「天ぷら」の技を伝えるサービスとおもてなしを実現

「天ぷら阿部 銀座本店」では、以前から英語と中国語のメニューブックを用意。また最近、外国人客が爆発的に増えたため、「ぐるなび外国語版」のメニューページを出力して対応している。

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インバウンド獲得対策の今─ vol.41

食のエンターテインメント「天ぷら」の技を身近で伝えるサービスとおもてなしを実践

年々増加傾向にある訪日外国人観光客(インバウンド)。ビジネス等で長期在日する外国人も対象に、言葉の違い、文化の違いを乗り越え、様々な工夫で集客を図る飲食店の取り組みをレポート。

外国語メニューブックは英語と中国語の2つを用意(上は英語版)。ランチ用では食材も明記している

「ぐるなび外国語版」をメニューブックとしても活用

2009年にオープンした「天ぷら阿部 銀座本店」は、天ぷら一筋42年の阿部三郎氏を中心に4名の職人たちが、自慢の腕をふるう天ぷら専門店だ。

食材にこだわり、「九州・沖縄産の活才巻海老をはじめ、朝ジメの活アナゴ、季節の山菜、茨城県鹿嶋市産の大ハマグリなどを厳選しています」と話すのは、二代目の奥村 仁氏。それらの食材が持つ力を最大限に引き出すため、油は小麦粉と相性がよい国産の綿実油(めんじつゆ)と太白(たいはく)胡麻油を選んで使用する。軽い食感の衣でさっぱり仕上げた天ぷらは、外国人観光客にも大人気で、5年ほど前からは英語と中国語の外国語メニューブックを用意。また、「ここ3年で外国人のお客様が爆発的に増えた」(奥村氏)ことを受け、現在は「ぐるなび外国語版」のメニューページをプリントアウトし、既存のメニューブックにプラスして対応している。

店を訪れる外国人客は、中国・台湾・香港などアジア系が中心。「『天ぷら』という料理や食材を勉強してから来店される人が多いですね。カウンターが全員外国人の時もあり、インバウンド対策の重要性を感じています」と奥村氏。「最近は英語のツナではなく、トロやマグロなど日本語を使う人が多く、今やタコやアナゴも外国人が苦手な食材ではなくなりました。和食への期待の大きさと認知の広がりを感じます」と言う。アルコール類はワインやシャンパンもあるが、日本酒が好まれており、熱燗を楽しむ通の外国人客も増えている。

外国人客も多くがコースを利用し、一番人気は「松コース」5000円。才巻海老2本、魚3品、野菜4品、海老かき揚げに、デザートとして揚げたい焼きと、アイスコーヒーを茶筅で泡立て、抹茶椀で供する「雪見コーヒー」が付くなど、独自の工夫が喜ばれている。また、外国人にとっては、カウンター越しの職人の調理自体がエンターテインメント。「写真や動画を撮る外国人がほとんどですね。だから、職人のほうもカメラを向けられれば、“サービス”しますよ」と奥村氏。カウンターの皿に箸で天ぷらを置く際にも笑顔でピースサインするなど、柔軟に対応している。

今後は、和食の真髄を世界に伝えるコミュニケーション力をより高めることが目標だという。

スタッフが作成した接客の英語会話帳。対訳のほか、カタカナ読みも記して覚えやすくしている
「LIVE JAPAN」にも加盟し、天ぷら店であることをわかりやすくアピール。天ぷら一つひとつを写真とともに掲載
調理中や料理の提供時に、カメラを向けられれば笑顔で対応する
コースのシメは、揚げたい焼きと雪見コーヒー。外国人には特に好評
厳選された食材。コースでは提供前に1人前の食材を見せている
コースのかき揚げは「天丼」(上)か、「天茶(天ぷらの茶漬け)」を選択できる。会話のきっかけにもなっている
天ぷら阿部 銀座本店(東京・銀座)
東京都中央区銀座4-3-7 スバルビルB1
http://r.gnavi.co.jp/e540700/

地下鉄銀座駅から徒歩1分。熟練の職人の調理、女性スタッフの細やかなサービスの評価が高い天ぷら専門店。店内はカウンターを中心にテーブル席も備えた16席。貸切宴会にも対応する。
二代目 奥村 仁 氏
和食の名店「なだ万」で、現「てんぷら阿部」店主の阿部三郎氏に18年間師事し、二代目として店を統括。食材選びから料理の提供法、接客サービスまで、高い水準を目指している。

インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。2013年には1964年の統計以来、初めて1,000万人を突破。そして2014年には1,341万人に達し、2015年は1,973万人を記録。2016年3月30日には政府より、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人という目標が発表された。今後も増加が予想されるインバウンドの集客は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。

訪日外国人向けワンストップガイドサービス「LIVE JAPAN PERFECT GUIDE TOKYO」で積極的に自店をアピール!

2016年4月13日にグランドオープンとなった「LIVE JAPAN(ライブジャパン)PERFECT GUIDE TOKYO」。これは、株式会社ぐるなびを含め、参画企業27社局(2016年11月より、株式会社エイチ・アイ・エス、京成バス株式会社、京浜急行バス株式会社、株式会社はとバス、三菱地所株式会社の5社が新たに参画)が力を結集して、東京の“食”を含めた「施設ガイド」などの各種情報を提供する訪日外国人向けワンストップガイドサービス。

飲食店や商業施設は「ぐるなび外国語版」における「メニュー情報一元変換システム」のノウハウを活かした「ライブ情報多言語変換システム」を利用可能。食材の入荷や空席状況などの“今日の情報”を、簡単な操作で多言語化して発信することができる。訪日外国人が必要とする情報を積極的に提供することで、集客のチャンスを拡大したい。

Topics

2016年の訪日外国人数は、過去最高の2,403万9,000人!

去る1月17日、日本政府観光局(JNTO)より、2016年の訪日外国人数(年間推計値)が発表された。2016年は前年比21.8%増の2,403万9,000人となり、JNTOが統計を取り始めた1964年以降最多となった。2015年の1,974万人から大幅に増加した要因には、クルーズ船寄港数の増加、航空路線の拡充、従来からの継続的な訪日プロモーションに加え、ビザ緩和、免税制度の拡充などが考えられる。

訪日外国人数を国別にみると、特に中国と韓国からの伸び率が高く、中国は前年比27.6%増の637万人、韓国は27.2%増の509万人。台湾は417万人(前年比13.3%増)、香港は184万人(同20.7%)となり、これらの訪日外国人数上位4エリアで全体の約72.7%となり、実に訪日外国人の10人に7人は、東アジアから来ていることがわかる。

ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking

「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、ぐるなびが2013年4月25日に開設した、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の情報を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客のさらなる拡大を目指している。

サイトでは、日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。また、会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能となる。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧も促進している。

英語版トップページ

http://fr.sushiandsake.net/(フランス語版)
http://tw.sushiandsake.net/(台湾版)
http://hk.sushiandsake.net/(香港版)
https://sg.sushiandsake.net/(英語版)
https://th.sushiandsake.net/(タイ語版)
https://sushiandsake.net/(ロサンゼルス版)

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