独特のもちもち生麺とワインも多彩なパスタ店とは - 繁盛の法則 -

2017/03/06

麺の食感で差別化する「パスターヴォラ 田町本店」(東京・田町)に学ぶ

独特のもちもち生麺とワインも多彩なパスタ店とは

標準の2倍の茹で時間で
生麺独特の食感を強調

 生パスタ独特のもちもちした食感を最大限に引き出し、クセになる味わいで常連を魅了している「パスターヴォラ田町本店」は、ランチタイムともなると連日店頭に長蛇の列ができる。店舗面積は10坪で、オープンキッチンを囲むカウンター12席のみという規模ながら、ランチだけで80~90人を集客している。

 平日のランチは、「アラビアータ」(800円)、「カルボナーラ」(1000円)といったイタリアンベースのメニューに、「釜揚げシラスと大葉」(950円)、「海老と明太子」(950円)などの和風のアイテムが加わり、「本日のパスタ」と合わせ、9品を揃える。さらに日替わりのデリ、スープ、サラダ、焼きたてのパンを、単品もしくはセットで組み合わせることができ、ランチの客単価は1000円強になる。

 ウエイティングが続く間は、スタッフが店頭に出てあらかじめオーダーを取り、席が空いて入店した後は、2~3分で商品を提供できるように調理のタイミングを見計らっている。そのため、お客も待ち時間の目安をつけやすく、食後はすぐに席を譲るなど、マナーよく利用している。

 使用している生パスタは、千葉県柏市のパスタメーカー・株式会社ニューオークボ製で、業務用として広く使われている製品である。しかし、同店ではもちもち感がひときわ顕著で、食後に強い印象が残るのは、茹で方に秘訣があるためだ。メーカー側で推奨している茹で時間は3分で、乾麺よりも短時間で茹で上がるのが生麺のメリットでもあるのだが、同店では逆に8~10分ほどしっかりと茹でることで、食感を際立たせている。

 「当初は基準の時間で茹でたものを提供していたのですが、ある日、お客様から冷製パスタのリクエストがあり、氷水で締めるためにいつもより長めに茹でてみたところ、8分を越えたあたりから急に麺の食感が変わり、よりもちもちで、かつ、ツルッとしたコシのある麺に茹で上がることに気づいたのです」と、國光祐介マネージャーは説明する。以来、「温かいパスタ」でもその食感を活かすべく、9分を基準に麺の状態に合わせて毎日微調整し、茹で上がりはその都度、必ず1本食べて確認する。なかでも、麺自体のおいしさや食感を楽しめる、クセのないピュアオリーブオイルを使ったオイルベースのメニューが人気で、「本日のパスタ」も基本的にオイル系の商品を選んでいる。

グラスワインは容量を変えて
700円均一で提供

 店のオープンは2010年12月。当初はアパレル企業の飲食部門だったが、社員独立の形で2012年10月に設立された株式会社trotto(大野木輝之代表)に事業譲渡された。同社では現在、2013年10月オープンの「パスターヴォラ大手町店」(15坪16席)、2014年10月オープンの「パスタンティーコ 青山店」(30坪60席)を合わせた生パスタ業態計3店舗と、2016年10月より世田谷・奥沢のケーキ店「アンティエール」の共同経営を手がけている。

 パスタ専門店は夜の集客力が弱くなりがちだが、同店ではイタリアワインを豊富にそろえ、ワインバルのような形態で夜も3~4回転させている。特徴的なのは、約20種のワインを、グラスでは70~160mlの5段階の容量に分けて700円均一で提供し、さらにピッコロ(250ml)、デカンタ(500ml)、ボトル(750ml)でも販売している点にある。ほか、ボトル販売のみのワインも15種(2800~6800円)をそろえ、3カ月ごとに入れ替えていく。ワインの産地やブドウの品種の説明だけでは、お客がなかなか味をイメージしにくいと考え、白ワインは男性芸能人、赤ワインは女性芸能人に例えてワインリストに表記しており、この遊び心も好評を得ている。夜は、アルコールとともに食事を楽しむお客が多く、半分以上がグラスワインをオーダーする。

 夜は、前菜(冷、温)、サラダ、オーブン・グリル料理、パスタを提供しており、パスタは約20品目1000~1600円と種類も増え、麺もスパゲティーニ、フェットチーネ、ペンネの3種の生麺から選べる。夜は、短時間でパスタだけを食べに来る人から、ワインと料理で数時間過ごしていく人まで様々。多様な利用動機に応えている。客単価は3700円で、客層も子供連れから年配者まで幅広い。

 同店が生パスタとワインをメインに、多様な動機を持つお客を誘引している要因は、以下のようになるだろう。

1生パスタの茹で時間を調整し、独特のもちもち感を引き出している。
2カウンター12席のみの店舗で、ランチだけで80~90人が利用できるオペレーションを確立している。
3夜はグラス700円均一など、ワインの販売方法を工夫している。

 現在、商業施設内への出店の話も進んでおり、今後も店舗数を増やしていく方針だが、もちもちの生パスタと多彩なイタリアワインという持ち味を活かしながら、立地に合わせた展開を進めていく考えだ。

Key Point
1. 生パスタ独特のもちもち感を訴求
2. オペレーションの確立で高回転を実現
3. イタリアワインの販売方法を工夫
SHOP DATA
住所 | 東京都港区芝4-16-1 カテリーナ三田102
TEL 03-5442-9588
営業時間
11:00~14:30(14:00 LO.)、17:30~23:30(23:00 LO.)
定休日 | 月曜日
JR田町駅から徒歩3分ほどと近いが、隠れ家的な雰囲気をもつ10坪12席の店舗
JR田町駅から徒歩3分ほどと近いが、隠れ家的な雰囲気をもつ10坪12席の店舗
平日のランチメニューより、オイルベースの「帆立とオクラとフレッシュトマト」(950円)のパスタと、「Bセット」(+250円)の本日のスープ(ニンジンのポタージュ、単品は+150円)、本日のデリ(三種豆のマッシュポテト、同100円)、焼き立て丸パン(同100円)
平日のランチメニューより、オイルベースの「帆立とオクラとフレッシュトマト」(950円)のパスタと、「Bセット」(+250円)の本日のスープ(ニンジンのポタージュ、単品は+150円)、本日のデリ(三種豆のマッシュポテト、同100円)、焼き立て丸パン(同100円)

Text and Photo by Food Biz

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