各国発「たい焼きパフェ」が海外で人気!後編

たい焼きにソフトクリームなどをトッピングする「たい焼きパフェ」が世界各地で人気だ。前編では、南米ペルーと東南アジア・マレーシアの事例を紹介したが、後編では欧米の例を紹介する。

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更新日:2022.9.30

Vol.162

目次
アイスが溶けても皮がふやけない! モチモチの生地にリピーター続出
「たい焼き」がカワイイ「クマ焼き」になって大ヒット!

 たい焼きにソフトクリームなどをトッピングする「たい焼きパフェ」が世界各地で人気を呼んでいる。前編では、南米ペルーと東南アジア・マレーシアの事例を紹介したが、後編では欧米の例を紹介する。

 イギリスからはもちもちした生地が特徴のたい焼きを使っている店を、アメリカからは「たい焼きパフェ」をアレンジした「クマ焼きパフェ」を開発して大成功を収めた店舗をリポートする。

【前編はこちら】
各国発「たい焼きパフェ」が海外で人気!前編

イギリス・ロンドンで売られている「たい焼きアイスクリーム」。現在ロンドンでは「抹茶」がトレンドとなっており、ソフトクリームのフレーバーも「抹茶」や「抹茶&バニラ」が人気だ
アメリカ・ラスベガスでは「たい焼きパフェ」で成功した店が、「より多くの人に親しんでもらえるデザインを」と、「クマ型」のパフェを開発。かわいいビジュアルが大きな反響を呼んでいる
「クマ型」も、たい焼き同様に型に生地を流し込んでつくる。生地は日本のたい焼きより固めで、カリッと仕上げる写真提供:Recess Italian Ice and Desserts

アイスが溶けても皮がふやけない! モチモチの生地にリピーター続出

 ロンドン随一の繁華街・ソーホー地区にあるチャイナタウン。その入口となる中華門の手前、もっとも人通りが多いメインストリートに2016年2月オープンしたのが、アジアンベイカリー「ベイク(Bake)」。

ユニークな見た目の「たい焼きアイスクリーム」(写真は「抹茶&バニラ」)。SNSに写真を投稿することを目的に初めて来店した人が、モチモチした生地とソフトクリームの組み合わせに魅了されてリピーターになるケースも多い

 オープン時から、かわいい見た目のパンやケーキのほか、日本と同じ、あんこ入りの「たい焼き」(2.5ポンド=約375円)や、「たい焼き」の4分の1ほどの大きさの、カスタードクリーム入り「ミニたい焼き」(4個、2ポンド=約300円)なども販売しており、「たい焼き」はユニークな見た目から評判は上々だった。そこで、オーナーのサイモン・タン氏は、たい焼きの型でパイ生地を焼き、ヌテラ(ヘーゼルナッツペースト)を中に入れた「たい焼きクロワッサン」(3.5ポンド=約525円)を開発。これも好評だったことから、さらなるアレンジとして、もともと販売していたソフトクリームを「たい焼き」と合体させた「たい焼きアイスクリーム」を発案した。

 名前は「たい焼きアイスクリーム」だが、実際はソフトクリームを使っており、フレーバーはオーソドックスな「バニラ」(3.8ポンド=約570円)のほかに、「抹茶」「抹茶&バニラ」(ともに4ポンド=約600円)があり、「抹茶」と「抹茶&バニラ」の人気が高い。

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 たい焼きの中にはソフトクリームを入れるためのスペースがあり、あんこなどは入っていない。ここにソフトクリームをたっぷり入れて、仕上げに筒状のクッキー「ボレロ ココアウエハース スティック」を刺して完成。生地はモチモチしていて、普通のたい焼きよりも分厚くてずっしり感がある。これは、溶けたソフトクリームで皮がふやけないようにするための工夫だ。外はカリカリ、中はモチモチの生地とクリーミーなソフトクリーム、サクサクとしたウエハーススティックという3種類の食感の違いが楽しめる。

 客層は、学生、子ども連れ、観光客など、10代後半~50代まで幅広い。特徴的なビジュアルは、チャイナタウンをブラブラしている人の目にも止まる。写真映えするのでSNSに投稿する人も多く、口コミで客層が広がっている。

バニラ味のソフトクリームに、別売りの「ミニたい焼き」をトッピングして、SNS映えする「たい焼きの親子」を自作する人も
焼き上がったたい焼きは、はみ出した羽根の部分を調理バサミできれいに切って形を整え、少し冷ます
Bake(ベイク)
9 Wardour Street, London W1D 6PF
https://www.facebook.com/pages/Bake-%E9%BA%B5%E5%8C%85%E5%B1%8B/208049219544860

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「たい焼き」がカワイイ「クマ焼き」になって大ヒット!

 世界中から観光客が訪れるアメリカ・ラスベガス。中心部の西側にある比較的新しい住宅地に隣接したショッピングエリアに、2016年9月オープンしたのが、イタリアンアイスやソフトクリームなどを販売する「リセス イタリアンアイス&デザーツ(Recess Italian Ice and Desserts)」だ。

「レッドベルベットケーキ」の生地に、バニラソフトクリームとM&Mチョコレート、ストロベリーソースをトッピング。カラフルなトッピングが映える

 オープンから10カ月後の2017年3月、オーナーの一人、クリス・シラボン氏が日本のデザートに興味を持っていたことから、「たい焼きパフェ」の提供を開始。アジア系の来店客を中心に人気メニューとなったが、「より多くの人々が親しみやすい形を」と考え、アメリカ人が大好きなテディベアをかたどった「クマ焼き」にソフトクリームなどをのせた「ベアコーン」(トッピングも含めて6.50ドル=約702円)を同年夏から販売し始めた。

 「クマ焼き」は、生地のフレーバーが選べるのが特徴で、「バニラ」「チョコレート」「レッドベルベットケーキ」(アメリカでポピュラーな、赤い色をつけたほんのりと甘いスポンジケーキ)の3種類を用意している。また、前半に紹介した「ベイク」と同様、「クマ焼き」の中にはスペースがあり、あんこなどは入れずに、ソフトクリームを入れる。ソフトクリームのフレーバーは、「バニラ」「チョコレート」「ウベ(紫芋)」「抹茶」「バニラ&チョコレート」「ウベ&抹茶」の計6種類。さらに、マシュマロやカラフルなシリアルなど18種類のトッピングと、キャラメルソースやチョコレートソースなど8種類のソースから好きなものを何種類でも選べる。生地はオリジナルで、日本のたい焼きと違い、カリっとした歯ごたえに仕上げてあるのが特徴だ。

 生地のフレーバーの一番人気は「レッドベルベットケーキ」。また、ソフトクリームは「抹茶」が好評で、夏場にはさわやかな水色の「バースデーケーキ味」や鮮やかなソフトイエローの「パイナップル味」、ハロウィンの時期には「カボチャ味」など、季節限定のフレーバーを打ち出してリピーターが飽きないように工夫している。

 主な客層は学生やファミリーが中心だが、SNSなどで写真を見て店を探してやって来るフーディ(食べ物好きの若者)も多い。そのままかぶりつくもよし、スプーンですくって食べるもよし。「テディベア風のクマ焼きのビジュアルがかわいくてフォトジェニックだ」と話題になり、店一番の売上を誇っている。

 世界各地で人気を呼んでいる「たい焼きパフェ」。ソフトクリームのフレーバーやトッピング、さらには「クマ焼きパフェ」への変化など、バリエーションも様々。今後も、さらなるアレンジが加えられていきそうだ。

生地のフレーバーやトッピング、ソースなど、組み合わせのバリエーションが豊富なのも人気の秘密。ウベ(紫芋)の鮮やかな紫色はインパクト大
デザートの開発に情熱をかける共同オーナーのラリー・トラン氏(左)とクリス・シラボン氏。「たい焼きパフェ」のヒットにあぐらをかかず、より広く愛される形を探し求めたことで、さらなる成功を手に入れた
リセス イタリアンアイス&デザーツ(Recess Italian Ice and Desserts)ラスベガス店
5035 S Fort Apache Road #104,Las Vegas, NV 8914
http://www.recessice.com/

イギリス 取材・文/ボッティング大田朋子(海外書き人クラブ)
アメリカ 取材・文/石川葉子(海外書き人クラブ)
※通貨レート 1ポンド=約150円/1ドル=約108円
※価格、営業時間は取材時のものです。予告なく変更される場合がありますのでご注意ください。

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