する。

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※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

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