2017/07/25 特集

【ぐるなび通信200号記念企画】 外食のこれまで、これから

2000年12月に創刊した『ぐるなび通信』。200号を迎える本号では、創刊から現在までの外食業界を3人の識者とともに振り返ったうえで、未来へのヒントを探る。まずは、2000年からの外食トピックスを見ていこう。

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2000年12月に創刊した『ぐるなび通信』。200号を迎える本号では、創刊から現在までの外食業界を3人の識者とともに振り返ったうえで、未来へのヒントを探る。まずは、2000年からの外食トピックスを見ていこう。

お話をうかがったのは…

株式会社船井総合研究所 フードビジネス支援部 上席コンサルタント 二杉明宏 氏
飲食業専門コンサルタント。2000年4月に入社以来、10以上の業種でコンサルティング活動に従事する。
株式会社 外食産業新聞社 『日本外食新聞』編集長 川端隆 氏
外食産業に携わる人に有益な情報を発信する『日本外食新聞』の編集長。飲食業界の動向に幅広く精通。
株式会社 柴田書店『月刊食堂』編集長 通山茂之 氏
日本初のフードビジネス専門誌『月刊食堂』の編集長を務める。約20年間にわたり、全国の繁盛店を取材。

2000~2008 外食トピックス



'97年をピークに市場規模は縮小 '05年移行は安定期(二杉氏)

まず二杉氏に、外食市場規模の推移を大まかに振り返ってもらおう。「1970~80年代、主にファミリーレストランやファストフードのチェーン展開などによって、外食市場は右肩上がりに成長します。その後、1991年のバブル崩壊とともに、伸び率が鈍化。この時期に大手チェーンの低価格業態が登場して“花形”となり、97年に外食市場はピークを迎えます。以降、市場規模は徐々に縮小。供給過剰のなかで、多様な価値訴求が見られるようになります。低価格を前面に出した価格訴求型のほか、空間や食材にこだわってアッパーミドル(中流層)を狙う動きも活発化しました」。

2000年代に突入しても市場の縮小傾向は続き、“外食デフレ”が進行。「ただ2005年には底を打ち、以後、リーマンショックや東日本大震災などの影響で下落はありましたが、現在は基本的には横ばいの安定期と言えます」。

デパ地下、コンビニなど、成長著しい中食市場(二杉氏)

外食市場が安定期を迎えた一方、中食市場は成長を続けている。2000年以降は、百貨店地下の惣菜売り場"デパ地下"が活況。「デパ地下は、"グルメな中食"のニーズをとらえ、すっかり定着しました」。と二杉氏。一方、惣菜売り場を充実させたコンビニエンスストアも"日常食としての中食"の需要を取り込み、市場を押し広げているという。また、ファストフードの多様化とテイクアウトの影響も大きくなっている。「従来からあるハンバーガーや牛丼に加え、昨今は天丼、カツ丼、からあげなど様々なファストフード店が登場し、テイクアウトにも取り組んでいます。食を家庭の外に依存する傾向が強まるなか、多様なニーズに合わせた中食の動きは、今後の外食市場にも大きな影響を及ぼすでしょう」。

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