牛肉100%のパティの旨みが際立つグルメバーガー店とは - 繁盛の法則 -

2018/04/05

手作りにこだわる「マンチズ バーガー シャック」(東京・芝公園)に学ぶ

牛肉100%のパティの旨みが際立つグルメバーガー店とは

米国のトランプ大統領も称賛
高品質バーガーを提供

 牛肉を手作業で刻み、つなぎを一切加えない独特のパティをはじめ、スモークベーコンやソース類など、ほとんどを店内で手作りしている東京・芝公園のグルメバーガー専門店「マンチズ バーガー シャック」。夫婦で経営する柳澤裕氏、裕美子氏は2006年にキッチンカーでの移動販売からスタートし、2011年1月に東京・芝に12坪22席の実店舗を構えた。現在地に移転したのは2013年4月で、店舗は1、2階で30坪40席の規模がある。

 商品力を武器に徐々にリピーターを増やしてきたが、一躍脚光を浴びたのは2017年11月。アメリカのトランプ大統領が初来日し、埼玉・川越で安倍首相との親善ゴルフが行われた際、トランプ大統領の好物であるハンバーガーを昼食に振る舞ったのが同店だったからだ。外務省の担当者がUSビーフを使用したグルメバーガー店として同店に白羽の矢を立て、現地へ食材を持ち込んで作りたてを提供できるかどうかの実証を含め、数日前から極秘で準備が進められた。当日、トランプ大統領が「ベリー・グッド!」を連発しながらおいしそうにハンバーガーをほおばり、親善ゴルフも成功したため、同店も俄然注目を集めることとなった。以降、遠方からのお客を含め開店時間前から行列ができる状況が続き、客層も、従来からの30~40代に加え、若年層やシニア層も増えてきた。以前は900~1000万円だった月商も、1500万円前後に跳ね上がった。

 かねてより「日本でのグルメバーガー市場の裾野をもっと広げていきたい」と願ってきた柳澤氏は、「今回、トランプ大統領に提供したことで、今までグルメバーガーを食べたことがない人も来店し、おいしかったと言ってくれています。グルメバーガーを身近な存在として、多少は、“お茶の間化”できたかなと思います」と冷静に分析している。

特性を活かしてデリバリーや
テイクアウトの需要にも対応

 柳澤夫妻が移動販売を始めたきっかけは、もとは裕美子氏の発案だった。クッキングスタジオの店長を務めていたほど料理が得意な裕美子氏が、友人とともにキッチンカーでの移動販売を計画したところ、友人同士で始めると金銭面などでトラブルが起きやすいと危惧した柳澤氏が、夫婦でやろうと提案。肉が好きで、精肉卸の会社で働いた経験もある柳澤氏は、グルメバーガーを主力商品としてはどうかと、様々な肉を試しながら試作を始め、いつしか柳澤氏のほうがのめり込んでいった。最初は埼玉で、その後、移動販売車の配車を行う企画会社に加盟し、都心で営業するようになった。当時は650~1000円のハンバーガーを販売していたが、ほかの移動販売車が弁当などを1食500~600円で提供するなかで、しばらくは苦戦を強いられた。しかし、徐々にビジネス街で好反応を得ていき、さらなる商品のブラッシュアップを重ねるとともに、物件探しを開始し、実店舗の出店を果たした。

 実店舗での営業開始時には、サイズも大きくしてハンバーガー1000円~とし、徐々にアイテムを増やしていった。以前は国産やオーストラリア産の牛肉も試したが、2012年からはアメリカのナショナルビーフという企業のカンザス工場産を指定し、商社から入手している。赤身主体の3種の部位を塊肉で仕入れ、小指の先ほどの大きさに包丁で切り、独自の配合でブレンドし、1枚135gに成形する。肉感と柔らかさを合わせ持ち、かむほどに肉本来の旨みを味わえる。また、自家製ベーコン、男爵イモを生から揚げるポテトフライのほか、チリビーンズやソース類も店内で作っている。現在の客単価は昼2000円、夜3000円となっている。

 店舗出店時に狙ったのは、オフィス街と住宅街とが混在するエリア。ハンバーガーがテイクアウトやデリバリーの需要にも応えられる商材であるためだ。デリバリーは出店翌年の2007年から開始し、半径2㎞のエリアに、2000円以上の注文で、配達料1回250円で提供している。近くの外資系企業のランチミーティングの際にはまとまった注文が入り、デリバリーが売上の1.5~2割、テイクアウトも約1割を占めている。

 同店が手作りに徹したグルメバーガー店として、着実に成長してきた要因は、以下のようになるだろう。

1パティにこだわり、吟味した牛肉を使い、独自の製法で店内で仕上げている。
2ベーコン、チリビーンズ、ソース類なども手作りし、オリジナリティを追求している。
3デリバリーやテイクアウトの需要にも応えている。

  ハンバーガーというと、日本ではまだ大手チェーンの商品というイメージが強く、また夕食の選択肢からは外れがちで、アルコール類と合わせにくいという面がある。柳澤氏は今後も素材や手作りにこだわり続けながら、「日本人の食文化の中に、もっとグルメバーガーが広がっていけば」と望んでいる。

Key Point
1. 吟味した牛肉と独自製法でパティを開発
2. ソース類も手作りしオリジナリティを追求
3. デリバリーやテイクアウトにも対応
SHOP DATA
住所 | 東京都港区 芝2-26-1 i・smartビル 1・2F
TEL 03-6435-3166
営業時間
11:00~15:00(L.O.)、17:30~21:00(L.O.)、
土曜日 11:00~21:00(L.O.)、
日曜日・祝日 11:00~16:00(L.O.)
定休日 | 月曜日(祝日の場合は営業、翌火曜日休)
2階に入口、オープンキッチン、客席があり、1階は貸切パーティにも使える客席ホールがある
2階に入口、オープンキッチン、客席があり、1階は貸切パーティにも使える客席ホールがある
ハンバーガーは22種類(1,050~2,040円)を販売。写真は定番の人気商品「自家製ベーコンチーズバーガー」(1,500円)。アンガス牛の旨みが引き立つパティ、チーズ、5日間かけて作る香ばしい自家製ベーコン、トマト、折りたたんでボリューム感を出したレタスを挟んでいる。ハンバーガーの原価率は40%強と高い
ハンバーガーは22種類(1,050~2,040円)を販売。写真は定番の人気商品「自家製ベーコンチーズバーガー」(1,500円)。アンガス牛の旨みが引き立つパティ、チーズ、5日間かけて作る香ばしい自家製ベーコン、トマト、折りたたんでボリューム感を出したレタスを挟んでいる。ハンバーガーの原価率は40%強と高い

Text and Photo by Food Biz

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