2020/05/15 特集

資金調達して難局を乗り越える! 新型コロナウイルス感染症拡大に関する融資・助成金を受けるには

新型コロナウイルスの影響により、経営難となっている事業者に向け、国や自治体では様々な資金支援策を実施。支援策の具体的な内容やポイントなどを、税理士の水野剛志氏と社会保険労務士の浅井純子氏に聞いた。

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※本記事は、2020年5月7日時点での情報です。

Credo税理士法人 代表/税理士 水野 剛志 氏
大学卒業後、いくつかの税理士法人を経て、2015年にCredo税理士法人/Credoコンサルティング事務所を設立。飲食店を専門に、開業や多店舗展開の支援を年間50件以上実施するなど、飲食店を財務に基づきサポートする。著書に「飲食店専門税理士が教える飲食店経営で成功するための『お金』のことがわかる本」(日本実業出版社)がある。

融資、給付金、助成金などを活用し、事業の継続を!

 「新型コロナウイルス感染症」の拡大によって、様々な影響が出て先の見えない状況となっている。国や各自治体から「不要不急の外出の自粛」、また各業界には「営業の自粛」が要請され、飲食店は休業や営業時間短縮に追い込まれており、多くの店が売上の大幅な減少で苦しんでいる。

 国や自治体は、経営の悪化に陥る事業者に対し、融資、給付金、助成金など様々な資金支援策を打ち出している。これまで数々の飲食店をサポートしてきた税理士の水野剛志氏は、「飲食店のみなさんには、これらの支援策を最大限に利用して、現在の困難を乗り越えてもらいたい。新型コロナウイルス感染症の支援策は、国や自治体の融資や助成金などに無縁だった事業者でも利用しやすくなっているので、ぜひ前向きに検討してほしい」と呼びかける。

 まずは、支援策の全体像を捉え、自社・自店が利用できるもの、利用しやすいものを選びたい。種類は大きく「融資」「給付金・補助金」「助成金」の3つに分けられる。

 融資については、経済産業省のサイトに掲載されている「資金繰り支援内容一覧表」(下図)がわかりやすい。

経済産業省のサイトに掲載されている「資金繰り支援内容一覧表」(4月14日時点のもの)。これをもとに自身の店、会社に合った支援内容を見つけてほしい

 政府系金融機関の融資と、信用保証付き民間金融機関の融資が、コンパクトにまとめられており、売上の減少幅が前年同月比で5%以上から20%以上まで、合計10種類の支援策(図内の「利用可能メニュー」)があるので、自店の状況から選ぶことが可能だ。水野氏は「融資なので返済義務はありますが、かなりの好条件で借り入れができます。事業の継続や今後の展開のためにも、ぜひ活用すべき」と言う。実際にどれを選んだらよいかや手続きのための書類、メリットやデメリットについては後述するが、「今後もさらなる支援策の発動や、条件の更新などが考えられるので、経済産業省のサイトをこまめに確認してほしい」と水野氏は付け加える。

 給付金・補助金では、「もっとも使い勝手がいいのが『持続化給付金』」(水野氏)だ。これは、事業の継続を支援するために、個人事業主に最大100万円、法人に最大200万円が給付されるもの。給付対象は、新型コロナウイルスの影響で、売上が前年同月比で50%以上減少した事業主。詳細は経済産業省のサイトで確認が必要だが、必要書類が少なく、窓口に行かなくても「持続化給付金の申請用HP」で申請できるようになっている。

 そのほか、飲食店が利用可能な補助金として、水野氏は「小規模事業者持続化補助金」と「IT導入補助金」を挙げる。前者は販路開拓を支援するもので、テイクアウトやデリバリーに新規参入する事業者等が対象となり、後者はPCなどのITツール導入による業務の効率化を支援するもの。両者とも以前からある制度だが、新型コロナウイルスに伴う「特別枠」が設けられているので、確認したい。

 さらに、東京都が「感染拡大防止協力金」を要請に応じた店舗などに支給するなど、各道府県・市区町村も独自に補助金を実施するケースもあるので、動向をキャッチしよう。

 また、営業時間短縮や休業した場合は、スタッフの休業手当や賃金などの一部が助成される「雇用調整助成金」の活用を検討したい(詳細は後述)。「これらの支援策は知っているかどうかが分かれ道。情報収集がカギなので、省庁のほか、自治体のサイトも定期的にチェックを」と水野氏はアドバイスする。では、次のページから、融資や支援策の具体的な内容を見ていこう。

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