飲食店物件探し

うどん屋開業。資金は?資格は?製麺機は?

うどん屋を開業したい!資金の目安や資格、製麺機の準備など知っておきたい情報をご紹介します。

業態別開業マニュアル 2017年3月14日

うどん屋を開業したい!資金の目安や資格から、麺とつゆを自家製にしたほうが良いのかどうか、製麺機を導入した場合のメリット・デメリットなど、知っておきたい情報を丸ごとご紹介します。

うどん屋開業の事前準備

うどん屋は地域で嗜好の違いはあっても、たとえばラーメンほどの味の流行り廃りがないことが特徴です。つまり、麺やつゆのだしを取る材料そのものがバラエティに富んでいないため、その型の中で工夫した店舗が成功しているケースが多いのです。 また、近年は讃岐うどん専門店も増えていて、あのコシの強い麺を簡単に作れる製麺機なども開発されています。そのため「脱サラして短期間で飲食店を開業したい!」という人にもチャンスがある業種なのです。

では、うどん屋の開業資金の目安と資格・申請手続きについて解説しましょう。

うどん屋の開業にはどれくらいの資金が必要?

ぐるなびが飲食店向けに実施したアンケートの結果によれば、開業当初に必要な運転資金も含めて、1,200~1,700万円程度の費用が目安とわかります。
下記表より
費用の目安={初期費用(運転資金を除く)目安(700~1,000万円)}+{当座の運転資金の目安(500~700万円)}

開業資金の目安は、店の形態や規模によって変わってきます。 たとえば都心で15~20坪、席数22~30席程度のうどん屋を構えたい場合、開業資金の相場はおよそ1,000~1,500万円です。さらに、製麺機を入れたりガラス張りの製麺スペースを作ったりすることを考慮すると、金額は大きくなるかもしれません。

開業資金には主に、「物件取得にかかる費用」「内外装の設計・工事にかかる費用」「備品・その他の経費」「運転資金」の4つ分類されます。
開業リスクを下げるために、初期投資はできるだけ少ない金額に抑えたほうが良いでしょう。とくにウエイトが大きいのは厨房機器の整備も含めた内外装費なので、居抜き物件や中古品をうまく利用してください。

飲食店開業にかかる費用は、細かく挙げると数十項目にものぼります。予想外の費用が発生して困ることがないよう、資金計画は綿密に立ててください。

項目 うどん屋 開業資金
平均 目安
初期費用(運転資金を除く) 1900 万円 700~3,000万円
┗うち物件取得・改装 950 万円 500~700万円
当座の運転資金 1010 万円 500~1500万円
※開業資金アンケートを元に作成(2017年1月ぐるなび実施)回答数=323
※ぐるなび加盟店向けに調査 飲食店開業資金の目安

うどん屋開業に必要な資格一覧

飲食店を始めるにあたっては、必ず保健所から「食品営業許可」を取ります。ほかにも「食品衛生責任者の資格」と「防火管理者選任届」(店舗または建物全体の収容人員が30人以上の場合)が必須です。またうどんに使う水として井戸水や湧き水などを使用する場合には、「水質検査成績書」の提出が必要となります。
そのほか飲食店を開業するために必要な資格・届け出についての詳しい内容は、こちらの記事をご覧ください。 飲食店開業資金の目安

成功事例・失敗談

開業にするにあたって、事前にできることや成功のポイントをお伝えします。参考にしてみてください。

修業の経験

うどん屋の開業資金を貯めるため、アルバイトをしようと考えている人も多いと思います。せっかくなら同じ業態の人気店の門を叩き、修業のつもりで働くことをおすすめします。理由は、繁盛する店の切り盛りを学ぶことで、自分が開店するときの参考になるからです。

うどん屋と居酒屋の二毛作で成功をつかむ

ある繁盛店は、昼はビジネス街のランチ需要に応える美味しいうどん専門店、夜はアルコールとおつまみメニューが充実した居酒屋という2つの顔を持っています。いわゆる二毛作ビジネスが奏功した例です。うどん屋の客単価は単品の場合、高くても700~800円程度ですが、お酒を飲んでゆっくりしてもらえる環境を作れば、一人客だけでなく複数人のグループでも入りやすくなり、客単価も跳ね上がります。さらに、店舗オリジナルのだしやかえしを使ったサイドメニューを提供して喜んでもらえれば、一石二鳥です。

うどん屋開業の失敗談

店で麺作りをする場合、お客様にライブ感を楽しんでもらうため、製麺している様子が席から見えるように製麺スペースを設計することが多々あります。しかし、その製麺スペースがちらかっている店も少なくありません。また、粉が飛び散りやすく店を綺麗に保つのが難しいため、手打ちが続かなくなるケースもあります。製麺を自ら行うのであれば、こうした失敗をしないために、どのようにしたら製麺しやすく清潔に保てるのかといったことも考えておきましょう。開業前に繁盛店へ修業に行き、こういったことも学ぶと良いでしょう。

また、うどんといえばつゆ、つゆといえば水ということで、良質な井戸水を使いたい店主もいるでしょう。井戸水を使うには事前に水質検査をして成績書を保健所に提出しないといけません。その手続きをうっかり忘れてしまった店が、なかなか営業許可がおりずに困ったということもあるのでご注意ください。

うどん屋開業の準備

うどんの「麺」はどうする?

うどん屋は王道でもうまくいく、というような話を冒頭でしましたが、それは決して楽に成功できるという意味ではありません。小麦の麺と和風のつゆが主役のシンプルな料理ゆえに、お客様に評価してもらうためには、店のこだわりを加えることが欠かせないでしょう。

うどんの麺の原料は主に「小麦粉・塩・水」ですが、讃岐うどんのようなコシが強いものから、福岡県民が愛する博多うどんのように唇で切れるほど柔らかいものまでさまざまです。麺は、自家製にするのか、製麺機を使うのか、仕入れるのか…こだわりは大切にしつつも経費が気になるところです。ここではメリット・デメリットを含めて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

自家製(手打ち)

お客様は、その店でしか食べられないうどんに魅力を感じます。手打ちであれば、材料や麺の太さ、コシまで好きなように作れるというメリットがあります。 しかし製麺レシピの開発は簡単ではなく、1日に手打ちできる麺の量も限られています。自家製麺を一から作ると仕入れ麺に比べコストが掛かるため、全体的に見た製造原価は高くなりがちです。また個人店オーナーの場合、自分でうどんを打つことになるので、時間と手間が掛かってしまうため、お客様に満足してもらえなければ、デメリットの方が目立ってしまいます。

自家製(製麺機)

製麺機を使うと、打ち立ての麺を必要な量だけ用意できるのがメリットです。材料の選定やレシピもある程度こだわれるので、自家製麺の個性を出しつつ、品質を安定させて作業効率も向上できるでしょう。ただし、機械といっても全自動ではないので、製麺に携わる人手や時間は必要です。

仕入れ麺

麺を製麺所や卸業者から仕入れる場合は、生麺と冷凍麺(茹で処理済み)の選択肢があります。どちらの麺の場合もすでに製造されているという点で、オペレーションが軽減されますし、品質が安定します。また、製麺による人件費の上昇を防ぎ、コスト削減にもつながることがメリットといえるでしょう。
デメリットは、麺の価格は仕入量が少ないほど高くなるということです。経費を下げようと味を妥協すればライバル店には勝てず、個性のある生麺の場合は供給の安定性が劣ります。経費と個性のバランスがとれる業務用麺を見極めましょう。

うどんの「つゆ」はどうする?

うどん屋を名乗るからには、麺とつゆの相性にもしっかりこだわりましょう。美味しいつゆは麺の味をさらに引き立てます。とくにつゆのでき栄えにうるさいお客様は多く、麺がいくら美味しくてもつゆがいまいちであれば、リピーターになってもらうのは難しいかもしれません。つゆ作りはお店の成否を左右するほど重要なのです。

そのため、一から自分でだしをとって作るか、他社と共同で作るか、製造会社から仕入れるか…十分に検討して自分の店にふさわしい方法を見つけたいものですね。では、それぞれの費用やメリット・デメリットについて解説します。

自家製つゆ

つゆ作りの基本的な材料は、だしと、しょうゆ、みりんなどの調味料です。しょうゆと調味料で“かえし”を作り、それを昆布・削り節・煮干などを組み合わせてとった“だし”で割って、うどんつゆを作ります。

一般的なうどんのつゆには、次の3タイプがあります。

うどんつゆのタイプ だしの特徴 かえしの特徴
基本のつゆ1
関東風
昆布・削り節・煮干のうち、かつお節(削り節)のインパクトが強い。 濃口しょうゆやみりんなどの調味料を使い、濃い味に仕上げる。
基本のつゆ2
関西風
昆布・削り節・煮干のうち、昆布のインパクトが強い。 だしに薄口しょうゆと塩で少し味をつける程度。つけつゆの場合はみりんや砂糖、濃口しょうゆを加え、甘めのやや濃い味に仕上げる。
基本のつゆ3
讃岐風
白だし。昆布・削り節・煮干のうち、いりこ(煮干)のインパクトが強い。 みりんと酒に、白醤油を加える。つけつゆの場合は濃口・薄口しょうゆや砂糖を加えてでやや濃い味に仕上げる。

だしの削り節はかつお節が一般的ですが、魚種や削り方は何種類もあるので選び方も重要です。魚種はかつお以外に、うるめいわし・さば・むろあじ・焼きあご(とびうお)などもあります。削り方には、平削り・厚削り・細削り・糸削りなどの種類があります。だしをとるときは、素材それぞれの旨味を丁寧に引き出すと同時に、雑味がでないようにするのが重要で、それなりの技術やセンスは必須です。店のコンセプトやメニューに合わせて素材や組み合わせを研究し、美味しいつゆを完成させましょう。

共同制作(セミオーダー/フルオーダー)

オリジナリティは捨てたくないという場合、うどんつゆ専門の業者と共同制作する方法もあります。 メリットは、レシピ開発に時間をとられないこと、委託製造により味や品質が安定すること、地域の特産品を生かしたレシピやメニューなどの提案をしてもらえることなどです。
デメリットは、定番商品を仕入れるのに比べて、割高になるかオーダーロットが大きくなること。多店舗展開している場合はフルオーダーもあり得ますが、店舗が少ない場合は、メーカーの定番商品をベースにアレンジを加えるセミオーダーや、同業他社との相乗り開発のほうが現実的でしょう。

仕入れ(既製品)

うどんつゆ専門業者の既製品を仕入れるメリットは、手軽で品質が安定すること、日持ちがすること、仕入れる商品や量によっては経費を安く抑えられることです。
デメリットは、どこでも食べられる味のうどんになりやすいこと。経費は重要ですが個性がなければ生き残れない世界なので、サイドメニューやお店の雰囲気づくりなど、別軸で差別化して勝負するとよいでしょう。

さいごに
あなたはなぜ、うどん専門店を開業したいと考えたのでしょうか? きっと、プロにしか作れない美味しい麺やつゆを提供して、お客様に喜んでもらいたいからだと思います。 ただし、昔ながらの手打ちうどんは重労働で、本格的なだしをとる手間もなかなかのもの。すべてを自家製にすることも可能ですが、製麺機を活用したり、既製品を仕入れたりする方法もありますので、店のコンセプトやメニュー展開に合わせて、手作り・半手作り・既製品の組み合わせ方を工夫してみてはいかがでしょうか。
その他にも、製麺機メーカーがうどん職人育成スクールを開校していたり、調味料メーカーがつゆの開発サポートやメニュー提案をしてくれたりする場合があります。うまく利用すれば修業やレシピ開発の期間を大幅に短縮できるので、初心者の方はそうした外部サービスを検討してみるのも良いでしょう。

監修者プロフィール
株式会社ライズウィル    井澤岳志
大学卒業後、北陸最大のコンサルティング会社を経て、2005年ライズウィル創業。
飲食店向けの「低リスク」かつ「現場主義」の開業・店舗再生を信条とし、 継続コンサルティングにおける売上アップ成功率は94.1%を達成。 ラーメン店の売上が同月昨年対比で51ヶ月連続アップし、月商300万から750万を達成など、実績多数。 メディア掲載事例としては、「日経レストラン」で支援店舗の成功事例が多数掲載されており、その他、テレビ、雑誌などの取材実績多数。全国での講演実績あり。2009年に出版した著書は現在11刷中のロングセラーとなっている。また、自身も飲食店を北陸地区で複数店(居酒屋、ラーメン店などの業態)経営し、より実践的な成果重視のコンサルティングを行っている。
書籍
7つの超低リスク戦略で成功する『飲食店「開業・経営」法』(日本実業出版社)
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