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飲食店の原価率は何%?業態別推奨値

飲食店の原価率は業態ごとに平均何%にすべきか、原価率が高いときはどのようにして抑えるといいのかについてご紹介します。開業する際の参考にしてくださいね。

飲食店経営 2017/03/21

飲食店の原価率は業態ごとに平均何%にすべきか、原価率が高いときはどのようにして抑えるといいのかについてご紹介します。開業する際の参考にしてくださいね。

飲食店における原価率の一般的な平均は30%前後

原価率の計算方法は「原材料費÷売上=原価率」です。 業種によりますが、飲食店の原価率の一般的な平均は30%前後ですので、30%以下を目指すと良いでしょう。 出典:中小企業庁「平成20年調査の概要」
原価率が高くなってしまう場合は、人件費を抑えてバランスを取ります。
原価と人件費の合計は60~65%程度であることが多く、70%を超えると経営が厳しくなります。そのため原価率が高くなる業態の場合は、人件費を抑えられるようにバランスを取る必要があります。
60%以下に抑えられると理想的なので、売価と原価、人件費のバランスを工夫しましょう。

カフェ

カフェの原価率の目安は、24~35%です。ただし、飲み物中心のカフェなのか、食べ物も豊富なカフェなのかで原価率が変動します。飲み物しか出していない場合、たとえばコーヒー1杯分の原価は50円前後なので、原価率は低くなります。
しかし、売上も立ちにくくなるというデメリットもあります。全体のバランスを考えたメニュー構成を心掛けましょう。

ラーメン屋

ラーメン屋の原価率の目安は、30~32%です。ラーメンの原価はスープ、麺、具材の3つの合計です。
麺にこだわる場合は具材をシンプルにするなどして、バランスを取りましょう。スープは、使用食材の質と量によって原価が大きく異なり、味によってスープの量も変わるので、原価率を決める要になります。

居酒屋

居酒屋の原価率の目安は、28~35%です。ドリンクで原価率を下げることができます。ウーロンハイやハイボールは特に原価率が低く、10%を下回ることもあります。原価率を下げたい場合はドリンクの出数を増やす工夫をしましょう。

イタリアン・フレンチ

イタリアン・フレンチの原価率の目安は、38~45%です。高価な食材を使うこともあり、原価率は高めになる傾向があります。
ただし、その分単価も高くなりやすいので、集客さえできれば売上は立てやすいでしょう。

メニューを考えるときに気を付けるべきこと

メニューはお店の個性に直結するためこだわりが必要です。一方、コストを抑える観点では、アルバイト・パートでも調理可能なメニューを用意しておくことが経営的に有効であることも事実です。調味料や野菜を混ぜるだけで作れるおつまみや前菜、電子レンジで調理しやすい洋食などが考えられます。

食材の選び方で気を付けるべきこと

食材選びの際には原価率を下げるということも頭に入れておくとよいでしょう。
原価率を下げるためには、食材の廃棄を減らす努力も欠かせません。どのくらいの期間で使い切ることができるか、今すぐ必要なのかなど常に考えながら購入していく必要があります。そのためには、食材を管理できるよう、整理整頓を徹底しましょう。
きちんと整理できていないと、冷蔵庫の奥の方に食材が残っていたりして、無駄な廃棄を増やすリスクがあります。また賞味期限が短い食材は要注意です。野菜や生ものを多く取り扱う場合は、特に気を付けましょう。

メニューの作り方にも廃棄ロスを減らすコツがあります。同じ食材を使ったメニューを複数用意すれば、食材を有効活用できます。メニューを考える際は食材の相関図を作り、既存のメニューの見直しも定期的に行うのもいいでしょう。食材が余っているときは、おすすめメニューなどで使用する工夫なども必要です。

ドリンク・お酒で気を付けるべきこと

一般的にドリンクはフードよりも原価率が低いとされています。提供までに時間がかからないことや廃棄ロスが少ないことがその理由です。原価率の低いドリンクをどれだけ提供できるかが、粗利向上のための一つのポイントになります。原価の低いドリンクを効果的に出していくために、グラスの空いているお客様へ「おかわりはいかがですか?」と積極的に声掛けをしましょう。

また、店のオペレーションを徹底できるよう、アルバイトやパートへの教育を欠かさないようにすることも大切です。その他、お酒がすすむようなメニューを作ったり、店内やトイレを常にきれいに保っておくなど居心地がいい空間を作ることも大切です。

原価を抑えるためには?

ここまで、原価の低い食材や飲み物の選定、食材の廃棄の仕方などによって、原価を抑えることに触れてきました。
これらを上手くやりくりするためには、目安となる数値を設定してしっかり管理することも大切です。人件費やコスト、営業利益についての計算やポイントについて説明します。

FLコストとFL比率

FLコストのFは「FOOD」で原材料費、Lは「LABOR」で人件費を指します。つまり「原材料費+人件費=FLコスト」であり、経費の大部分を占めるため、FLコストの管理が飲食店を成功させるカギとなります。

FL比率とは売上高に対するFLコストの比率のことです。「FLコスト(材料費+人件費)÷売上=FL比率」となり、一般的にはFL比率を60%にするのが望ましいと言われています。

たとえば原材料費35万円、人件費40万円、売上130万円だった場合、FLコストは35万円+40万円=75万円。FL比率は75万円÷130万円=57.7%となり、目標値である55%~60%を達成していることになります。

営業利益も気にしよう

FL比率と合わせて頭に入れておきたいのが営業利益です。
営業利益とは、食材を仕入れて調理し、お客様に販売した結果生まれた利益のことです。計算式は「売上高-売上原価-経費=営業利益」となります。

経費には人件費、家賃、水道光熱費、広告宣伝費、通信費などがあります。売上高が150万円、売上原価が40万円、経費が60万円だとしたら、営業利益は150万円-40万円-60万円=50万円です。この営業利益は飲食店の本業で得た利益なので、損益計算書の中の利益で一番重視されます。



さいごに
飲食店経営は単に売上を上げればいいというものではありません。原価や経費などを考慮し、どれだけの利益を出せているかを見極めないと失敗してしまいます。
原価率を常に意識して、数値管理を徹底したうえで、十分な準備をしてからスタートするようにしましょう。

監修者プロフィール
赤沼 慎太郎
行政書士赤沼法務事務所/アクティス株式会社 代表
行政書士、経営コンサルタント

起業支援、事業再生、事業承継の支援を中核に展開し、資金繰り改善、資金調達支援など、中小企業支援を精力的に行っている。そのコンサルティングは分かりやすく実践的な指導と定評がある。 2010年より税理士、行政書士等の専門家を対象とした財務コンサルティング勉強会『赤沼創経塾』を主宰。他にはない実務に基づいた実践的な勉強会として高い支持を得ている。 著書に 『はじめての人の飲食店開業塾』、『銀行としぶとく交渉してゼッタイ会社を潰すな!』 、『そのまま使える契約書式文例集』(以上、かんき出版)、『「危ない隣の会社」の資金繰り』(すばる舎)等多数。
(運営サイト)赤沼慎太郎公式サイト http://akanumashintaro.com/

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