レインズでの経験✕ローカル食文化で繁盛店が誕生!
2010年に創業し、昭和の香り漂う和モダンな居酒屋「彦酉(ひこどり)」などを東京・千葉で展開する株式会社サンドライブ。代表取締役の坂本 昌弘 氏は、数々の優秀な飲食プレイヤーを輩出してきたレインズインターナショナル(以下、レインズ)の出身だ。
22歳で、出店攻勢の真っ只中にあるレインズの正社員となり、店舗運営・マネジメント・経営管理の実務と感覚を磨いた坂本氏。そのスキルと知見は、オリジナル業態「彦酉」の展開で大きな飛躍を見せる。「20年後までに30店舗を実現したい」と語る坂本氏に、これまでの歩みと未来を伺った。
目次
・レインズでは「かまどか」の立ち上げで経験を積む
・父の居酒屋の屋号を継承してオリジナル業態を開発
・会津の馬刺しと信州の焼き鳥を2枚看板にして成功!
・2045年までに30店舗を目指し、社内独立も強化
・「リーダー×一問一答」&「COMPANY DATA」
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レインズでは「かまどか」の立ち上げで経験を積む
――飲食業界に進んだきっかけは?
高校を卒業した後、親にすすめられるまま自衛隊に入隊。3年7カ月勤めましたが、もっといろいろな仕事をしてみたいと思うようになりました。
除隊後、とりあえず父の居酒屋「彦酉」を手伝いました。「彦酉」は子どもの頃から親しんだ場所で、高校時代のアルバイト先でした。「飲食業もいいかなぁ」と考えて、コンビニで見た求人誌に載っていたレインズの「とりでん 相模原店」に応募。2001年末からアルバイトで働き始めました。当時のレインズはすごく勢いがあり、自分もすぐに店長代理やランチタイムの責任者を任されたこともあって、飲食業が面白いと感じるようになっていきました。
「自分も店長になりたい!」と名乗りを挙げ、社員に採用されたのが半年後の7月。10月には渋谷店の店長になり、翌2003年末からは「とりでん」を「かまどか」に業態変更する事業に携わりました。2カ月に1店舗くらいのスピード感でどんどんリニューアルしていく仕事は大変でしたが、店舗運営だけでなく、複数店舗の展開やマネジメント、経営ノウハウ、危機管理の力が磨かれました。メガ繁華街から住宅地、ロードサイドまであらゆる立地を経験できたことも収穫です。この時期がなかったら、今の店も会社もできなかったのではないかと思います。
父の居酒屋の屋号を継承してオリジナル業態を開発
――2010年に独立し、4年後には「彦酉」をオープンします。
当時のレインズの独立支援制度は、まず既存店舗を業務委託で経営し、3年後にFCオーナーとして買い取るという仕組み。自分も1店舗を業務委託で経営していたのですが、3年後に「かまどか 行徳店」をFCで引き継ぐ話が持ち上がり、初めてFCオーナーになりました。でも、程なく「自分が作った店を自分の方針でやりたい!」という気持ちが強くなり、業務委託もFCもやめてオリジナル業態で勝負する決断をしたのです。
このとき、“自分の店”として念頭にあったのが父の「彦酉」。古き良き日本の雰囲気と、王道だがちょっとひねりのある居酒屋料理が売り。レインズで十年余を過ごした自分のフィルターを通して「彦酉」をブラッシュアップしたら、時代に合った面白い店ができるのではと考えました。
父に「彦酉」の屋号とロゴを使わせてほしいと頼み、2014年2月に「南行徳 彦酉」(40坪)、3月に「行徳 彦酉」(30坪)をオープンしました。南行徳店は当初は苦戦しましたが、徐々に上向きになりました。
ただ、この2店をオープンするまでの数カ月は、人生の中で最も厳しくつらい日々でした。南行徳店は内装工事の大幅な遅れのために3カ月も開店日が延び、無駄な経費が嵩みました。季節は冬。「自分には春が来るのだろうか⋯」と思うほど追い込まれました。
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会津の馬刺しと信州の焼き鳥を2枚看板にして成功!
――その後は順調に成長。食文化の発信というコンセプトも加わりました。
「会津馬刺し」「おいだれ焼鳥」というローカルの食材や食文化を発信するコンセプトが固まったのは、2016年4月の「会津馬刺し炭火焼鳥 門前仲町 彦酉」からです。東日本大震災の後、会津のJAに勤める方が来店し、風評被害や会津の食材について教えてくれて、中でも馬刺しに感動したのがきっかけでした。
会津の馬刺しは、他の産地と違って「軽馬」を使用していて、世界的にも例が見当たらないほど希少な食文化です。サシが少なく高タンパクでヘルシーで、辛味噌に付ける食べ方も珍しいです。
一方、2019年12月の「イオン新浦安 彦酉」から本格的に始めた「おいだれ焼鳥」は、信州・上田の食文化。タレをつける前に焼き、食べるときに卓上でタレをかけたり付けたりします。甘じょっぱくて濃いタレが癖になります。
この2つの看板が他店との差別化のポイントになって目的来店が増え、人通りの少ない門前仲町店も順調に集客できるようになりました。地方ならではの食材や食文化の素晴らしさを、店を通して伝えられることに手応えを感じました。自分たちの仕事が誰かの記憶に残り、「おいしい」という幸せなひとときにつながる。自分たちが広げた食文化が認知されることで、店も繁盛する。このサイクルが当社ならではの価値だと考えています。
コロナ禍では、胃に穴が開くほどのストレスを抱えましたが、ワインバルやハンバーグの店も出店。今後の出店は「彦酉」がメインですが、人材が育てば、社員のアイデアを活かすために新業態を作るという可能性もあります。
2045年までに30店舗を目指し、社内独立も強化
――今後の目標について教えてください。
「彦酉」はベッドタウンの駅近立地を狙って出店してきました。30〜50代のビジネス層が中心で、平均客単価は4,200円。立地によってはファミリー層も多いです。今後も1年1店舗ペースで出店するとともに、繁華街に旗艦店を持ちたい。やはり出店は大事です。ワクワクしますから。
今、注力しているのは組織づくり。これまでの個人商店から会社組織への本格的な移行です。自分はずっと仕事に打ち込んできましたが、プライベートも大切にしたいので、できるところからシステム化を推進。透明性が確保できるので、社員の納得感が得られ、モチベーションアップにもつながると思います。
目標は2045年までに30店舗。その後は次の世代に託すつもりです。社員には幸せになってほしいので、社内でキャリアアップする道、独立起業する道など、自分に合ったキャリアパスを描けるように後押ししたい。生産者とのつながりも強くなっているので、営農支援という新しい道もあるかもしれません。いずれにしても、自信と誇りを持ち、ともにワクワクできる飲食人人生を送ってほしいと願っています。
リーダー×一問一答
■経営者として大切にしている事
この場所にお店を出して、その街の方にお役に立てるか
■愛読の雑誌やWebサイト
Instagram
■日課、習慣
楽しいことを必ず1日1個は行う
■今一番興味があること
少年野球の監督をやっているので、関わる子供たちの成長、チームの成長
■座右の銘
公明正大
■尊敬している人
自分の好きなことに一生懸命熱中している人
■最近、注目している店舗名、もしくは業態
特になし
■COMPANY DATA
株式会社サンドライブ
千葉県市川市行徳駅前2-17-5
設立:2010年
ブランド数・店舗数:4ブランド・11店舗
従業員数:社員30人、アルバイト120人
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