ラーメン店を開業。気になる資金や資格、注意すること

ラーメン店を開業する前に。資金や費用、資格について解説します。下水道法や条例になど注意すべきポイントについても掲載しています。

業態別開業マニュアル 2017年3月14日

ラーメン店を開業する前にチェックして欲しい資金や費用、資格・手続きについて解説します。飲食店と深いかかわりのある下水道法や条例などの注意すべきポイントについても掲載しています。

ラーメン店を開業するには?

ラーメン店は国内に2万3千店舗ほどあり、ここ10年間はゆるやかな減少傾向にあります。NTTタウンページ(株)の「ラーメン店」登録件数推移によると、2015年のラーメン店登録数は23,350件、2006年は27,737件でした。以前のようなラーメンブームは一通り落ち着いた感があります。

出典:NTTタウンページ、NTTタウンページデータベース
しかしラーメンは比較的、味の好き嫌いが分かれやすい食べ物ですので、リピーターを獲得できるような魅力あるラーメンを提供できれば、個人で開業しても成功するチャンスは十分にあるでしょう。 なお、今はできるだけ低リスクで開業し、手堅い経営をした方が成功しやすい時代です。成功を導くために、守るべき法律や条例などについてもきちんと知っておきましょう。

ではまず、開業にあたって必要な資金目安と、資格・申請から解説していきます。

ラーメン店の開業資金目安

アンケートの結果から、開業当初に必要な運転資金も含めると、1,100~1,500万円程度の費用をかけている方が多いことがわかります。

開業資金の目安は、店の形態や規模によって変わってきます。 仮に、都心の居抜き物件で15~20坪、席数22~30程度のラーメン店を開こうとした場合、開業資金の相場は、およそ1,000万円~1,500万です。人気エリアで人通りや車通りの多い場所を選ぶと、物件取得費や家賃は高めとなります。

項目 ラーメン店 開業資金
平均 目安
初期費用(運転資金を除く) 1000 万円 800~1000万円
┗うち物件取得・改装 375 万円 300~500万円
当座の運転資金 625万円 300~500万円
※開業資金アンケートを元に作成(2017年1月ぐるなび実施)回答数=323 飲食店開業資金の目安

ラーメン店開業に必要な資格一覧

飲食店を開業する人が必ず持つべきものは、「食品衛生責任者の資格」です。「調理師免許がない人が調理をしていいの?」と思われるかもしれませんが、全く問題ありません(注意:調理師免許がないのに調理師を名乗ることは違法です)。食品衛生責任者の資格さえあれば、飲食店の経営も調理もすべて自分でできます。

実際にラーメン店をオープンするときは、食品衛生法に基づく「食品営業許可」を保健所に申請して審査に通る必要があります。
開業に必要な資格・申請については、詳細を記載しているこちらの記事をご覧ください。 飲食店開業に必要な資格一覧

排水を規制する下水道法、条例について

飲食店は原則として有害物質を排出する施設ではないので、排水規制はそれほど厳しくありません。しかし、ラーメン店は背油などの油分や有機物がたっぷり含まれた排水を大量に出すのも事実ですから、水質汚濁防止の意識をきちんと持って営業しましょう。ここでは、飲食店の排水を規制する下水道法などの法律や、地域によって異なる条例について説明します。

ラーメン店が守るべき排水基準

排水に適用される法律には、水質汚濁防止法や下水道法があります。下水道に流した排水は、その多くが下水処理場や浄化槽などで処理されてから河川に流れ込みますが、100%きれいに処理できるわけではありません。また、飲食店などが油を多量に含んだ排水をそのまま流すと、排水管や下水道管をつまらせたり、河川や井戸水などの水質を悪化させたりしてしまう原因にもなりかねません。
こうした理由から、ラーメン専門店のような小さめの飲食店でも、法律で定められた排水基準を守ることが求められるのです。
水質汚濁防止法の排水基準では、油脂分について次のような規制があります。これに各自治体の条例が加わり、より厳しい規制が適用されることもあります。

油脂分 許容範囲
ノルマルヘキサン抽出物質(鉱油類) 排水1リットルあたり5mg
ノルマルヘキサン抽出物質(動植物油脂類) 排水1リットルあたり30mg

鉱油類とは石油やガソリンなどを指すので、飲食店に関係があるのは主に動植物油脂類の方です。排水中の油分を減らす方法としては、店舗にグリストラップ(グリース阻集器とも言う。詳しくは後述します)を設置して油脂分を回収する、食器を洗う前に残った油分をふき取るなどがありますが、実際に排水検査をしたら値が基準内に収まらず、苦労している食堂などもあるようです。

厳密に言うと、水質汚濁防止法の規制対象となるラーメン店は、総床面積が630平方メートル以上の特定事業所だけで、下水道法は排水量が1日50立方メートル(5万リットル)の事業所に適用されます。しかし地域の条例で規制対象が広がるほか、店の規模にかかわらず規制を守ることが望ましいと考えられていますので、十分に注意しましょう。 ちなみに、特定事業所が下水の排水制限に違反したときの罰則は、6か月以下の懲役、または50万円以下の罰金などとなっています。

また、道路の雨水を流すための側溝に汚水などを捨てる行為も絶対にやめましょう。これも法律で罰せられる場合があります。店から出る廃油や食品廃棄物などは、廃棄物処理法に基づいて適切に処理しなければなりません。捨てる場合は必ず、出店地域の自治体が収集運搬業許可を出している業者に処理を依頼しましょう。

自治体が定める下水道に関する条例

地方自治体には、それぞれが制定している水質汚濁防止に関する条例があります。開業予定の地域にどのような規制があり、自分の店が対象になるのかどうかは、各自治体に問い合わせて確認してください。
たとえば東京都には「東京都下水道条例施行規程」があり、飲食店にグリストラップ(グリース阻集器)の設置を義務付けています。設置工事は、東京都が指定した排水設備工事事業者に依頼します。
グリストラップとは、厨房の排水口と下水の間に設置する簡単な濾過装置のようなものです。設置するとキッチンの排水がグリストラップの中に入り、残飯などのゴミが取り除かれて油分と水分に分離されたのち、油脂分の少ない水だけが下水に流される仕組みです。グリース阻集器の中には残飯ゴミと油脂が溜まるので、定期的に掃除しなければいけません。放っておくと屋内の排水管がつまって汚水が外にあふれ出たり、嫌な臭いが発生したりして、衛生面・営業面ともに悪影響があります。

自治体が定める環境保全のための排水基準

水域ごとに環境保全条例を定めている自治体も多く、水道水の水源に近いと排水基準が厳しくなったりします。こちらも事前にチェックしましょう。
一例として、千葉県では印旛沼・手賀沼流域にある飲食店で、総床面積が100平方メートル以上の店には千葉県環境保全条例の規制がかかるとしています。届出の必要があるほか、排水量が1日10立方メートル(1万リットル)以上の場合は、油分以外の排水基準も適用されます。

ラーメン店 開業の体験談

ここからはラーメン店を実際に開業して成功した事例、失敗した事例をご紹介しましょう。最初にお話したように、ラーメンは人によって好みの差が激しい食べ物です。 そのため、リサーチでラーメン店を訪れたときは、味を評価する以外に、なぜこの店は行列店なのか?どのような工夫をやっているのか? といった視点で観察してみてください。

行列店も夢じゃない!成功する店の共通点

成功している行列店は、「ラーメンのコンセプトと立地がぴたりと合っている」ものです。 たとえば、ある店は油やニンニクがふんだんに入った味の濃いラーメンなので、若い男性が集まる地域を選び、ある店はキラキラと透き通るあっさり鶏塩スープのラーメンなので、女性が多く働くオシャレな街を選んで出店しています。

また、新規のお客様を呼び込むために入り口を広くして看板を目立たせたり、行列店であることをアピールするために店舗前に椅子を並べたりしています。
ただし、いくら人気があっても看板が歩道を塞ぐほどはみ出し、通行の妨げになるのは厳禁です。警察にも通報されますので、自分の店舗の看板については、店と歩道の境目にある側溝やグレーチング(排水溝の蓋)を超えない範囲で、目立たせる工夫をした方がよいでしょう。

トラブルなどが原因で閉店した失敗例

お客様が店員の態度などについて、SNSや動画サイトで不満をぶちまけたことがきっかけで、店の評判が急降下し閉店してしまうケースもありました。声を上げたのはたった一人でも、また真実とは違った内容が流されたとしても、影響力のあるラーメンマニアやユーチューバーには多数のファンや視聴者が紐付いているので、情報の拡散を止めることは難しいのです。

このような失敗を回避するには、日頃からリスクが存在することを理解し、お客様にきちんと対応することです。批判が起きてしまった場合は、口コミサイトであれば返信をしたり、店内に事実関係を説明する張り紙をしたりする方法もあります。 ラーメンの味については賛否両論あって当然ですが、店の顧客対応への批判的な意見には常々耳を傾け、迅速に対応するようにしましょう。

さいごに
ラーメン店の場合は、独学で調理技術を習得し、開業までこぎつける人が多くありません。その為、ラーメン店での修行期間は必須だと言えます。 修行中は思うような賃金が得られない可能性が高いので、その点も考慮し計画的に開業資金を準備していきましょう。

また、開業直前は多数の手続きがあり大変だと思いますが、法令遵守については、地域に愛される店となるためにも重要なことだと捉え、しっかりと確認をしておきましょう。

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