多彩な組合せとボリューム感で支持されるサラダ専門店とは - 繁盛の法則 -

2017/06/14

新鮮な野菜で差別化する「サラダデリ マルゴ」(東京・西新宿五丁目) に学ぶ

多彩な組合せとボリューム感で支持されるサラダ専門店とは

農産物の販路確保のために
サラダ専門店を企画

 大きなサラダボウルにたっぷり盛られた、食事として楽しめるサラダの専門店「サラダデリマルゴ」は、東京・西新宿に3店舗を集中出店し、毎日のように来店する熱烈なファンを増やしている。

 「海外に行くとたいがい食べるものに困るのですが、8年ほど前にニューヨークに行ったときに、街角によくサラダ専門店があり、けっこう助かったんですね。当時は栃木の別会社で教育事業を手がけていたのですが、新規事業として、農産物の生産、加工、販売の事業計画を立てたのです。そのときに、いい農産物を作っていても、販売力を持たないため、安く買いたたかれる農家が多いことに気づきました。だったら販売先を先に確保して、そこに納品するものを生産するというモデルを作ろうと、サラダ専門店の計画が始まったのです」と、経営元である株式会社マルゴワークスの床井正之代表取締役は説明する。床井氏は1975年栃木出身で、東京農業大学農学部卒という、農業の専門家でもある。また、先に別会社で開設した農園は、現在は同社の自社農園となり、店舗で使用する野菜類の1割弱を賄っている。

 サラダ専門店の出店場所としては、やはり都心がいいと考え、栃木産の野菜類や米などの移送を考慮し、東北自動車道からのアクセスのいい西新宿を選んだ。都営地下鉄大江戸線新宿五丁目駅から徒歩1分の西新宿五丁目本店は、周辺に企業も居住者も多いため、両方の需要を狙うことができる。また、テイクアウトとイートイン、さらにデリバリーの動向も見られるという利点がある。今後の店舗展開のために本部機能も必要と考え、1フロア16坪で3階建てのビル1棟を借り、2012年10月に1号店を出店した。1階がサラダのカウンター、テイクアウト販売、厨房、2階がセルフサービスの客席30席、3階が事務所となっている。

 2016年1月に2号店の新宿グランドタワー店(20坪25席)、2016年12月に3号店の新宿オークタワー店(10坪12席)を出店した。オークタワー店は、店舗スペースの奥に約20坪のセントラルキッチン(CK)を作り、約3坪の恒湿冷蔵室を設けた。温度3~5℃、湿度ほぼ100%の冷蔵室内で、3店舗分の野菜類を保管している。なお、ドレッシング類は引き続き本店の厨房で作っている。

各地の契約農家から届く
国産の野菜類を使用

 床井氏は飲食店の経営は初めてで、料理経験もなかったため、同店のサラダやドレッシングのレシピは、フレンチのシェフ、相馬千尋氏に依頼して考案してもらった。相馬氏には同社の役員として参画してもらい、定期的に味の監修などをしてもらっている。

 同店の「オリジナルサラダ」は、まず、3種のグリーンレタスの量をR(600円)もしくはL(900円)から選び、約20種の「スタンダードトッピング」(各50円)、10種以上の「プレミアムトッピング」(各100円)を好みで追加し、ドレッシングを約10種から選んで和え、さらにゴマ、チリパウダー、フライドオニオンといった「無料トッピング」を約10種から適宜選んで完成する。また、あらかじめ具材やドレッシングの組み合せを決めている「スタイルサラダ」6品目(R850~950円、L1150~1250円)も用意している。サラダ全品に全粒粉のピタパンがつくので、サラダの一部はピタパンに詰めて食べてもいい。本来ならばお客一人ひとりにオリジナルサラダをオーダーしてほしいところだが、今のところスタイルサラダのオーダーが6~7割を占める。客単価は1000円で、約8割がテイクアウトで利用している。

 新鮮な野菜類を安定して入手するために、産地を分散させながら、徐々に契約農家の数を増やしてきた。農家からの直送で、収穫後2日で店に到着するため、市場経由より1~2日は早くなる。同店で使用している野菜類の8割が契約農家の生産物で、アボカド以外は国産である。カットした野菜類は、薬品による殺菌や消毒を一切しない。まず50℃の湯に30秒浸けて殺菌、蘇生し、強酸性水でさらに殺菌する。強酸性水は、水に食塩を加えて電気分解することで生成され、微生物の殺菌や消毒作用がある。カット後は12時間以内に使い切り、新鮮かつ安全性の高い“無添加サラダ”として提供している。

 同店がサラダ専門店として支持される要因は以下のようになるだろう。

1主食としてたっぷりと味わえる独特のサラダを考案している。
2野菜類の仕入れや処理方法を工夫し、新鮮で安全な商品を提供している。
3西新宿へのドミナント出店により、認知度向上につなげている。

 「サラダ専門店は、お客様、生産者、業界関係者なども含め、応援して下さる方が多いですね。当面は現在のCKに近い場所に出店し、能力が限界に近くなったら別のエリアにCKを作り、新たにドミナント出店していこうと考えています」と、床井氏は今後の構想を語る。

Key Point
1. 主食になるサラダを考案
2. 野菜類の仕入れや処理を工夫
3. ドミナント出店で認知度を高める
SHOP DATA
住所 | 東京都渋谷区本町3-9-3 マルゴビル
TEL 03-5302-1808
営業時間
10:00~22:30(土日祝~19:00)
定休日 | 無休(ゴールデンウィーク、年末年始などに休業日あり)
3階建てのビルを使って出店。1階が販売カウンターと厨房、2階が客席、3階が事務所となっている
3階建てのビルを使って出店。1階が販売カウンターと厨房、2階が客席、3階が事務所となっている
最近人気上昇中の機能性サラダの1品で、「高タンパク&低糖質サラダ」(R1,200円、税込み)。蒸し鶏、スモークサーモン、ゆで玉子、豆類、キノコ類などを使用。おすすめのドレッシングはバルサミコとスイートバジルのミックス。サラダ全品に全粒粉のピタパンがつく。「本日のスープ」(単品350円、サラダとのセット+200円)はミネストローネ
最近人気上昇中の機能性サラダの1品で、「高タンパク&低糖質サラダ」(R1,200円、税込み)。蒸し鶏、スモークサーモン、ゆで玉子、豆類、キノコ類などを使用。おすすめのドレッシングはバルサミコとスイートバジルのミックス。サラダ全品に全粒粉のピタパンがつく。「本日のスープ」(単品350円、サラダとのセット+200円)はミネストローネ

Text and Photo by Food Biz

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