2020/03/17 特集

中食のニーズが高まる中、参入前に知っておきたいこと “売れる弁当の作り方”(4ページ目)

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メニューのポイントは?

店内メニューをベースに中食独自の工夫が必要

 弁当の内容、メニューを考えるときは、「まず、すでに店内で提供しているメニューをベースに組み立てること」を小林氏は提案する。厨房に負荷をかけすぎないこと、食材管理をしやすいことが、その理由だ。だが、同時に「店内で提供している料理と同等のシズル感を、中食で再現するのは限界がある」とも。客の目の前で焼き上げるライブ感が売りの鉄板焼き店で、同じメニューをテイクアウト商品にしてもシズル感は伝わらない。店内のメニューをそのままスライドするだけでは、“売れる弁当”にはなり得ないのだ。

 その解決方法として、「メニューのシズル感を別の要素で置き換える工夫が大事」と小林氏は話す。見た目の彩りや品目のバリエーション、メインメニューのクオリティーアップなどに注力する必要がある。加えて大切なのが、「弁当の名物料理があること」。アピール力のある名物料理が他店との差別化につながりやすいのは、店内メニューも弁当も同じ。「店のグランドメニューの中から名物料理になり得るものを探し出し、それをブラッシュアップして弁当の中に落とし込めれば、大きな強みになるはず」と小林氏は語る。例えば、「唐揚げ弁当」など定番の弁当でも、家庭では出せない専門性の高い味付けや、オリジナリティのあるタレ、ポーションのインパクトなどで、認知を獲得することが可能になる。

 同時に、中食の注意点として「衛生面でのリスク回避」も忘れてはいけない。魚介の刺身や半熟卵、レアのステーキなど、店内で提供していても、中食では回避した方がいいメニューも少なくない。まずは、別の食材・メニューや調理法で置き換えて、安全性を優先するべきだろう。

 この点では「衛生面のリスク回避と、おいしさの追求を両立するオペレーションの模索も重要」と小林氏。ステーキなどは真空低温調理をすれば、火を中まで通すことができるとともに肉のジューシーさ、おいしさを維持でき、経時劣化も最小限に抑えられる。また、半調理なので、注文が入ってから仕上げるアフターオーダーがやりやすく、出来たてを提供できる。ほかにも、仕込みの段階で個食対応のチルドや冷凍、真空保存などにしておけば、同様に衛生面のリスク回避とおいしさの両立が実現できる。もちろん、食材ロスも避けられるし、調理オペレーションもスムーズになるだろう。弁当メニューを考えるときに、念頭に置きたい手法の一つと言える。

 そのほか、弁当の商品数としては、「名物料理を入れ込みつつ、食材ロスをなるべく出さないことを考えると、まずは3アイテムくらい用意するといいでしょう」と小林氏。さらに、弁当の人気メニューとしては「唐揚げやトンカツなどの揚げ物、カレー、ハンバーグ、餃子などは、弁当の定番メニューとして人気が定着しています。長年、日本の外食市場で上位を占めてきた専門料理は、テイクアウトでもやはり強い」と解説する。一方、トレンドに注目するなら、「ボリュームのあるチョップドサラダなど一食完結型のサラダや、タイ料理、ベトナム料理などのエスニック料理が、ヘルシーでおしゃれ感があり、女性を中心に売上が伸びている」(小林氏)という。また、サンドイッチやおにぎりなど、仕事をしながらワンハンドで食べられるものも、立地と客層によってはニーズが高くなる。

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