2018年のキーワードや展望、10年後の自社未来図から尊敬する経営者まで
「今年の一皿」に「鶏むね肉料理」が選ばれ、「チーズタッカルビ」や「強炭酸ドリンク」など、様々な食のトレンドが生まれた2017年。南北に細長く、気候も、都市の規模や人口も違う日本で、各地の経営者は日々どんなことを考えているのか。新春企画として、全国の気鋭の経営者8人に、2017年の振り返りから、2018年、そして10年後の自社未来図まで、10の質問に答えていただいた。
サバの専門家として、サバ文化をさらに広めたい
2017年を振り返って
2017年、当社は10周年を迎え、まさに「サバ元年」でした。サバを啓蒙し続けてきたことが形になった1年で、周囲が私たちの声に耳を傾けてくれる土壌ができたと感じています。また、会社の知名度や影響力も上がり、他業種の大手企業とのコラボレートも増えました。ニッスイ(日本水産株式会社)と組んでサバ缶詰を販売したり、株式会社神明とは業務提携を結び、「SABAR+(プラス)」というブランドで初めてFC店舗の展開を始めました。JR西日本(西日本旅客鉄道株式会社)とは、鳥取で「お嬢サバ」の養殖・販売に取り組んでいます。コラボする企業は、すべて業界のトップクラス。この10年間は、コラボする企業に私たちと組むメリットを感じてもらえること、そのために自分たちがどうならないといけないかを常に意識し、実践してきました。それが2017年に結実したと思っています。
また、「サバのSPA(製造から小売まで一貫して行うこと)」も順調です。JR西日本とのコラボ以降、全国の自治体などから声をかけていただく機会が増え、福井県小浜市などでは、「鯖街道よっぱらいサバ」の養殖を手がけています。商品化・ブランド化を進め、それを「SABAR」で提供するという流れがはっきり見えてきた1年でもありました。
2018年の展望とキーワード
「サバ博士」として、サバ文化をさらに広めていきたい。キーワードは「サバ博士のブラッシュアップ」。サバの専門家としての自身を高める1年にします。また現在、大学と一緒にサバに寄生するアニサキスの研究を進めています。サバのリーディングカンパニーとして目指すのは、安心・安全なサバが食べられる環境づくり。そのためにはサバにも、フグと同じ取扱者資格が必要と考えています。その流れを作るにはやはり、サバ博士としての啓蒙活動がもっと必要です。
店舗展開については、「進化型の飲食店」を増やしていきます。2017年11月にオープンした「SABAR+京橋店」は、テーマパークをコンセプトにした新しいチャレンジ。これから求められる飲食店は、単に食事をするだけではなく、メディアやコミュニティとして何かを発信し、伝えていく場所になると考えています。2018年にはFCを含め10店舗以上出す予定で、2021年までに83店舗というのが、当初からの計画です。
自社店舗のエリアの状況
出店エリアは日本全国が対象です。現在、14店舗を展開中で、最大で83店舗と決めていますので、逆に言えば残りは59店舗しかありません。FCについては、いかに当社の理念に共感し、理解してもらえる相手と組んで広めていけるのかが重要。また、海外も現在のシンガポール店のほか、中国や韓国にも興味はあります。海外は日本ほどサバ文化が根付いていない国もあるので、現地の食文化に合わせた柔軟な展開を考えています。
「人材問題」への対策
従業員目線の環境づくりに本気で取り組み、ほとんどの店舗でランチ営業を止め、完全週休2日を実現しました。夏と冬には長期休暇も取れるようにしており、そうした社員たちの働き方を見て、アルバイトから社員になるスタッフも多いです。また、サバの伝道師「サバリーマン」の育成に力を入れています。社員にサバ愛を注入し、その社員たちに憧れ、当社で働きたいと思う仲間が増えていけばいいと思っています。
10年後の自社未来図
企業としては「サバの専門商社」に、個人的には「サバ王」になります!おそらく、サバ文化の拡大のために世界を飛び回っていますね。そして、3月8日が「サバの日」として国民的行事になるように邁進しているはずです。
気になる食材
興味があるのはサバだけ。ただ、世界のサバを使って各国の料理を作り、食べ比べることなどはやってみたいですね。
注目している業態
「体験型」で、町おこしや地域復興につながるような飲食店や、製造から販売、飲食までトータルで楽しめる「フードパーク」などはおもしろいですね。
ベンチマークしている店
お客様がセルフで楽しめる業態は、アミューズメントとしておもしろい。その点では、「串家物語」に注目しています。
尊敬している経営者3人
株式会社神明の藤尾益雄さんは、2年の付き合いになりますが、本当にすごい人。藤尾さんに「オンリーワンではなく、ナンバーワンを目指しなさい」と言われて、発想が変わりました。また、オーストラリア時代にお世話になった「SushiTrain Australia」の長島社長も、経営者として影響を与えてくれた一人です。あとは経営者ではありませんが、うちの奥さんですね。彼女がいなかったら、今の私はいません。唯一無二の存在です。
マイブームや趣味
小学四年生の三男と、本社内のジムで格闘技のトレーニングをすること。月曜日に1時間ほどスパーリングなどをします。その後、彼が選んだ店に2人で出かけることが、今、いちばん楽しいです。