2014/04/14 繁盛の法則

彩り豊かな商品と笑顔の接客で人気の高いうどん店とは

女性客に支持される「讃岐のおうどん 花は咲く」(東京・新中野) に学ぶ‐讃岐うどんの製麺法をベースにしながら、もっちりした麺を独自に開発。平日は昼60人、夜20人、土・日は100人以上が来店する。

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讃岐のおうどん 花は咲く

地下鉄丸ノ内線新中野駅から徒歩3分ほど、中野通り沿いのビルの1階に出店

Key Point

  1. もっちりした独特のうどんを提供
  2. 高頻度のリピーターを増やす
  3. 明るい笑顔の接客に努める

讃岐うどんのおいしさに感動。うどん店の事業展開を決意

「初めて本場さながらの讃岐うどんを食べたときに非常に感動し、このおいしさをもっと広めていきたいと思ったのです」と、東京・新中野にある「讃岐のおうどん花は咲く」の店主で、有限会社さがた代表取締役の相方(さがた)芳彦氏は語る。1974年東京生まれの相方氏は、以前はそばとうどんでは圧倒的にそば派だった。しかし、2012年10月25日に香川出身の店主が経営する都内の讃岐うどん店に立ち寄ったことが、人生の転機となった。相方氏は総合リサイクル業を15年ほど経営しているが、その第1の柱に加え、うどん店の展開を第2の柱にしようと決意し、早速準備を開始した。

まず、2013年1月に香川の製麺機器メーカー、株式会社大和製作所が開校している6日間のうどん学校で基礎を学び、その後、都内のうどんチェーンの繁盛店でアルバイトを経験。4月にはうどん学校から紹介された香川のうどん店で約1カ月修業した。

開業に当たり、夫妻で働くことを前提とし、小学生の息子2人の学校のことも考え、東京・中野の自宅から近い場所で物件を探した。目的を持って来店してほしいと、商店街からやや外れた立地で、以前はケーキ店だったが、スケルトンになっていた現物件を選んだ。自宅から車で10分ほどの場所で、店舗規模は15坪21席。オープンキッチン前のカウンターに12席、テーブル席5卓11席を設け、厨房からすべての客席が見えるようにした。相方夫妻をはじめ、従業員たちの明るい笑顔の接客も、同店の魅力となっている。

「来店したお客様に元気になって帰っていただき、それを続けてゆくゆくは日本を元気にしたいのです。また、お客様を喜ばせたり、楽しませたりすることが、店を続けていく力にもなります」と相方氏は語る。なお、店名は当時小学校2年生だった次男の考案で、「讃岐うどん」ではなく「讃岐のおうどん」としたのは、同5年生の長男のアイデアだった。

うどんのおいしさをストレートに味わえるぶっかけが人気商品で、女性客を意識した盛り付けの美しさも特徴。手前が「海老と揚げ餅ぶっかけ」(910円)、奥が「彩り4種野菜のかき揚げぶっかけ」(800円)

国産小麦粉を独自に配合し、讃岐うどんの製法で自家製麺

相方氏は、讃岐うどんの製麺法をベースにしながら、もっちりした麺のおいしさを出したいと、柔らかめの伊勢うどん用の小麦粉に、北海道産などの国産小麦粉を加え、独自にブレンドしている。軟水器を通した水、製麺用に開発された「麺職人の塩46億年」を加え、大和製作所製の機器で自家製麺する。毎朝6時に店に入り、小麦粉と塩水をミキシングした生地を28℃で2時間熟成させ、プレスした後、17.5℃で翌朝10時まで寝かせてから使用する。茹で時間は14~15分かかるため、行列ができ始める正午までに15玉(茹で上がりで1玉300g)ほど茹でておくが、その後はできるだけ茹でたてを提供できるように、客数と茹でるうどんの量を調整している。

出汁は、カツオ節、真折(まおり)昆布、イリコ、ウルメイワシ、イカのゲソを使い、丸1日かけて取る。麺のおいしさをストレートに味わえるぶっかけ用のつゆは、淡口醤油に昆布としいたけを浸け込んだ辛味返しと、白ワイン、赤ワイン、酒、みりんを使った甘味返しを、だしに加えて仕上げている。

2013年6月1日にプレオープンし、混乱を避けるために1カ月間は13時30分~15時のみの営業とし、商品も11品目に絞り込んで、オペレーションに慣れるようにした。7月から現在の営業時間とし、安定的に1日60人を集客できるようになった8月から、チラシを作り、次回の来店時に1品サービスなどのおまけがつくサービス券の発行を開始した。来店日の翌月末までの期限とし、20枚集めるとすべての商品が3割引となるVIPカードと交換できるが、毎月2~3人はVIPカードを入手しているほど、高頻度で来店するリピーターが多い。現在は客単価850円で、平日は昼60人、夜20人、土曜日・祝日は100人以上が来店している。そのうち7割を占めるのが女性客で、年齢層は幅広い。

同店が独自のうどんで着実に集客力を高めている要因は、以下のようになるだろう。

1国産小麦粉を独自に配合して自家製麺した、独特のもっちりしたうどんを提供している。
2サービス券の発行などで次回の来店を促し、頻度の高いリピーターを増やしている。
3明るい笑顔の接客で、お客も元気になるような雰囲気作りに努めている。

今後は多店舗展開を目指し、3年後までに4店舗にはしたいという構想を持つ相方氏。その際は、今のような形態でいくか、低価格・高回転型にするか、今後検討していく考えだ。そのため、香川のうどん店のように、うどん1玉(200g)200円くらいの価格とし、天ぷらも少しずつ揚げて並べておき、2人くらいで稼働できる営業スタイルの実験を、日曜日だけ店名を変えて開始する予定である。

住所
東京都中野区中野中央4-6-12-103
営業時間
11:00~15:00、
17:00~20:00(LO.19:30)、
11:00~16:00(土曜日・祝日 LO.15:30)
定休日
日曜日