2021/07/20 特集

イチから始めるゴーストレストラン~飲食店のための導入ノウハウ~(3ページ目)

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運営しながら気を付けるべきことは?

ユーザーのレビューのチェックと、配達員との関係性が重要

 準備が整い、営業を開始した後は何に気を付ければいいのだろうか。「まずは、アプリ上のレビュー(評価コメント)をこまめにチェックすべき」と牧本氏。「『Uber eats』などを活用していると、お客様と直接接する機会がないため、問題点や改善点の洗い出しが難しいので、レビューは貴重な情報源になります。レビューを書いてくれた人にクーポンを付与するなど、特典を付けてレビューを促すのも一案でしょう」(牧本氏)。特に、クレームになりやすいのが、配達時に商品が崩れたり、こぼれたりしてしまっているケースだ。盛り付けが雑な場合も評価が下がる原因になりかねないので、包材や盛り付け方に問題がないか、レビューを参考にしつつ、ブラッシュアップしていくことが求められる。

 また、認知度アップのためにSNSも有効活用したい。特にInstagramとUber eatsは連携させて簡単に注文できるように設定できるので、訴求力が高いだけでなく、注文率アップも期待できる。複数ブランドを運営する場合も、必ずそれぞれのブランドごとにInstagramのアカウントを作って、こまめに情報発信することが認知拡大のポイントになるという。加えて、先述したとおり、飲食店はイートインの客にアピールできるというメリットがある。デリバリーだけでは顧客情報を入手しにくいが、デリバリー商品に自店のチラシなどを同梱して来店につなげたり、逆に来店客にゴーストレストランの存在をアピールしておくことで認知度を高め、利用率を高めることも可能だ。

 さらに、飲食店が見落としがちなポイントとして牧本氏が指摘するのが「配達員との関係」だ。「飲食店の方は、普段お客様を目の前にして営業をしているので、デリバリーにおいてもエンドユーザーの満足度には敏感です。ただ、デリバリー事業を成功させるために目を向けないければいけないのが配達員さんの存在。このビジネスモデルが成立しているのは彼らがいるから」と牧本氏は断言する。配達員を平気で待たせてしまったり、横柄な態度を取っていると関係性は当然悪くなる。「配達員さんに嫌われたら終わりだと思ったほうがいいです。そのエリアで配達員をやっている方はだいたい顔ぶれが一緒なので、その人に『この店のオーダーは受けたくない』と思われてしまったら、配達の遅延にもつながってしまいます。逆に良好な関係性が築ければ、何かあったときにわざわざ戻ってきて、『少しこぼれてしまったので新しいものに変えたほうがいいかもしれません』などと、商品の中身にまで気を遣ってくれるようになったりもします」と牧本氏は語る。

 道が悪い場合もある中、スピードや丁寧な配達が求められる配達員の仕事の大変さを理解し、寄りそうことが大切。それが回り回って顧客満足にもつながる。また、配達員との会話から「ユーザーはどんな人が多いか」「どういうメニューが多く注文されているか」など、周辺エリアについて有益な情報を得られることもあるため、配達員との関係性は成功の大きなカギを握っているといえる。

「デリバリーサービスの配達員との関係性」は、ゴーストレストランを運営する上で軽視できないポイント。「2週間くらい、実際に自分で配達員をやってみると、仕事内容が理解できたり、周辺エリアの情報を収集することもできます」(牧本氏)

 いずれにしても、飲食店が肝に銘じて置くべきことは、“ゴーストレストランは、店内営業とは全く異なるビジネスモデルである”ということ。牧本氏も、「店内営業と同じ感覚で安易に手を出しても成功しません」と釘を刺す。「ゴーストレストランは手軽に出店できるので、店内メニューを特にアレンジせず、そのままデリバリー専門店として販売しているケースも見受けられます。しかし、しっかりデリバリー用に開発された商品は、時間が経ってもおいしく食べられるようにさまざまな工夫がなされているもの。利用客にはそういった商品と比べられることになるので、安易な商品化はかえって店の評判を落とすことになりかねません」と指摘。「手軽に出店できる」というゴーストレストランのメリットをはき違えて、手を抜いて出店してしまうと、あっさりとメッキがはがされて競争に敗れてしまう。一方で、時代のニーズにも合っており、新たな売上を生み出す可能性も大きい。ゴーストレストランを手掛ける場合は、これまで上げたポイントを参考に、しっかりとした準備と効果的な運営を実現していただきたい。

>>INFORMATION
ぐるなびがゴーストキッチン(ゴーストレストラン)の実証実験をスタート

株式会社ぐるなびは、不動産事業者と連携し、テイクアウト・デリバリーなど飲食店の収益源の多角化支援を目的に、ゴーストキッチンの実証実験を2021年5月19日(水)より開始。提供メニューの選定や開発をはじめ、人材・食材・調理器具などの調達といった開店準備や運営実務まで、ゴーストキッチンを自社で運営。売上額や販売個数、経費などのデータを分析し、そこから得た知見をテイクアウトやデリバリーの導入を検討している飲食店へのコンサルティングに活用していきます。
▼プレスリリース
https://corporate.gnavi.co.jp/release/2021/20210519-019430.html

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