【内装事例あり】飲食店の内装デザインの業者選定方法と全体の流れ

飲食店の内装デザイン・工事を請け負う専門家が、内装デザインを依頼するときの基礎知識を教えます。完成までの流れやオーダー・見積もり方法、内装デザインのサンプルも多数掲載していますので、参考にしてみてください。

店舗デザイン基礎知識 2017/12/20

2つのパターンに共通する着工までにやることまとめ

内装工事着工までにやるべきことをリストアップしてみました。それぞれの項目を詳しくみていきましょう。

店舗物件決定(仮契約)

店舗物件が決まっていないと、設計者・デザイナーとしては簡易的なパースなども作成できませんし、施工会社も概算でも見積もりのしようがありません。
まれに店舗物件が決まっていない状況で、「坪いくらですか?」というような相談をする人がいますが、立地・建物の条件によって金額が変わるので、回答が難しい場合が多いです。その場合は、せめて候補物件だけでも提示して相談するようにしましょう。

設計者・デザイナーとの打ち合わせ(コンセプト提示)

まず、どのような店舗を造りたいのかを、設計者・デザイナーへ伝えるところから始まります。

想定している顧客層や提供する料理や店舗の雰囲気などを、できるだけ具体的に伝えられるように整理しておきましょう。インターネットの画像検索で自分が理想とするイメージ画像を収集して提示するのも良い方法です。

パースでの確認

特に初めに描かれるパースはあくまでもイメージとして作られるものです。
詳細について反映されていないものも多いので、設計・デザインを依頼した会社の提案は、大まかなイメージとして確認しましょう。

平面図・立面図・仕上げ表など詳細設計の確認

図面・仕上げ表は施工の見積もりや施工するために必要なもので、打ち合わせ時や施工中に何度も確認をする書類になります。設計デザイン専門会社と施工業者に別々で依頼する場合は、図面・仕上げ表と施工の見積もりに相違があると、出来上がった仕様と見積もり金額に違いが生じて後々金銭的な問題が生じることもありますので、整合が取れているかを確認しましょう。

業者選定のポイント

パースや概算見積もりから業者を選定することになります。
もちろん、パースの良し悪し、概算見積もりの金額が低いということは重要な要素です。
ただし、良い業者かどうかをそこだけで判断することはできません。
自分の意見を汲み取ってくれ、デザインに反映してくれているか、話したことに真摯に耳を傾けてくれるかどうかなど総合的に判断しましょう。
最終的には、その業者と信頼感を持ってプロジェクトを進められるかを判断するのが一番のポイントです。


【美しい!集客力のある内装デザイン事例】

実際に成功している店舗の内装デザインの特徴を確認しながら、その工夫や差別化や集客力という視点からどこが優れているのかを確認してみましょう。

【デザイン事例1】白を基調とした明るくDIYで制作した店内(EATFUL)

EATFUL

内装のほとんどをDIYで作られたというアットホームな素朴感と、シンプルな中にも照明や椅子やソファそれぞれの個性が出ています。
DIYは確実なコストダウンに繋がる一方、「アットホームな素朴感」と「素人による荒い仕事」は紙一重のため、イメージどおりにできあがらない失敗リスクがあることや、時間がかかってしまうというデメリットもあります。しかし、こちらはデザインをシンプルにし、全体の色彩(白)や素材(木)を統一させることで、まとまりのある店舗デザインとして成功させた好例です。
また、天井の低さを解消させるために天井裏を作らず、壁とむき出しの天井を白くすることで解放感を作り出していることも魅力。店舗空間のアクセントになっている個性的な吊り下げ照明(ペンダントライト)の選択も素晴らしいです。
目線の低くなるソファ席も天井の解放感を演出する上で有効です。
窓際に落ち着けるソファ席を持ってくるなど、客席レイアウトにも工夫が見られます。

【デザイン事例2】室内釣堀や本場タイの雰囲気が楽しめる(アジアンキッチン サバイジャイ)

アジアンキッチン サバイジャイ

本場タイの旅行者向けのレストランにもある釣り堀を付帯させ、レストラン空間はバリ島をイメージしたデザインです。
エンターテイメント性の強いローカルなタイのイメージである釣り堀と、高級観光地バリ島のイメージのレストラン空間とをうまく切り分けており、雑多な雰囲気にならないように配慮されています。タイで人気の神様「ガネーシャ」が入口で出迎えてくれるのでインパクトもあります。
また、レストラン空間はダークブラウン色の木調で落ち着いた雰囲気と清潔感を出すことで、女性の集客を実現しています。
現地調達した雑貨や照明や家具や天井の組み格子など、細部のデザインまでこだわりを感じられ、タイに来たような特別な雰囲気を体験できるのが集客につながっていると言えます。

まとめ
イメージどおりの内装を作るには、様々な工程で各業者と課題をクリアしていくことが必要です。ただ、ここでの話はあくまでも一般的なことであり、内装デザイン(設計)会社や施工会社によってやり方や進め方は少し違ってくることもあります。
ご自身の経験則で常識だと思っていることも当たり前と思わず、ひとつ1つ丁寧に確認をしながら進めていくことで、プロジェクトに関わる人達と信頼感を持って前へと進めていけるはずです。この記事が、理想の内装デザインを作り上げるヒントになればうれしいです。

監修者

山﨑 義也

e-Do建築不動産株式会社 代表取締役
建設業専任技術者、建築デザイナー、宅地建物取引士

店舗・オフィス・民泊(ゲストハウス)・住宅等、幅の広いデザイン及び施工を手掛ける。顧客の望むデザインをしっかりと汲み取りながらも施工コストを抑える手法に定評がある。また、内装の資金調達や不動産の知識も活かした資産形成等のコンサルティングも好評を得ている。

e-Do建築不動産会社HP
https://www.edo-architecture.com/

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