2020/03/17 特集

中食のニーズが高まる中、参入前に知っておきたいこと “売れる弁当の作り方”(7ページ目)

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“売れる弁当” CASE2「肉亭 楽歳」(広島・東広島)

圧倒的なコストパフォーマンスの「日替わり弁当」で知名度アップ!

肉メインの弁当を販売。人気となり常連も多数

 広島・JR西条駅から歩いて5分ほどの通りに、2018年5月にオープンした「肉亭 楽歳」。経営元は株式会社Cross Relationで、西条エリアに「楽歳」を含めて4店舗を展開している。歴史ある酒蔵の町・西条には割烹をはじめ、昔ながらの飲食店が点在し、魚がメインの店が多い。そんな中で「肉割烹」というコンセプトを打ち出し、完全予約制・全席完全個室で運営。周辺の企業や病院、大学関連の接待で利用されることが多いほか、慶事や弔事、記念日などで地元のファミリーにも支持されている。メニューはコースのみで、特に人気なのは“入門コース”と位置付ける「肉懐石コース」(全10品7500円)。また、系列店へ料理を提供するセントラルキッチンとしての機能を持っているのも大きな特徴だ。

 「弁当のデリバリー、テイクアウトを始めたのは2018年末頃。製薬会社などお客様の要望からでした。2営業日前までの予約制で、ハンバーグや牛タンなど肉料理をメインに、1500~2500円の5種類を用意しています」と総料理長・久保田暁浩氏は話す。この弁当の評判が徐々に口コミで広がる中で、価格やメインの料理などについてのリクエストが増えたため、それに対応する「オーダー弁当」もスタート。現在、1個800円から10個以上で予約を受け付けている。

オーダー弁当(写真は1,500円) 10個から予約を受け付けるオーダー弁当。写真はハンバーグのほか、ローストビーフ、鶏の唐揚げなどが入り、ボリューム満点。メイン料理のリクエストはハンバーグが最も多く、粗挽き肉の食感と、和風やデミグラスなど手作りのソースが好評だ。価格は100円単位でリクエストがあり、メインと副菜を合わせた原価で調整する
「オーダー弁当」の容器。容器は強度や見栄えなどを考慮しつつ、原価が売価の10%未満になるよう探した末に決定。フタに掛けた紙には、献立が書かれている

 そして今年2月、新たに提供を始めたのが、600円というリーズナブルな価格の平日限定「日替わり弁当」だ。「“肉割烹”で完全予約制ということもあり、若い方の来店は少ない。もっといろいろな人に店を知っていただきたいという想いがあり、来店のきっかけづくりや認知度アップを狙って始めました」と久保田氏。もともと、系列店で提供する10食限定日替わりランチを厨房で作っており、そのメイン料理を使って日替わり弁当に。ほかの弁当と同じく肉料理をメインにしている。

日替わり弁当(※写真は「楽歳特製親子丼」)600円 メイン料理には肉を使い、和・洋・中とジャンルも日替わり。カレーや丼ぶりも月に数回登場する。写真は親子丼で、ゴロゴロと入った鶏肉は食べ応えがあり、コストパフォーマンスが高い。温かい汁ものが付き、メインが和食の場合はみそ汁、洋食ならポタージュスープなど。「日替わり弁当」の客層は主婦を中心に30~70代の女性が8割

 当初は1日限定30個、店頭販売のみで始めたが、初日から連日完売。11時の販売開始から、30分も経たずに売り切れるという人気ぶり。さらに、早くも多くの常連ができたことで、「日替わり弁当」の事前予約にも対応し、販売個数を増やしている。「ただ、現在は、予約分を作るのに精一杯で、店頭で販売する数が限られ、それもすぐに売り切れる状態です」と話すのは、調理コーディネーターの山田大輔氏。「オーダー弁当」の人気が高まっていることもあり、弁当全体で、多い時は1日120個ほど作ることもあるという。「日替わりでは、粗挽きの肉を手ごねする自家製ハンバーグが入った弁当が圧倒的に人気ですね。牛肉を使う料理などは原価が高くなりますが、弁当全体の原価率は30%以内に抑えられるよう、副菜などで調整しています」(山田氏)。

店頭では「日替わり弁当」をアピールするためのチラシを配布。電話予約が可能なことも記しつつ、情報はSNSも使って発信している
チラシの裏面には、要望に応えて「日替わり弁当」の月間メニューも記載。これを見て先々の予約をする常連も多いという

 弁当の注文増加に伴い、大口であれば遠方でも車で配達している。また、たとえ1個の注文でも、近隣に住む常連には自宅まで届けるなど、地域に根差したサービスも好調の要因だ。「中食ニーズの高まりを実感していますので、今後は弁当の販売データを検証しながら、新たな人材の確保なども含め、会社として今後の展開を考えていきたい」と久保田氏は話してくれた。

弁当のほか、単品の持ち帰りやパーティ用オードブル(5人前4,500円~)、BBQセット(5人前14,000円~)なども用意。写真は名物の1つ「猪肉のコロッケ」(6個入り2,200円)
現在、「日替わり弁当」はすべて写真を撮っており、今後の弁当はもちろん、メニュー全般の開発に役立てている
店頭に置いた看板には「日替わり弁当」のその日のメニューを記載。売り切れた後、通りがかりに看板を見た人が翌日購入しに来ることも

「肉亭 楽歳」弁当一覧
●日替わり弁当…600円
●オーダー弁当…800円~
●特選楽歳弁当…2,500円
●楽歳ハンバーグ弁当…1,800円
●牛タン弁当…2,000円

牛タンをぜいたくに乗せたボリューム満点の弁当で、病院関連などビジネス層の会合などで人気。受け取り日の2営業日前までに予約が必要

●国産牛カルビ弁当…2,000円
●特選行楽弁当…1,500円

当初から販売する5種類の弁当の中で一番人気。メインの肉料理の存在感を出しつつ、副菜も多彩に盛り込み、メニューのバランスがよさが好評
肉亭 楽歳(らくさい) 広島・東広島
広島県東広島市西条岡町9-22
https://r.gnavi.co.jp/puxjg3hu0000/
広島のブランド肉やジビエなどを様々なコースで味わえる肉割烹。上質な和の空間が売りで、5つの完全個室を備える。アッパー層を中心に、接待や記念日などで利用されている。
総料理長 久保田 暁浩氏(右) 調理コーディネーター 山田 大輔氏(左)
弁当を含めたグループ全店舗の料理を2人で手がける。調理はもちろん、メニュー開発などセントラルキッチンとしての役割を二人三脚でこなし、連日予想を超える弁当の注文にフル稼働している。

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