飲食店物件探し

初心者でも分かる飲食店営業許可の手続き・流れ

飲食店を開業する場合は、「飲食店営業許可」の届け出が必須です。ここでは、手続きや流れ、手数料などについて解説します。申請時の注意事項など気になるポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

飲食店経営 2017/03/22

飲食店を開業する場合は、「飲食店営業許可」の届け出は必須です。ここでは、手続きや流れ、手数料などについて解説します。申請時の注意事項など気になるポイントも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

飲食店営業許可とは?

そもそも飲食店営業許可とは何でしょうか。ここで紹介してみたいと思います。

飲食店営業許可と、その種類

飲食店営業許可とは、管轄する保健所の審査を受けて得られる許認可権で、これは食品の安全性を確保するために衛生について規定した「食品衛生法」で定められています。また保健所の審査は、各都道府県の食品衛生法施行条例に基づいて行われるため、自治体によって必要な書類や手数料などが違ってきます。 食品衛生法では、飲食店は調理業に分類され、営業内容や形態によって「飲食店営業」と「喫茶店営業」の2つに区分されます。

飲食店の区分 対象となる営業形態 
飲食店営業  一般食堂、料理店、すし屋、そば屋、旅館、仕出し屋、弁当屋、レストラン、カフェ、バー、キャバレーその他食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業のこと。喫茶店営業に該当するものを除く。
喫茶店営業 喫茶店、サロンその他設備を設けて酒類以外の飲物又は茶菓を客に飲食させる営業のこと。

認可を得ずに営業を開始すると…

あってはならないことですが、もしも飲食店営業許可を得ずに営業をしたり、更新を忘れたり、放置した場合の罰則はどうなるのでしょうか。 営業許可基準もしくは営業許可期間に関する違反は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金となります。
営業許可基準もしくは営業許可期間に関する違反は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金となります。 出典:電子政府の総合窓口、食品衛生法(昭和二十二年十二月二十四日法律第二百三十三号)

申請手数料について

申請手数料は、各都道府県および自治体で異なります。東京都品川区の場合だと、飲食店の場合は18,300円、喫茶店の場合は11,500円となっています。出店地を管轄する役所に問い合わせてみるといいでしょう
出典:品川区、飲食店等の営業を始めるには

営業許可申請の手続き・流れ

ここでは営業許可を得るまでの流れを説明します。

ステップ①開業計画

どんな店舗でどんな業種・業態にするかを計画します。

ステップ②保健所への事前相談

物件の工事着工前に、保健所へ行って設計図面などを見せます。図面上で施設基準に合致しているかどうか審査してもらうことで、工事後の施設検査(ステップ④)での指摘事項を減らすことができます。自治体によっては、食品衛生の担当窓口で行うこともあります。

ステップ③申請書類の準備・作成・申請

工事が完了する10日前までに必要書類を揃えて保健所に申請します。このとき、申請手数料も支払います。営業許可申請書のほか、自治体によって必要な書類が異なりますので、管轄の保健所に確認しましょう。

ステップ④施設の検査

完成した物件が申請内容および条例で定められた施設基準に合致しているか、保健所が確認します。店のオーナーまたは代理人も立ち合います。

ステップ⑤営業許可書の交付

営業許可書交付の連絡が来たら、指定された場所で交付を受けます。

ステップ⑥営業の開始

開業後は、施設全体が基準に適合しているかどうかと、食品の取り扱いが適切かどうかを常に点検しましょう。開業後も、増改築や店舗の名称変更などが生じた場合の届け出や、営業許可期限(おおむね5~8年)が満了する場合の更新申請が必要です。気になることは、保健所に相談しましょう。

営業許可申請時の注意事項

申請時には、少し注意すべきことがあります。ここでは「食品衛生責任者の設置」と「水質検査の実施」について解説します。

食品衛生責任者の設置

飲食店営業許可の申請には、食品衛生責任者が必要不可欠です。食品衛生法施行条例に基づいて、設置と義務が決められていますのでご紹介します。

・営業者は、許可施設ごとに自ら食品衛生に関する責任者となるか、または当該施設における従事者のうちから食品衛生責任者1名を定めておかなければならない。
・食品衛生責任者は、営業者の指示に従い食品衛生上の管理運営に当たるものとする。
・食品衛生責任者は、食品衛生上の危害の発生を防止するための措置が必要な場合は、営業者に対して改善を進言し、その促進を図らなければならない。
・食品衛生責任者は、法令の開廃等に留意し、違反行為のないように努めなければならない。

食品衛生責任者は、その店舗で働く人が資格を取得しなければなりません。店に常駐する店長や副店長がなることをおすすめします。また、1店舗につき1人必要なので2店舗目の系列店などで食品衛生責任者を兼務することはできません。
各自治体では、食品衛生責任者が食品衛生の最新情報を習得するができるよう「食品衛生実務講習会」を実施しています。年に1度は受講するようにしましょう。 出典:東京都福祉保健局「食品衛生の窓」

水質検査の実施

通常の上水道を使う場合は必要ありませんが、もしも貯水槽の水や井戸水を使う場合は、水質検査が必要です。営業許可申請時には、水質検査成績書(検査結果)が必要なので、該当する場合は、保健所への事前相談の際に水質検査の実施方法も確認しましょう。

飲食店営業許可に関する「こんなときどうする?」

飲食店の業態は、実にさまざまです。取り扱う食品や営業する場所、さらに動物などの要素が加わった場合など、多様なケースについて解説いたします。

飲食店内のパンやケーキのテイクアウト販売をしたいとき

パンやケーキなどの菓子類のテイクアウト販売をしたい場合は、飲食店営業許可に加えて、「菓子製造業」の許可が必要です。ちなみに、食品衛生法では菓子以外にもあん類やアイスクリーム類、乳処理、食肉処理など業種ごとに細かく分類されており、扱う商品に合わせて、それぞれの業種の許可が必要となります。

自宅で開業したいとき

自宅で開業する場合、最も気をつけるべき基本事項は、飲食店の調理場や客席を住居など他の用途に使う施設と壁や板などで区画することです。食品の汚染を防止する構造にすることが求められており、食品衛生法の施設基準として定められています。必ず、施設の所在地を管轄する保健所に確認しましょう。

動物カフェを開業したいとき

たとえば、猫カフェやドッグカフェなどをオープンしたい場合、どのような営業許可が必要なのでしょうか。
ドッグカフェの場合、2種類のスタイルがあります。1つは店で飼育している犬とお客様がふれあうスタイルです。このスタイルには、飲食店営業許可と、動物取扱責任者の設置、第一種動物取扱業の登録が必要です。
もう1つは、店にお客様さまの犬を同伴できるスタイルです。このスタイルの場合は、一般的な飲食店の場合と同様に飲食店営業許可があればいいのです。ただし、犬の抜け毛や排泄物などを除去・処理するための設備や器具の設置など、動物カフェとしての衛生管理をきちんとすることが必要になります。これ以外にも、施設条件を満たす必要があるので、管轄の保健所に確認しましょう。

飲食店営業許可にまつわる体験談

1店舗目を知人に譲り、自分は違う地域に2店舗目を開業しようとした際、飲食店営業許可を申請し忘れたケースがあります。営業許可書は店舗毎の申請となるため、2店舗目以降に引き継ぐことはできません。直前に気づいてオープン前に慌てて申請しことなきを得ました。 初めて開業する場合はもちろん、2店舗目、3店舗目を出店する場合もそれぞれ管轄する地域の保健所へ申請が必要ということ、1店舗目の食品衛生責任者が変わる場合には、その変更届もしなければならないことを覚えておいてください。

さいごに
飲食店の営業許可について全体の流れを説明しましたが、大切なのは綿密な準備です。抜けや漏れがあれば、せっかくお金と時間をかけたのにオープンできない可能性もあります。最初はわからないことだらけなので、保健所の担当者や申請書類の手続きを代行してくれる行政書士などの専門家に積極的に相談するなどして、慎重かつ効率的に進めていきましょう。

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