外国語メニューブックの導入で注文が円滑に!

大阪・梅田にある沖縄料理店「首里古酒倶楽部」では、インバウンド対策を強化。4カ国語の外国語メニューブックの導入、二次元バーコードでの案内、新メニューの開発の3つに力を入れている。

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Vol.58

首里古酒倶楽部(大阪・梅田)※閉店

昨年秋から外国人集客を強化。看板メニューも開発!

 2018年8月、JR大阪駅に隣接するグランフロント大阪南館7階にオープンした沖縄料理店「首里古酒倶楽部」は、「ゴーヤチャンプルー」(842円)や「豆腐よう」(540円)などポピュラーなメニューのほか、色彩や盛り付けなどに工夫を凝らした「琉球宮廷料理」を提供している。大阪担当部長を務める大前大介氏は、グランフロント大阪に多数の外国人が訪れている現状を見据え、昨年秋からその集客を強化。「現在は週末を中心に、来店客の2割程度を外国人のお客様が占めるようになり、効果を実感しています」と、語る。

(上)注文の促進や店のアピールにつなげるため、二次元バーコードを載せたシートを作成 (下)ぐるなびの外国語ページに誘導することで、外国人客の注文のしやすさが各段にアップ。営業時間などの基本情報(写真左)から、詳細なメニュー情報(同右)までわかる
  • 外国人客とわかるとすぐに4カ国語に対応する外国語メニューブックを持っていく
  • 語学に堪能なスタッフがいなくても注文がとれる、ぐるなびの外国語メニューブック

 その取り組みは、大きく分けて3つ。4カ国語に対応する外国語メニューブックの導入、二次元バーコードでのメニューおよび店舗の案内、そして、新メニューの開発だ。ぐるなびで作成した外国語メニューブックは、来店客が希望する前に差し出し、スムーズな注文につなげている。また、状況に応じて指さし会話集も活用して、コミュニケーションを円滑にしている。二次元バーコードのシートは、ぐるなび担当営業と相談して作成したもので、入口と店舗内に貼り出し、ぐるなびの外国語ページにアクセスしてもらう仕組み。入口のシートは来店動機に、店舗内のものは、来店客が料理写真をSNSで発信する際にも役立っており、店の認知度アップにつなげている。

インバウンドの集客を意識して昨年秋に開発した「石垣牛ハンバーグ」(1490円~)。わかりやすさを重視し、メニューシートでも写真を大きく掲載している

 インバウンド獲得を目指した新メニュー「石垣牛100%のハンバーグ」(1490円)は、「ハンバーグという、外国人にもわかりやすいメニューで集客しようと考えました」と、大前氏。沖縄料理店の特色を出すために、肉はすべて石垣牛を使用。昨年秋の提供以来、徐々に注文数が伸びているという。

4カ国語で、外国語のメニューブックがあることをしっかりアピール

 外国人の国籍は、中国や韓国など東アジアが中心。ファミリーのディナー利用が多く、注文はアラカルトが大半を占める。「あらかじめ調べて来られるのか、ゴーヤチャンプルーや沖縄そばなど、代表的なメニューをよく注文されます」(大前氏)。また、グランフロント大阪自体が食事目的の来店が多いため、ドリンクの注文率は高くないものの、泡盛のカクテルは評判だ。外国人でも飲みやすい、くせのない銘柄を使用することで、満足度を上げている。

 外国語版メニューブックの作成や、新メニューの開発は、接客にあたる現場スタッフの声に応えたものだが、「今後も足りないものを洗い出し、現場に即した開発と改良を重ねていきたいですね」と、大前氏。料理の柱のひとつに据えている琉球宮廷料理のメニュー開発にも力を入れる予定で、さらなる集客を狙っている。

メニューブックでは人気メニューを大きく掲載し、各料理も写真でわかりやすく紹介
首里古酒倶楽部(大阪・梅田)
大阪府大阪市北区大深町4-20 グランフロント大阪 南館7F
https://r.gnavi.co.jp/kbwj636/
沖縄の古民家を思わせる内装を施し、一般的な沖縄料理のほか、前菜7品を盛り付ける「琉球の宴」など、「琉球宮廷料理」を意識したメニューも提供。大阪駅前という立地から、新規客が大半を占めている。
大阪担当部長 大前 大介 氏
ホテルマンを経て、30歳で飲食業界へ。店舗スタッフや物流業務など様々な分野を経験し、昨年秋に入社して大阪担当部長に。最近は月2回のペースで沖縄を訪問。現地に即したメニュー開発に力を注ぐ。

インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。2013年には1964年の統計以来、初めて1,000万人を突破。2016年は2,000万人を大幅に超え、2017年は過去最高の2,869万1,000人を記録。政府が2016年3月に発表した目標数は、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人。今後も増加が予想されるインバウンドの集客は、飲食店にとって重要な課題のひとつになっている。

「湯河原町×ぐるなび パートナーシップ協定 インバウンド対策特別セミナー」が盛夏の神奈川・湯河原で開催

会場となった湯河原観光会館には、数多くの飲食・観光業関係者が来場

 外国人観光客(インバウンド)の受け入れ環境の向上や情報発信などを通じて、さらなる地域活性化を狙う「パートナーシップ協定」を、2018年4月16日に締結した湯河原町(神奈川県)とぐるなび。これを受け、湯河原町の飲食・観光業関係者とぐるなびが一丸となって訪日外国人を集客し、もてなすことについて考える場として、7月26日に「湯河原町×ぐるなび パートナーシップ協定 インバウンド対策特別セミナー」を湯河原町にて開催。会場となった湯河原観光会館には多くの関係者が集まった。

湯河原町の観光資源を積極的にアピールしていくと挨拶した、湯河原町長の冨田幸宏氏

 冒頭では、湯河原町長の冨田幸宏氏が「『インバウンド』という言葉が身近になって数年以上経ったが、湯河原町においてはその対策が先進的ではない現状があります。東京オリンピックが行われる2020年には訪日外国人が4,000万人に達するという政府目標の数字もあり、町では海外の姉妹都市で、湯河原温泉などをアピールする活動も強化しています。皆で同じ方向を向き、インバウンドに関する諸問題・課題を表面化させることが、最終的に成功する近道になると思っています」と挨拶。続いて、ぐるなびより、営業本部加盟店営業部門 副部門長の宇田川洋平が登壇。「訪日観光客の期待にいかに応えるか」をテーマに、多言語対応のメニューブックや、海外のオンライン旅行会社と連携した事前決済型の飲食店予約システム、外国人向け決済システムの導入・対応など、飲食店のインバウンド戦略をトータルにサポートする「インバウンド大作戦」を、アンケートデータなども交えて説明した。

「里のうどん」を展開する、ワンオータス株式会社の西嶋芳生氏。現在も増加している外国人の集客に関する具体的な取り組みを語った

 その後は休憩を挟み、神奈川・藤沢を中心に「里のうどん」を展開する、ワンオータス株式会社の代表取締役・西嶋芳生氏が講演。2017年は約8,000人の外国人が訪れたという鎌倉店を例に、外国人の集客や、その接客内容を具体例とともに公開。ぐるなびツールの活用や、トリップアドバイザーの口コミ活用のコツも紹介するなど、インバウンド獲得に向けたノウハウや気付きを得る有意義な時間となった。

ぐるなびのブースでは、外国人の集客をサポートするツールやアイテムを紹介

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※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

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