株式会社 Be DREAMERs 代表取締役 高瀬 久夫 氏 - 挑戦者たち -

2018/06/08

スタッフ自身が笑顔で楽しめ、
誇りを持てるグループにしたい

株式会社 Be DREAMERs 代表取締役 高瀬 久夫

“農場系肉バル”と銘打つ「FARMERS TABLE」など、千葉県柏市を中心に現在、12店舗を展開する株式会社Be DREAMERs の高瀬久夫氏。今年上半期だけで6店舗をオープンし、社員も一気に増えるなど、会社は急成長を遂げている。ミッションに掲げる「スマイル&エンジョイ」に込めた思いや、飲食業に邁進する原動力を聞いた。

――証券会社を経て飲食業界に進んだそうですが、経緯を教えてください。

 大学を卒業して証券会社に就職しましたが、当時から、本当にやりたかったのは飲食業。学生時代にアルバイト先のダイニングバーで、生き生きと楽しそうに働く人たちがカッコよく見え、将来は独立して飲食店を出そうと心に決めていました。ただ、学資ローンなどの借金があり、まずは給料が高い仕事に就いて借金をすべて返してから、夢に進もうと考えたのです。

 証券会社で働き始めて、飲食への思いはさらに募りました。先物取引の営業をしていたのですが、基本的にお客様からは歓迎されません。だからこそ、お客様に喜んでもらえ、「ありがとう」という言葉までもらえる飲食業のすばらしさをあらためて感じました。

 証券会社を2年で辞め、学生時代のアルバイト先の店長が独立して出したイタリア料理店で社員に。その後、28歳で結婚して子供が生まれたのを機に独立を考えていたとき、株式会社エー・ピーカンパニーの米山久社長の講演を聞く機会があり、その人柄に惹かれました。「この人から学べるものがたくさんあるに違いない」と感じ、将来的な独立の意向を伝えたうえで、エー・ピーカンパニーに入社しました。

 在籍した6年間で店長、SV、事業部長とステップアップしながら、約50店舗の立ち上げに携わりました。そこで得たノウハウはもちろんのこと、部下を信じて仕事を任せる大切さや、スタッフに何でも相談してもらえる信頼関係を築くことなど、当時学んだすべてが今の自分の基礎になっています。

――着実にキャリアを積む過程で独立への想いに変化は?

 独立したいという気持ちが揺らぐことはありませんでしたが、自分の中で変化したのは、もともとの「小さな店を少人数で楽しくやっていきたい」という目標から、複数店舗の展開を目指す考え方へシフトした点です。その理由は、自分で会社を経営するのならば、働くスタッフが将来に不安を感じることなく、スキルアップしながら一生働ける会社にしたいと思ったから。そのためにも、複数店舗を経営して会社全体の利益を拡大し、経営基盤を強固にすることが重要だと考えたのです。

 目標の35歳より1年早く、34歳で独立し、千葉・柏に海鮮イタリアンの「トラットリア コラーレ」をオープン。柏を選んだのは、繁華街、ビジネス街、住宅街が集まっていて、マーケットとしてバランスがよく、平日・週末を問わず集客が見込めることなどが理由です。1号店が軌道に乗り、翌年にはその近くに居酒屋「魚久商店」をオープン。その後、熟成肉や新鮮野菜を楽しめる“農場系肉バル”「FARMERS GRILL」と「FARMERS TABLE」を、柏を中心に相次いで出店。そして、2018年は柏の葉キャンパス駅前の複合施設跡に6店舗をオープン予定で、今年中にグループ全体で店舗数は13に増えます。

――店づくりや出店する立地に関して重視するポイントは?

 店づくりについては、繁盛店に共通する要素と考える「おいしさ」「心に残る接客」「コストパフォーマンス」の3つを追求し続けています。特にコストパフォーマンスは、安ければいいというものではなく、「納得感」と「満足度」を伴っていることが非常に重要。厳選した素材を使い、原価率が100%に近い名物メニューをすべての業態で用意しているのもそのためです。

 立地に関しては、集客が見込めることに加えて、周辺に大学があるなど、アルバイトスタッフを集めやすいことも重視します。採用コストを抑えることができれば、その分を原価や人件費にかけることができ、結果、スタッフの労働環境がよくなり、離職率が下がってスキルが蓄積されるという好循環になるからです。エー・ピーカンパニー時代に東京、千葉、神奈川の広範囲を管轄し、各エリアについて詳しくなったことも強みになっています。

 さらに、独自の市場調査も徹底して行います。出店候補エリアで繁盛しているすべての店を、月初・月中・月末の各1週間、つまり合計21日間、スタッフと手分けしながら客として訪れ、各曜日の集客状況などをくまなくリサーチ。これほど念入りに調査するのは、起業から10店舗目までは、手堅く慎重に「10戦10勝で行く」と決めていたからです。一か八かで物事を決断していては、社員やスタッフに迷惑をかけてしまいます。「安心して一生働ける会社にする」という起業時の決意が常に根底にあります。

――今春だけで社員が12人増えるなど採用も順調なようですが、秘訣は?

 実はこれまで、社員採用に費用をかけたことはありません。アルバイトから社員になったり、かつて一緒に働いた人が入社してくれたりするケースが多いですね。会社の方向性が明確で、理念に共感してくれるからこそ、仲間が着実に増えているのだと思います。

 会社のミッションとして「スマイル&エンジョイ」を掲げていますが、これはお客様よりも先に、従業員を念頭に置いたもので、スタッフが笑顔で楽しく働ける環境を作ることが、会社の使命と位置付けています。働く皆が笑顔で楽しめてこそ、人の心を動かすサービスが可能になり、お客様を笑顔にできる。そう信じています。

 また、人材に関する指針の1つに、「FIS=EIS=CIS」があります。これは、FIS(家族や両親や仲間の感動満足)がEIS(従業員の感動満足)になり、CIS(顧客の感動満足)にもつながるという意味。FISを最初においているのは、従業員の家族や仲間が幸せな状態にあり、プライベートが充実して初めて、仕事にも打ち込めるという考えがあるからです。

 また、各店の店長には「お客様のため、仲間のため、店のためになることなら、自由にやっていい」と伝えています。アルバイトにも主体性や責任感、ワクワク感を持って仕事をしてほしいので、自分で選択する機会をできるだけ与えることを意識しています。

――手堅い出店戦略で10店舗を超えた今、次なる目標や実現したいことは?

 起業時に目指した売上10億円に、設立4年目の今年中には届きそうです。次は、設立7年目となる2021年に30店舗まで増やすことが目標。地元の生産者との連携をより強めるなど、地域活性化にも貢献していく考えです。並行して、会社として労働環境や給与体系をきちんと整備し、飲食業界に根付く「給料が安い」「労働時間が長い」という“常識”を壊していきたい。そのためにも会社をさらに成長させ、発信力や影響力を高めていくことが重要で、今後、情報を発信しやすい都心にも出店したいと考えています。

 目指すのは、働くスタッフ自身が笑顔で楽しめ、誇りに思い、自慢できるグループ・組織になること。「飲食人は自由人であれ」と、日頃からよくスタッフには話しています。枠に縛られず、挑戦を重ねながら、感性を伸ばしてほしい。それができる環境を整えることが、私の役目だと思っています。

高瀬 久夫 氏
高瀬 久夫 氏
トラットリア コラーレ(千葉・柏)
トラットリア コラーレ(千葉・柏)
https://r.gnavi.co.jp/nd5fr0jc0000/
築地直送の鮮魚を使った料理が自慢。窯焼きピッツァや、「フォアグラと仔牛のフィレ肉のロッシーニ」など、酒が進む料理がそろう。
 
FARMERS TABLE 柏西口店(千葉・柏)
FARMERS TABLE 柏西口店(千葉・柏)
https://r.gnavi.co.jp/dpcedjv80000/
老舗食肉会社「さの萬」から仕入れる熟成肉や、季節の新鮮な野菜を堪能できるバル。アメリカの納屋をイメージした内装も魅力的。
BBQなど、様々な社内イベントも開催。「店舗外でも時間を共有することによって、信頼が生まれる」(高瀬氏)
BBQなど、様々な社内イベントも開催。「店舗外でも時間を共有することによって、信頼が生まれる」(高瀬氏)
高瀬 久夫 氏
Profile
Hisao Takase
1980年北海道生まれ、茨城県育ち。大学時代は千葉・柏に住む。イタリア料理店での修業を経て、株式会社エー・ピーカンパニーに入社。事業部長として多数の新店舗立ち上げを経験する。2014年に34歳で独立し、柏に海鮮イタリアン「トラットリア コラーレ」をオープン。
Company Data
会 社 名
株式会社 Be DREAMERs
所 在 地
千葉県柏市若柴184-1
柏の葉キャンパス149-1
オークヴィレッジ内
Company History
2014年
1号店「トラットリア コラーレ」オープン
2015年
株式会社Be DREAMERsを設立。「魚久商店」ほかオープン
2016年
柏駅東口に「FARMERS GRILL」オープン
2017年
「FARMERS TABLE 川口店」「FARMERS TABLE 柏西口店」オープン
2018年
柏の葉キャンパス駅前に「サカナバル コラーレ柏の葉」「FARMERS TABLE 柏の葉」など6店舗を相次いでオープン。秋には流山おおたかの森駅に新店舗を出店予定

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