燗酒で他店と差別化。新設のカウンター席も好評

新潟の郷土料理と燗酒のおいしさを追求する居酒屋。地酒にこだわらず燗に合う純米酒を約30種そろえ、料理も日本酒に合うようにやさしい味付けに変更。来店客に支持されている。

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味覚天国たまや

新潟 燕三条 居酒屋

 JR燕三条駅から徒歩1分の場所に、1997年オープンした居酒屋。手作りにこだわり、「のっぺ」「車麩の玉子とじ」(各480円)などの新潟の郷土料理や、豆乳から作る「手作り豆腐」(680円)、10種類の新潟の日本酒を売りに、順調なスタートを切った。しかし、「周辺に競合店が増え始め、2000年をピークに売上が伸び悩むようになりました」と、店長の野水幾朗氏は振り返る。

1階の座敷席(写真)のほか、中2階と2階にも座敷席を用意。1階にはカウンター席も

 そんななか、2011年に野水氏が他県の燗酒の魅力を知ったことが転機となる。「冷酒を好む新潟の人たちに、燗酒のおいしさを伝えたい」(野水氏)と、地酒にこだわらず燗に合う純米酒を約30種そろえた。また、料理も日本酒に合うように、かつ食材の味を活かすため、やさしい味付けに変更。こうした取り組みで他店との差別化に成功し、男性を中心に近隣に勤めるビジネス層や、県外からの出張・観光客を獲得した。

 さらに、来店客との接点を増やすため、2015年にカウンター席を新設。好みを聞いて酒の銘柄を提案するなど、密なコミュニケーションが好評だ。販促では、2017年からぐるなびに加盟し、店舗ページで燗酒へのこだわりをアピール。「当店を目的に、わざわざ県外から来てくれるリピーターも増えました」(野水氏)と効果を感じている。

ここがポイント!

燗が合う選りすぐりの純米酒で他店と差別化
周辺に新潟の地酒(冷酒)を売りにする店が多いなか、燗に向く純米酒を全国から厳選。他店との差別化に成功し、県内外からリピーターを獲得している。
カウンター席を設け、一人客の獲得に成功
オープン以来、座敷席のみだったが、2015年に6名分のカウンター席を設置。コミュニケーションを密に取ることでファンを獲得し、1~2名での利用も増えた。
エリアの特徴
JR燕三条駅周辺には、ホテルや商業施設、飲食店が点在。地元住民のほか、県内外から出張や観光で訪れる人もいるが、車移動が中心で人通りは多くない。
味覚天国たまや
新潟県三条市須頃1-67-1
https://r.gnavi.co.jp/fwpshbey0000/
店長 野水 幾朗 氏
父親が創業した割烹で料理人として腕を磨き、2001年から姉妹店「たまや」の店長に。