2019/03/07 繁盛の法則

豊富な商品構成で幅広い客層を誘引するカフェ&バーとは

居酒屋利用にも対応するカフェ&バー「モニカ&アドリアーノ」。ランチでは多種の副菜が付く和定食や山盛りの野菜を盛り付けたサラダを、ディナーでは豊富なクラフトビールを提供し、着実に売上を伸ばしている。

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モニカ&アドリアーノ

Key Point

  1. 和・洋の多彩な商品をそろえ幅広く集客
  2. クラフトビールの導入で夜の集客力を強化
  3. 心地よい接客で差別化を実現

新築ビルとの出合いからカフェの出店が実現

 17時までと長く設定しているランチタイムでは、多種の副菜が付く和定食や、大きなボウルに山盛りの野菜などを盛り付けるサラダ、手作りスイーツを豊富にそろえる。そして17時からのディナータイムでは、17種のクラフトビールをメインに提供し、居酒屋利用にも対応するカフェ&バー「モニカ&アドリアーノ」。小田急線町田駅から徒歩2分の繁華街に2018年5月にオープンして以来、地元のお客の需要を模索しながら、着実に売上を伸ばしている。

 店名は、仮想映画の主人公という想定で、この店を舞台に様々な出会いやストーリーが展開されていくようにというコンセプトから付けられた。新築3階建てのビル1棟を使い、1階はソファ席が多く、リビングのような雰囲気。オープンキッチンのある2階はハイチェアを配したバーのような造りで、3階はカラフルなテーブルや天井の斜め窓などで、明るくポップな印象となっている。広さは3フロア計35.3坪61席で、フロアごとに貸切利用にも対応している。経営元は、東京・町田市に本社を置く株式会社オン・ザ・プラネットで、代表の小谷武也氏は、大手出版社勤務などを経て、2009年2月に同社を設立した。ガスをメインとするエネルギーコンサルティング事業、通所リハビリテーションを提供する介護事業、小・中・高校生向けの学習塾を手がける教育事業なども展開している。

 飲食事業は、2017年9月にオープンした魚料理居酒屋「魚焼男(さかなやきお)」から始まり、2018年は3月に燻製料理とハイボールを合わせた「燻男(いぶしお)」、5月に同店、8月に「魚焼男」の2号店を出店した。居酒屋の3店舗はいずれも東京・新橋の至近距離にあり、同社が創業以来注力してきた接客、サービス面での強さを活かし、順調に常連客を増やしている。また、カフェ業態に関心を持っていた小谷氏が、2017年12月に竣工し、「テナント募集」と書かれた現物件の近くを通りかかったことから、出店に向けて一気に動き出した。

野菜とたんぱく質のバランスを考慮した「パワーサラダ」の「ヘルシーチキンとアボカド」(奥、R1,080円)は、直径約20cmの木製のボールに、写真映えも意識して鮮やかに盛り付けている。ドイツ風パンケーキの「ダッチベイビー ベリーベリー」(手前、980円)は、注文ごとに15~20分かけてオーブンで生地を焼き、冷たいアイスクリームやフルーツなどをトッピングした、温度差を楽しめるデザート

和定食、サラダ、スイーツ、クラフトビールで終日集客

 「当社は飲食事業ではまだまだ初心者なので、ターゲットを絞らずに、まずは幅広い客層に喜んでいただけるようにと、和風、洋風のメニューを数多くそろえています。また、私たちは対人面で差別化しながら事業を展開してきたので、飲食事業でも心地よい接客をもっとも重視しています」と、マネージャーの持田貴郁(たかふみ)氏は述べる。まず、一般的なカフェは、ランチの食事は物足りないことも多いため、同店では多種の副菜を添えた和定食10品目(980円~)をそろえ、地元のシニア層の集客につなげている。店内で手作りする惣菜は、新橋の居酒屋で好評を得ている料理を活かしている。また、都心で行列ができているサラダ専門店を参考に、木製のボウルに野菜や具材を山盛りに盛り付ける「パワーサラダ」4品目を開発した。直径約20cmのボウルを使うレギュラーサイズ(1080円~)と、直径約14cmのSサイズ(780円~)を用意し、ヘルシー志向の女性や、カロリーや糖質を制限している人に喜ばれている。さらに、求人誌でアルバイトを募集したところ、ケーキ店で勤務経験がある女性パティシエから応募があり、正社員で採用。同店独自のスイーツメニューの開発や製造を一任し、スイーツ類も魅力あるラインアップとしている。ランチの客単価は1200円で、女性が圧倒的に多く、ランチだけで平日は13~14万円、土・日曜日・祝日は18~20万円を売り上げている。

 早々に軌道に乗ったランチ営業に比べて、夜は周辺にひしめく居酒屋に押されてしばらくは苦戦を強いられた。そこで、繁忙期の年末に向けて一計を案じ、2018年10月末から、世界各国の瓶入りクラフトビールやウイスキーの種類を一気に増やし、アルコールを目的に利用してもらえる態勢を整えた。夜のカフェ利用、食事利用も引き続き多いものの、年末からはアルコール類を目当てに来店する男性が増え、夜の客単価も2500円に上がってきた。さらに、早い時間帯は居酒屋利用、遅い時間帯は他店での飲食の後に「締めのパフェ」を食べに来るお客で賑わい、ピークが2回来るようになっている。ディナーの強化により、オープン当初は200万円ほどだった月商も800万円を超えるようになった。

 同店が地域密着型のカフェ&バーとして、幅広い客層に支持されている要因は、以下のようになるだろう。

  1. 和・洋多彩なアイテムをそろえ、若年層からシニア層までつかんでいる。
  2. クラフトビールの導入で夜の居酒屋利用を強化している。
  3. 心地よい接客に力を入れ、他店との差別化を図っている。

 「これまでは集客力の強化が第一でしたが、ようやく売上が上がってきたので、原価率や人件費を見直そうとしています。今はFLコストが68%と高いため、ビジネスとしてきちんと利益を出せるようにしていきたいです」と持田氏は語っている。

モニカ&アドリアーノ
住所
東京都町田市原町田6-11-16 ツブラアダチビル1~3F
TEL 042-794-7495
営業時間
11:30~24:00(土・日曜日・祝日11:00~、日曜日~23:30、祝前日~24:00。ランチ・スイーツ~17:00)
定休日
無休
https://r.gnavi.co.jp/p0urfksv0000/