店舗・飲食店の内装工事の基礎知識~費用・施工の流れ~

飲食店を開業予定の方に、店舗契約時の注意点から内装工事の発注方法・見積もり・注文の手順・費用目安・施工の流れをわかりやすく解説します。

店舗デザイン基礎知識 2017/11/02

5. デザイン・設計、施工

すべてのデザイン・設計が決まれば、その内容で内装工事の請負契約をして施工を行います。
デザイン・設計の業者と内装工事の業者が別の場合は、デザイン・設計をした業者がどこまで施工に関わる契約(設計監理等)になっているか、よく確認をしましょう。
設計監理とは、工事中に施工会社が図面通りに仕事をしているか、手抜き工事やミスを犯していないかなど、現場を監理することです。

工事中に仕様の相違等が生じた場合、設計監理の契約あり・なし次第では、責任の所在が変わり、後々のトラブルにもつながります。

また、デザイン・設計の途中で自分が当初考えていたものから気が変わったり、よい案を思いついたりすることもあるかもしれません。設計・デザインを変更した場合、見積もりも変わってくると同時に、デザイン・設計を練り直す必要があるため工事着工の時期にも影響が出てきます。
見積もり金額が増える、着工時期が遅れるということも理解したうえで、各業者に相談するのであれば対応してもらえる可能性があります。どうしても変更をしたいという場合は、一度相談してみましょう。

6. 着工

工事中の近隣への挨拶などは通常は内装工事の業者が行いますが、今後営業を開始した際には近隣の方と何かと顔を合わせることになります。できるだけ、工事中迷惑がかかりそうな所には挨拶へ行くことをおすすめします。

店舗の内装費用ってどれくらい?

飲食店は、厨房設備や家具などが必要となるため、その分の費用が物販の店舗よりもかなり高額になります。
また、大きな商業施設に入る場合、基本的に夜間工事になるケースが多く、人件費が通常よりも高額となるようです。加えて消防設備や電気工事等の商業施設全体の安全に関わる部分は指定業者となるため、コストが増大するケースもあります。
その他のコストが増える要因としては、元々飲食店でない物件で出店する場合が考えられます。
厨房からの排気ダクトがないため、屋上まで排気ダクトを設置する必要があったり、用途が変わるためにビル全体の消防設備に影響があったりと、思いがけないコストがかかることもあるので注意が必要です。
特に厨房の排気と消防設備については不動産業者を中心に確認しましょう。


業種別、内装費用の相場感

飲食店は、スケルトン(内装・設備が一切ない状態)で契約し、イチから工事を始めるパターン・内装・設備が残っている状態で契約し、テナント側でスケルトンにし、工事するパターン・既存を活かして厨房や内装を改装するパターンがあります。ここでは、様々なパターンを想定しているため、坪単価の幅が大きくなっています。

また、美容院・マッサージ・アパレルなどは、スタイリングチェアやディスプレイ家具など動かせるもので店内をレイアウトするため、既存の内装・設備を活かして改装する場合が多いです。そのためスケルトンと比較すると、改装する範囲が少なく坪単価が安めです。ただし、美容院はシャンプー台など水道関係の工事が多く必要なため、飲食店の次に坪単価が高いのが特徴です。
業種 坪数 相場(坪単価)
飲食店 15~20坪 30万~65万
美容院 10~15坪 25万~40万
マッサージ店・エステ・ネイルサロン 10~15坪 15万~30万
アパレル・雑貨など物販 10~15坪 12万~20万

内装業者を決める前の注意点

自分の理想の店舗を作れるかどうかは、発注先がどんな内装業者であるかということも大きく関係します。それぞれの業者には必ず強みがあります。
木を豊富に使った温かみのあるデザインが得意、内装工事コストに強い、オーダー品や特殊な建材も扱えるなどです。
これから作る自分の店舗は「どのような所に重点を置いているのか」ということを整理した上で、数社から話や提案を聞き、相応しい業者を見極めることが重要です。

まとめ
店舗を作るとなると、多数の業者や人、大きなお金が動きます。
設計・デザインから業者選定、工程や資金繰りなど、全体を把握しコントロールするのは困難を極めます。それでも、建築関係のことは素人だから専門家や業者にすべてお任せするということは避けましょう。
建築業界ではお客様のことを昔から施主と呼びます。店舗作りにおいては依頼主である店主が施工の主です。依頼主の下に業者や職人が集い、依頼主のために働くという環境を作るという意識は、店舗作りを成功させるために非常に重要です。
どんなことでも遠慮せず、積極的に関わっていくことが成功の鍵とも言えるでしょう。

監修者

山﨑 義也

e-Do建築不動産株式会社 代表取締役
建設業専任技術者、建築デザイナー、宅地建物取引士

店舗・オフィス・民泊(ゲストハウス)・住宅等、幅の広いデザイン及び施工を手掛ける。顧客の望むデザインをしっかりと汲み取りながらも施工コストを抑える手法に定評がある。また、内装の資金調達や不動産の知識も活かした資産形成等のコンサルティングも好評を得ている。

e-Do建築不動産会社HP
https://www.edo-architecture.com/

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