隠れ家的な立地とかごしま黒豚のしゃぶしゃぶで人気

千葉・市川市の京成八幡駅から歩いてすぐの場所にある「黒豚屋 ぶん福ちゃがま」。人通りの少ない立地ながら、産地直送の「かごしま黒豚」をたっぷりのネギとともに食べる「黒豚ねぎしゃぶ」で人気をよんでいる。

URLコピー

かごしま黒豚と九州料理 黒豚屋 ぶん福ちゃがま

千葉 市川・八幡 居酒屋

「かごしま黒豚ケーキ」が入った記念日用コースも好評

 千葉・市川市の中心駅である本八幡駅や、京成八幡駅から徒歩5分圏内の「黒豚屋 ぶん福ちゃがま」。駅前エリアとはいえ、大通りを入った住宅地で人通りが少ないため、2017年4月のオープン当初から「目的来店をつかむための店づくりが不可欠でした」と、代表の大坪良平氏は振り返る。

靴を脱いでくつろげる掘りごたつの半個室席。カーテンを外せば大人数でも利用可能

 看板に据えたのは、鹿児島の黒豚を使った料理。やわらかくて甘みがあり、さっぱりとした脂身の「かごしま黒豚」を産地直送で仕入れ、さまざまなメニューで提供する。中でも、たっぷりのネギと一緒に食べる「黒豚ねぎしゃぶ」(2人前 3,168円)は、来店客の8割がオーダーする名物に成長。ほかにも「黒豚焼き餃子」(759円)、「黒豚タン炙り」968円)、「黒豚焼き肉風サラダ」(792円)など、黒豚を前面に出して差別化を図っている。

 オープン前にメインターゲットに想定したのは「27歳前後の女性グループ」。そこから年齢層を広げながら、男性も獲得したいと考えていたが、実際に主な客層となったのは40~50代の男性ビジネス層だったという。「人通りが多い場所ではなく、若者の来店に結びつきにくい半面、隠れ家的な店を求めるビジネス層や、近隣にある官公庁の職員などに口コミで広がり、徐々に客数が伸びていきました」と大坪氏は話す。現在、客層の男女比は6:4で、ビジネス層の飲み会や記念日での利用が多数。3時間飲み放題付きコース(3,500円~)のほか、「かごしま黒豚ケーキ」が入った記念日用コース(7,000円~)などが喜ばれている。

入り口前のテラスはペットの同伴OK。夏はバーベキューを楽し むことができ、冬でも暖かい日は意外にニーズがあるという

 ドリンクでは黒豚との相性がいい焼酎に特に力を入れ、カウンターに瓶を並べてアピール。加えて、日本酒やサワー、カクテルなど豊富にそろえるとともに、クラフトビールも週替わりで2種類ずつ提供するなど、多様なニーズに対応している。

 店内はテーブル席やカウンター席のほか、掘りごたつの半個室席を設置。また、エントランス前にはウッドデッキを利用したテラス席もあり、ペット連れの地元客の集客にも成功している。販促では、オープン間もなくぐるなびに加盟し、「ポイントを利用したネット予約が増えています」と大坪氏。

 最近は当初のターゲットだった若い女性も少しずつ増加。また、店内ではPOPなどでLINE公式アカウントの友だち登録やInstagramのフォローを促し、新メニューや女子会コースなど若い層への情報発信に積極的に取り組む。さらに、来店客が店内で撮影した「カッコ付け写真」のコンテストなど、エンターテインメント性のあるイベントも開催し、コミュニケーションを深め、再来店につなげている。

ここがポイント!

看板メニューは「黒豚ねぎしゃぶ」
甘みのある「かごしま黒豚」を、たっぷりのネギと自家製だしで食べる「黒豚ねぎしゃぶ」が名物。来店客の8割がオーダーするなど、集客の武器になっている。
30種類以上を常備する焼酎
鹿児島の芋焼酎を中心に、黒豚料理との相性がよい焼酎を常時30種類以上用意。カウンターに並べてアピールし、注文を増やしている。

テイクアウトの「宅鍋」も好評
一番人気「黒豚ねぎしゃぶ」を「宅鍋」として商品化。濃縮だし、ネギ、豚肉、シメの麺がセットで、テイクアウト、デリバリー、ネット通販などで月70箱以上を売り上げる。
エリアの特徴
JR、私鉄など3線が乗り入れる本八幡駅、および京成八幡駅周辺は、市川市の行政と商業の中心地。東京のベッドタウンでもあり、住宅地も広がっている。
かごしま黒豚と九州料理 黒豚屋 ぶん福ちゃがま
千葉県市川市八幡3-27-21 千田ビル1F
https://r.gnavi.co.jp/jehv01360000/
代表 大坪 良平 氏
大学卒業後、福岡で飲食業の経験を積む。4年前に地元の市川に戻り、独立開業を果たす。