“お茶を食べる”がコンセプトメニューのすべてに茶葉を使い茶の魅力をアピール!
茶の音[大阪・樟葉(くずは)]
日本茶の資格取得と経験が新店オープンの契機に
大阪と京都を結ぶ京阪電車の樟葉駅に近い住宅街に、2016年3月にオープンした、お茶の創作料理専門店「茶の音」。オーナーの安達三都彦氏・留里子氏夫妻は、すぐそばで今も続ける「鶏料理&ワイン 鶏小路」を17年経営し、留里子氏が日本茶インストラクターの資格を取得したことを機に、2号店としてオープン。「『茶の音』の出店ありきで資格をとったのではなく、『鶏小路』を経営するなかで近年の“アルコール離れ”を意識し、新たな商品を模索中にお茶と出合いました」と留里子氏。サービスで提供するものとは異なる、「メニューとして成立する茶」を出そうと猛勉強し、日本茶インストラクターに合格。資格取得後、「鶏小路」で「ワイングラスで飲む冷玉露」などの提供を開始。ドリンクの注文数を伸ばすなか、縁があって平等院(京都・宇治)の茶房の立ち上げに協力することになった。「メニュー提案やスタッフの育成など、そこでの経験が自信となり、思い切って『茶の音』を始めました」と留里子氏は振り返る。
「有効成分が多い、お茶を食べる」がコンセプトの「茶の音」では、すべての料理に茶葉が使われている。店を切り盛りするのは留里子氏が中心で、メニュー考案は三都彦氏が担当。「日本茶の色と香りが引き立つ料理を考えています。特有の風味があるお茶は、あらゆる料理に対してプラスに働くと実感しました」と三都彦氏。オープン当初は客単価1000円程度のカフェとして近隣の主婦を中心に人気を博していたが、それでは資格を取得した留里子氏の専門性が十分に活かせないと考え、メニューや客単価を再考。ランチは2000円、ディナーは4000円を想定し、Webでも料理やコースなどを前面に出したところ、徐々に利用シーンの幅が広がった。現在の客層は40~50代が中心で、商圏も広範囲に及び、遠方からの来店も珍しくない。
ディナーでは、人気料理をお特に楽しめる、飲み放題付き5000円のコースが売れ筋として定着。ドリンクは生ビールに、ビールで点てた抹茶を入れて深い緑色を出す「極上抹茶生ビール」(763円)が特に好評だ。また、ランチでは9月から、産地や種類の異なる日本茶を毎日3種ほど用意し、来店客自身が急須で淹れ、好きなだけ飲めるサービスもスタート。「会話のきっかけにもなっています」(留里子氏)と早くも評判だ。
今後も茶の魅力を広く発信して裾野を拡大し、さらなるリピーターの獲得につなげたいと考えている。
大阪府枚方市南楠葉1-14-4
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