ダイニングバー開業の資金目安、準備・手続きと失敗談

ダイニングバーを開業するには、どうしたらよいのでしょうか? 資金の目安や必要な資格・申請、物件や立地について解説します。体験談も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

飲食店開業マニュアル(業態別)

ダイニングバーを開業するには、どうしたらよいのでしょうか? 資金の目安や必要な資格・申請、物件や立地について解説します。体験談も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

ダイニングバーを開業するためには?

必要になる資金の目安や資格・申請について解説します。

ダイニングバー開業の資金目安

2017年1月に行った開業資金アンケートでは、開業資金の目安はおよそ600万~1,000万円で、運転資金は200~300万円という結果になりました。カウンター中心の席数が少ない店舗だと資金はこの目安より少なくなるでしょう。


項目 ダイニングバー 開業資金
平均 目安
初期費用(運転資金を除く) 1270.5 万円 600~1350万円
┗うち物件取得・改装 809.1 万円 400~800万円
当座の運転資金 259.0 万円 200~300万円
※開業資金アンケートを元に作成(2017年1月ぐるなび実施)回答数=323
※ぐるなび加盟店向けに調査 飲食店開業資金の目安

ダイニングバー開業に必要な資格・申請一覧

ダイニングバーを開業するにあたり必要な資格や申請を紹介します。飲食店を開業したいという方は食品衛生責任者の資格と、保健所への食品営業許可申請は既にご存知かと思います。ダイニングバーはお酒を提供するので、営業時間が深夜0時を超える場合には「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を警察署に提出する必要があります。
他にも、飲食店開業で必要となる可能性のある資格や申請手続きはこちらからご確認ください。 飲食店開業に必要な資格一覧

店舗面積・席数など、物件選びについて

物件選びは大きな悩みでもあり、楽しみの一つでもあるでしょう。
ここでは、店舗面積や席数、スケルトンの場合と居抜きの場合について解説します。ご予算やデザインに合わせてベストな物件を選択したいものですね。

店舗面積と席数の目安

ここでは、店舗面積や席数スペースの配分を考えてみましょう。
店舗の面積が10坪の場合を例に解説します。ダイニングバーの厨房面積は店舗全体の20~30%が目安といわれており、残りが客席やホールとして使えるスペースとなります。ここでは、70%に当たる、7坪を客席として計算してみましょう。

座席をゆったりと配置して高級感を出したい場合

1坪あたりの席数=1.8席
1.8席×7坪=12.6席(10~13席を目安にしましょう。)

座席を普通に配置してカジュアルな雰囲気にする場合

1坪あたりの席数=2.5席
2.5席×7坪=17.5席(15~18席を目安にしましょう。)

つまり同じ10坪の店舗でも、高級感を演出するなら13席、カジュアル店の場合は18席となります。店舗のコンセプトによって変わってきますので、全体的のバランスも考えた上でプランニングしていきましょう。

居抜き・スケルトンのメリット・デメリット

居抜き物件というのは、前に入っていた店舗の内装や備品などが現状のまま残されている状態をいいます。スケルトンはその逆で、前のオーナーが設備を完全に撤去した状態(あるいは新築)をいいます。
例えば、前者の場合、バーカウンターが備え付けてあると設置工事が不要になるため費用を削減することができますが、レイアウトの自由度は低くなります。後者だとカウンターや棚設置のための費用はかかりますが、自分が思い描いていたバーのレイアウトを実現することができます。
イメージに近い居抜きを探すか、ゼロからのスケルトンを探すかは、店舗のコンセプトや予算によって変わってきます。くれぐれも慎重に、ただ安いからといって条件の悪い物件は避けましょう。

立地について考えよう

どこに出店するのかは、開業するうえでとても重要です。ダイニングバーを出店するなら、駅前・駅周辺やオフィス街、繁華街がおすすめです。出店が比較的多い場所について、メリットとデメリットをご紹介しますのでご参考にしてください。

駅前・駅周辺

駅周辺に開業をするメリットとして、通勤帰りのお客様が見込めるため、終電ギリギリ、もしくはそれ以降まで利用してもらえることがあります。デメリットとして、利便性が高いため、需要が多く家賃が高いことや競合が多いことがあげられます。

オフィス街

オフィス街に開業をするメリットとして、飲み会後に二次会で利用してもらえることがあります。ボックス席がある店舗の場合は、広さにもよりますが5~10人程度の団体利用も可能です。デメリットには、競争が激しく、価格競争に巻き込まれやすいことがあります。

繁華街

飲食店が立ち並び、人通りの多い繁華街に開業をするメリットとして、休日にも多くの集客が見込めることがあります。年齢層は20~40代が多くなると考えられるので店づくりはカジュアルにしたほうがいいかもしれませんね。デメリットには、利便性が高く、飲食店以外の需要も多いので、家賃が高くなることがあげられます。

住宅街

場所にもよりますが、古民家を改装してひっそりと隠れ家ダイニングバーとして開業すると、オシャレな店づくりの効果もあり、女性に好まれやすくなるでしょう。また、ネット上での口コミも広がりやすそうです。デメリットとしては知られるまでに時間がかかってしまうことがあります。また、住宅街のため騒音などにも注意しなければならないため、開業の際には細心の注意を払う必要がありそうです。

道路沿い

お酒のラインナップは集客ターゲット設定に合わせて決める

競合店と戦うには、独自性が重要です。そのためには、提供するお酒に強みをもたせましょう。ありふれたバーだと印象に残りにくく、なかなかお客様に選んでもらえなくなってしまいます。

力を入れるお酒の種類を決める

集客の戦略を考える上で、まず最初にお酒のラインナップをどのように工夫するか考えましょう。
例えば、カクテルの種類を充実させるのか、産地や銘柄にこだわったビールやワインをそろえるのかなど、まずはアルコールメニューの種類を考えます。いろいろなものを取り揃えておくことも、幅広い年齢層を呼び込むことにおいて有効ですが、どこに力を入れるか決めておかないとお店のコンセプトが伝わらなくなります。

メニューのバリエーションを考える

お酒の種類が決まったら、今度は、必要なバリエーションを考えましょう。メニュー数はお酒やグラス(備品)などのストックはもちろん、置くスペースにも影響します。
例えば、カクテルのアイテム数が300あったら、それは「バー」に近くなりますし、ビールという品種でビールのアイテム数が300あったら、「ビアバー」のようなコンセプトに近くなります。
立地によるかもしれませんが、大人っぽいバーの雰囲気を出したいのか、1人でも気軽に来店できるようなカジュアルな雰囲気にするのか、といったコンセプトとターゲットの両面からアルコールメニューを決めましょう。

カクテルを充実させる

女性が集客のターゲットの場合は、カクテルのライナップ強化は避けて通れません。いきなりオリジナルカクテルとは言わずとも、定番のカクテルを丁寧に作れば必ずお客様は納得してくれるはずです。
アルコール度の低い甘めのカクテルを充実させれば、お酒にあまり強くない女性でも注文しやすくなり、ファンを増やすことができます。

料理について検討しよう

お客様にとって、やはりダイニングバーに期待するのはお酒に合う料理の美味しさです。さまざまなダイニングバーを回って研究をして、感動の味を提供できるように努めましょう。しかし、ダイニングバーは、アルコールの提供に力を注いでいるため、キッチンは「いつでもアルコールを提供できる状態」にしておかなければなりません。そのため限られた調理スペースを活用する必要があります。

調理の種類を限定する

「焼くだけ」「揚げるだけ」「切るだけ」「盛るだけ」といった簡単な調理法で済むメニューを考えます。例えば、サラダは切って盛る(2工程)だけ、ポテトフライは揚げる(1工程)だけといったフード設計です。そうすれば、アルコールとフードの両方をスムーズに、かつ効率的に提供することができます。
もちろん、お店のコンセプトやアルコールの種類、ターゲットに応じてお酒と料理の相性を考える必要もあります。

特定の料理ジャンルに特化する

イタリアン、エスニック、和食など、ダイニングバーでは何か一つ得意なジャンルに特化することが可能です。これにより、特定のファンを作ることが期待できますし、他店にはないテーマコンセプトを展開できるので、強みをもつことができます。

メイン食材に特化する

ダイニングバーは、まさに自由自在です。料理のジャンル以外でも、肉や魚、野菜など食材にフィーチャーしたダイニングバーにすることで、強いオリジナリティを出すことができます。

おつまみ系から食事系まで対応する

一般的に「ダイニングバーへ行く」と言えば、お酒を飲みにいくイメージですが、お酒ではなく食事そのものを楽しむ方もいらっしゃいます。
あなたが作る新しいダイニングバーに、行けば必ず注文したくなるような名物料理があれば、一度来店したお客様が別のお客様を連れてきてくれるかもしれません。お酒のおつまみから夜の食事まで幅広いジャンルの料理を用意することで、お客様の幅はさらに広がります。

ダイニングバー開業の体験談

実際にダイニングバーを開業した人の経験談をご紹介します。

準備を入念に行えずオープン後にバタバタしてしまった

OPEN日までの準備期間が少なく、開業までに準備をしっかりと行うことができませんでした。その結果、メニューの見直しをしたり開業後の予約が入っていない日は休業して準備をしたりする必要が生じてしまったのです。
OPEN日から逆算をして段取りをすることが大切です。

さいごに
ダイニングバーは、お酒と食事という両方の強みを合わせることで個性を出すことができるチャンスの多い業態といえます。ぜひ、独自性と強みのある人気店をめざしてください。

監修者プロフィール
別邸(http://bettei.jp/)   菅生健二
飲食店、ネイル・まつ毛エクステサロンを経営。サービス業の展開を行っている。 平成21年に創業し、開業した店舗は10店舗 であるが現在は6店舗を運営している。 出店地に合わせお店の コンセプトを決める出店スタイルで近隣の方々に高い支持を得ている。

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