新しいアジア料理が台湾で話題に。ミシュランガイドで一ツ星獲得!

モダンフレンチを提供する「フロリレージュ」の川手寛康氏が、台湾・台北に「logy」を出店。フレンチをベースにした「アジアンコンテンポラリー」をテーマに、現地でなじみのある味付けなどを採用し料理を提供する。

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新しいアジア料理が台湾で話題に。ミシュランガイドで一ツ星獲得!

【台湾・台北】
logy(ロジー)

1F.,No.6,Lene109,Section1,Anhe Road,Daan District,Taipei,Taiwan
https://logy.tw/
フレンチをベースに、アジアの食材や調理法などを取り入れたメニューを提供する「アジアンコンテンポラリー」がコンセプト。独創的なメニューで、30~40代のアッパー層に人気。

クラウドファンディングの出資者から現地情報を獲得

 台北(タイペイ)の高級住宅街・仁愛路(レンアイルー)から徒歩数分の古い住宅街の一画に、2018年11月オープンしたのが「logy」。フレンチをベースに、アジアの食材や調理法をアレンジした“アジアンコンテンポラリー”がコンセプトで、「ミシュランガイド台北2019」で一ツ星を獲得。店内中央の広いオープンキッチンを囲むカウンター席のほか、テーブル席もあり、住宅街の中にあるとは思えないスタイリッシュな空間が広がり、30~40代の富裕層を中心に集客している。

 オーナーは、2019年「アジアのベストレストラン50」で5位に選ばれた東京・青山のモダンフレンチ「フロリレージュ」のオーナーシェフ・川手寛康氏。「東京の次は、アジアの国で出店したい」と考えた川手氏は、タイのバンコクや香港から誘いがあるなか、山や海の食材に恵まれ、独自の食文化を持つ台湾での出店を決意。当時「フロリレージュ」のスーシェフだった田原諒悟氏にシェフを任せることにした。

ラグジュアリーなウエイティングスペース。キッチンの調理風景が見られるため、料理への期待度が高まる

 料理は、昼も夜も全10品の「おまかせコース」(3750ドル=約1万3575円)のみで、アルコールとノンアルコールのペアリングセット(各1750ドル=約6335円)も用意。抹茶パウダーとタケノコのチップスがトッピングされている「フォアグラのリゾット」や、ほろ苦いセルリアックのアイスを添えて牛骨スープをかけて仕上げる「茶碗蒸し」など、来店客を驚かせる独創的な料理が並ぶ。「台湾の食の嗜好は保守的で、新しいスタイルは敬遠されがち」(田原氏)と考え、できるだけ現地の人になじみのある味付けや調理法を組み込むようにした。例えば、現地の食材コーディネーターの紹介で知った「竹地鶏」を使う「鶏肉のロースト」もその一つ。台湾の人にとって懐かしい味である、食用油「苦茶油(クーチャーヨウ)」で風味を付け、親しみを感じる要素を加えることで好評を得ている。

 スタッフは、田原氏以外の15名全員が台湾人。「スタッフを前に出してお客様と接する機会を増やしたいと考え、個性の強さなどを重視して採用しました」と田原氏。また、キッチンに日本語が話せるスタッフを必ず1人「司令塔」として配置し、田原氏の指示を各スタッフに伝えてもらい、スムーズなオペレーションを実現している。「ランチとディナーでスタッフを入れ替えるほか、各スタッフのシフトが昼や夜だけに偏らないようにしています。これは、同じプライベートの時間でも昼と夜ではできることが違うから。それぞれの時間で様々な活動や経験をすることが、リフレッシュはもちろん、成長にもつながると考えています」と、田原氏は語る。

一度に多くのコース料理を提供するため、大型のスチームコンベクションオーブンを使用している

 また、開店資金(約1500万ドル=約5430万円)をクラウドファンディングで募ったことで、出資者との人脈が出店における強みになった。「出資者のHP制作会社の代表夫人が台湾出身だったことから、台北のエリアの特徴や家賃について助言をもらいました」と、田原氏は振り返る。「フロリレージュ」でスーシェフを務めた田原氏の実力も注目され、ネット予約の受付開始日には、オープン後2カ月先まで予約が埋まった。

 一方、フィリピンの有名シェフを招いたイベントを行うなど、“アジアの食文化の発信”を意識した企画も定期的に実施。「今後は、ヨーロッパのシェフを招いたイベントも計画しています。新しいスタイルのアジア料理を世界の人々に知ってほしい」(田原氏)と、今後の展開を見据えている。

  • タケノコチップや抹茶パウダーなどをのせた「フォアグラのリゾット」。鴨、鰹節、昆布の出汁を使っており、お茶漬け感覚で食べられると好評
  • クコの実とカニの身を使った「茶碗蒸し」が一番人気。ほろ苦く甘いセルリアックのアイスをのせ、上から牛骨スープをかけて仕上げる
昆布、ピーナツ、大根など、様々な食材のパウダーを用意。これらを、料理の隠し味や彩りとして活用している。

「logy」の成功のポイント

1 パートナー

クラウドファウンディングの出資者の一人でHP制作会社の代表夫人から、台湾のエリア情報なども入手。

2 メニュー

現地の“懐かしの味”である苦茶油を使うなど、食に保守的な台湾人向けに調理法を工夫して好評を得ている。

独創的なメニューを台湾人向けにアレンジ
台湾の伝統的な食用油「苦茶油」を使ったソースが香ばしい「鶏肉のロースト」。付け合わせは鶏ムネ肉と香草、ピーナツペーストをクレープのように包んだ一品

3 人材

来店客とスタッフが接する機会が多いため、「また会いたい」と思わせる人柄や個性を重視して採用している。

来店客の印象に残る“個性”を重視して採用
人材は“来店客の印象に残る個性”のある人を採用。また、接客では「お客様に楽しんでもらうためのサービス」を徹底している。

4 販促・演出

フィリピンの著名なシェフとのコラボイベントなどを行い、地元はもちろん、欧米の来店客からも好評を得ている。

アジアの著名なシェフとコラボイベントを開催!
2019年1月に、世界から注目を集めるフィリピン人シェフ、マルガリータ・フォレス氏(左)とコラボレーションイベントを実施。ペアリングのドリンクが付く限定コース(6,500ドル=約23,530円)で、新たなファンを獲得。

「logy」のメニュー

●コース

  • おまかせコース(3,750ドル=約13,575円)

●ペアリングセット

  • アルコール(5杯)(ワイン3種、ビール1種、日本酒1種)(1,750ドル=約6,335円)
  • ノンアルコール(5杯)(1,750ドル=約6,335円)

店舗データ

業態   アジアンコンテンポラリー
オープン 2018年11月
    20席
客単価  3,750ドル(約13,575円)
客層   昼夜ともに30~40代の男女が中心。食へのこだわりが強い、若い富裕層が多い。

※ 1台湾ドル(文中では「ドル」で表記)=約3.62円(2019年4月)別途サービス料10%

シェフ 田原 諒悟 氏
東京のイタリア料理店を経て、イタリア各地で5年間修業。その後、東京・青山の「フロリレージュ」で3年間スーシェフを務め、オープン時から「logy」のシェフに就任。

台湾の基本情報

面積     36.191km2(九州は42km2)
人口     2,350万人
言語     中国語、台湾語、客家語、その他原住民の言語
通貨     台湾ドル(文中では「ドル」で表記)
飲食店数   約18万9,000店舗(2010年)(日本料理店 約6,457店舗)(2015年)
世帯平均年収 約217万円(2016年)

店舗周辺エリアの特徴

高級住宅地「仁愛路(レンアイルー)」から徒歩3分、「logy」は表通りから一歩入った路地に立地。周辺は昔ながらの食堂や小売店のほか、小さな寺院などもあり、古くからの台湾の雰囲気が残る静かな住宅街。

出典:日本貿易振興機構

※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

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