外食でのそうめん文化の普及を目指す専門店とは - 繁盛の法則 -

2018/07/04

そうめん専門店「そそそ」(東京・恵比寿) に学ぶ

外食でのそうめん文化の普及を目指す専門店とは

和食店での手応えを基に
そうめんに特化した店を考案

 「そうめんを世界に広げたい」という大きな目標を掲げる東京・恵比寿の「そそそ」は、専門店ならではのユニークな商品を開発し、そうめんの新たな魅力を訴求している。

 同店は、恵比寿駅から徒歩3分ほどの商店街に、2018年1月22日にオープンした。店舗規模は1、2階計約17坪24席で、BGMにジャズが流れるスタイリッシュな空間。昼はそうめんメニュー各種、夜は創作料理の酒肴、ドリンク類、シメのそうめんなどを提供している。

 経営元は2013年11月設立の株式会社ティーズ・アンド・エイトで、まず2014年2月に、東京・代官山に創作和食と和菓子の「楚々(そそ)」(17坪30席)を出店した。「楚々」のオープンに向け準備をしていたときに、同社副社長の安藤成子氏が、香川県出身の友人から「このそうめん、おいしいから、お店で出したらおもしろいんじゃない?」と紹介されたのが、瀬戸内海に浮かぶ小豆島産の手延べそうめん「島の光」だった。

 さっそく試食したところ、クセがなくて食べやすく、温かいにゅうめんにしても伸びにくいため、アレンジも利きそうだった。和食店での食事のシメというと、お茶漬けやおにぎりが定番だが、そうめんもおもしろいのではないかと、メニューに加えることにした。予想通り、「楚々」ではそうめんが好反応を得たことから、2店舗目としてそうめん専門店の出店を考えるようになった。「楚々」から徒歩5分ほどの場所で、元は不動産店だった現物件を紹介されたのを機に、「楚々のそうめん店」という意味で「そそそ」と名付けて出店した。

多様な麺料理をヒントに
オリジナルメニューを開発

 そうめんは、1人前に1.5束(1束50g)を使用。茹で時間は2分を基本とし、温かいメニューでは1分半ほどに調整する。定番商品として、温製、冷製、つけ麺、かけ麺、和え麺など18品目600~1000円を提供するほか、2カ月ごとに季節商品を加えて変化を出す。今夏は、西武新宿線都立家政駅近くのフルーツショップ「フタバフルーツ」とコラボし、スイカとメロンを使ったメニュー計4品目を打ち出している。

 なかでもオリジナリティの高い看板商品が、「ふわふわ釡玉そうめん」(650円)である。卵白のみを1食分ずつミキサーで泡立ててメレンゲにし、濃厚な卵黄、カツオ削り節、刻みネギとともにそうめんにのせ、小豆島・金両醤油製の出汁醤油をかけて食べる。「釡玉うどんは卵がよく絡むのですが、麺が細いそうめんには白身が絡みづらいので、食べやすくするためにメレンゲにしました」と安藤氏は説明する。ほかにも、クリーム味、カレー味、韓国風、イタリアン風など、意外かつ多彩なバリエーションをそろえるが、これらはパスタ、そば、うどんなどの麺料理も参考にしながら、安藤氏や、同店の店長兼料理長の伊藤雅之氏がアイデアを出し合って商品化したものだ。

 また、プラス100円で大盛り・替え玉(1束)にも対応し、特にランチタイムは増量するお客が約3割を占める。逆に夜は、ハーフサイズでも提供している。さらに、プラス250円で米粉を使ったグルテンフリーの麺に変更も可能で、グルテンを気にする女性や筋肉質な体作りに取り組む男性などがオーダーしている。

 ディナータイムは、「肉みそそうめんレタス包み」(650円)、「オリーブ入りコロッケ」(750円)など、そうめんや小豆島産の食材を使った酒肴、クラフトビール、ハイボール、日本酒、焼酎などのアルコール類も充実させている。19時ごろまではそうめんを食べに来る人が多いが、その後は料理と酒を楽しみ、最後にそうめんでシメるという利用が多くなる。

 昼の客単価は1000円弱で、多い日には約60人が来店する。夜の客単価は約2500円で、平均40~50人を集客している。年齢層では30~50代が多く、男女比は4対6と、女性が若干多い。また、そうめんメニューは1日に総計約100食が出ているが、そのうち釡玉が20食以上を占めている。

 同店がまだ珍しいそうめん専門店として注目され、メディアやSNSの後押しを受けつつ、着実に評価を高めている要因は以下のようになるだろう。

1小豆島産のそうめんの特徴を活かした商品を開発している。
2多彩なバリエーションや季節商品で意外性のある食べ方を提案している。
3外食市場および世界に向けてそうめん文化の発信を目指している。

 「そうめんが好きな人は多いですし、アレンジが利くので、おもしろいねと言ってくれる方もいます。外食でも、もっともっとそうめんを食べていただきたいですし、そうめんという言葉を広め、世界進出していきたいですね」と語る安藤氏。早くも8月には、アメリカ・ニューヨークでの日本文化を紹介するストリートイベントへの参加が決まり、その前夜祭では「そうめんナイト」が企画されているという。

Key Point
1. 小豆島産そうめんの特徴を活かす
2. 多彩で意外性のある食べ方を提案
3. そうめん文化の発信を目指す
SHOP DATA
住所 | 東京都渋谷区恵比寿西1-4-1
TEL 03-6416-9284
営業時間
11:30~15:00、17:00~24:00(LO.23:00、金・土曜日・祝前日~翌4:00)
定休日 | 不定休
https://r.gnavi.co.jp/h1dadnuu0000/
1階はカウンターのみ10席で、流しそうめんもできる造りになっている
1階はカウンターのみ10席で、流しそうめんもできる造りになっている
看板メニューの「ふわふわ釡玉そうめん」(手前650円)は、オーダーごとに泡立てたメレンゲをのせる独特の商品で、小豆島産の出汁醤油をかけて食べる。「しらす梅おろしそうめん」(左奥800円)はさっぱりした味わい。「フタバフルーツ」とコラボした今夏の季節商品「ミント香るスイカとトマトのマリネそうめん」(右奥1,000円)は、モッツァレラチーズと生ハムでアクセントをつけている
看板メニューの「ふわふわ釡玉そうめん」(手前650円)は、オーダーごとに泡立てたメレンゲをのせる独特の商品で、小豆島産の出汁醤油をかけて食べる。「しらす梅おろしそうめん」(左奥800円)はさっぱりした味わい。「フタバフルーツ」とコラボした今夏の季節商品「ミント香るスイカとトマトのマリネそうめん」(右奥1,000円)は、モッツァレラチーズと生ハムでアクセントをつけている

Text and Photo by Food Biz

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