記念日からバル利用まで対応するイタリア料理店とは - 繁盛の法則 -

2018/11/15

地元密着型の「コルティヴァーレ」(神奈川・登戸) に学ぶ

記念日の会食からバル利用まで対応するイタリア料理店とは

本格志向のレストランや
ベーカリーを徒歩圏内に出店

 JR南武線と小田急線の乗り換え駅である登戸駅周辺は、現在、長年の計画である区画整理が進行中で、新たな街に生まれ変わろうとしている。その登戸駅から徒歩1分、築50年の建物の1階に、2013年10月オープンしたイタリア料理店「コルティヴァーレ」( 15坪27席)は、本格的な料理と厳選したイタリアワインをそろえ、ハレの日にも利用できる店として地元で高い評価を獲得している。

 経営元は、2011年9月設立の株式会社RAISE(レイズ)で、同店の3軒隣に「ビストロカプリシュー」(2011年9月オープン、15坪26席)、隣駅の向ヶ丘遊園駅から徒歩5分の「カルペディエム」(2017年8月オープン、20坪26席)のフレンチ2店と、「セテュヌボンニデー」のブランドで展開しているベーカリー、およびベイクカフェ計3店の、総計6店舗を神奈川・川崎市多摩区内に出店している。地元密着型でありながら、普段使いのカジュアルな業態を多店舗化するのではなく、各店がオーナーシェフの店かと間違われることもあるほど、個性的かつ、本格志向の店舗として展開している。また、近くの農家や福祉施設で生産された野菜類やハーブを使うなど、地域の農園と連携している点も特徴の1つである。

 「コルティヴァーレ」は現在、料理人歴25年のベテランシェフの岡田淳氏、ソムリエールで店長の早田雅美氏と、週末に調理補助とサービスで勤務する学生アルバイトで稼働している。岡田氏は、以前は東京・神楽坂に本店があるイタリアンの有名店「カルミネ」グループに計18年勤務した経験があり、3人のイタリア人シェフに師事した。自宅が近いことから、2015年6月に同店が料理人を募集していると知り、応募してすぐに採用された。実は前任のシェフが辞めてしまい、数週間閉店を余儀なくされていた時期だった。絶好のタイミングで岡田氏が入社したため、すぐに営業を再開し、料理内容、メニュー構成も岡田氏に一任された。一方の早田氏は2015年3月の入社でホールの接客と、店で提供するイタリアワイン約30種の仕入れや管理などを担当している。さらに、年2回企画・開催している「気まぐれワインの会」も好評で、早田氏につくファンも増えている。

 ランチは、1296円、3024円の2コースを提供し、客単価は1500円。近くに幼稚園から高校まである私立校があるため、平日は子供の迎えに来る母親たちの利用が多く、女性が約8割を占めている。パスタ、ピッツァ、魚料理、肉料理は週替わりのアイテムから選べるようにし、飽きがこないように工夫している。夜の客単価は5000円で、誕生日や記念日などにゆっくりと食事を楽しむお客が多いが、最近は仕事帰りにバルのように気軽に立ち寄り、前菜とグラスワインでさっと楽しむ人も増加中だ。月間で延べ1000人が来店しており、リピート率の高さも特徴である。

Web媒体の販促を強化し
集客力アップを実現

 「地元のお客様がほとんどなので、オープン後の数年間は目新しさもあり好調だったのですが、飽きがきたのか、2016年頃の売上はずっと昨年対比を下回るようになりました。いろいろな要因を分析し、2017年5月からテコ入れを始めました」と、同社の販売促進を統括する露崎誠氏は語る。他店の飲食店でコンサルティング経験のある露崎氏は、低迷の原因が客数の減少にあると考え、地域特性や客層、利用動機、顧客満足度などを分析。その分析結果を活かし、今まで一切、手を入れていなかった販促に着目し、まずは主なWeb媒体にそれまでの2~3倍の販促費を投入した。これにより、地元の常連客に加え、新規客も増え始め、約1年後から売上は再び昨年対比を上回るようになっている。

 同店が周辺にはなかった本格的なイタリアンとして、地元での人気を定着させてきた要因は、以下のようになるだろう。

1ベテランシェフとソムリエールを擁し、質の高い料理と厳選したワインを提供している。
2常連客を意識し、多彩な週替わり料理を用意して来店頻度を高めている。
3Web媒体での販促を強化し、新規客の獲得に効果を上げている。

 同店が現在、直面している大きな課題は、本格化してきた登戸駅周辺の区画整理にどう対応するかである。同店の裏手は、以前は昭和の雰囲気を残す庶民的な飲食店街だったが、2017年初頭から次々と建物がなくなり、現在は更地となっている。最後に残った、同店および「カプリシュー」を含む建物群も、来たる2019年6月の解体が決まった。それまでは現物件で営業するものの、その後については早急な対策を迫られている。同店のファンからは、地元になくてはならない存在として営業の継続を望む声が強く、同社としてもその期待に応えるため、最良のかたちでの再出発を目指している。

Key Point
1. 質の高い料理と厳選したワインを提供
2. 常連客向けに多彩な週替わり料理を用意
3. Web媒体での販促で新規客を獲得
SHOP DATA
住所 | 神奈川県川崎市多摩区登戸3415
TEL 044-930-2070
営業時間
11:00~14:00(土日祝~14:30 L.O.)、17:30~22:00(土日祝前日~22:30L.O.)、日祝~21:00L.O.)
定休日 | 月曜日
https://r.gnavi.co.jp/7utjn08t0000/
登戸駅から徒歩1分、築50年の建物の1階にある15坪27席の店舗
登戸駅から徒歩1分、築50年の建物の1階にある15坪27席の店舗
夜の人気メニューから、前菜の「色々野菜のバーニャカウダ」(1296円/写真右)、トマト、モッツァレラ、バジリコのピッツァ「マルゲリータ」(1404円/同上)、アサリ、カラスミ、ホウレン草入りガーリック風味のスパゲッティ「ヴォンゴレビアンコ」(1512円/同左)。3人のイタリア人シェフに師事してきた岡田氏は、味付けやニュアンスなどを若干アレンジし、日本人にとって食べやすいイタリア料理に仕上げている
夜の人気メニューから、前菜の「色々野菜のバーニャカウダ」(1296円/写真右)、トマト、モッツァレラ、バジリコのピッツァ「マルゲリータ」(1404円/同上)、アサリ、カラスミ、ホウレン草入りガーリック風味のスパゲッティ「ヴォンゴレビアンコ」(1512円/同左)。3人のイタリア人シェフに師事してきた岡田氏は、味付けやニュアンスなどを若干アレンジし、日本人にとって食べやすいイタリア料理に仕上げている

Text and Photo by Food Biz

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