2020/05/21 特集

何を売る? どう売る? テイクアウト&デリバリー(4ページ目)

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安心・安全に配慮し、ピンチをチャンスに変えよう!

 テイクアウトやデリバリーにしろ、商品を受け渡すときだけは、必ず店側と注文客が接触せざるを得ない。注文客に安心してもらうと同時にスタッフの健康を守るために、たとえ短い時間でもマスクの着用、ソーシャルディスタンスの確保など、基本的な安全行動を徹底したい。手指洗浄やアルコール消毒などの衛生行動も、これまで以上に頻繁に、しかも丁寧に行うことが大切だ。飲食店の中には、商品を棚置きしたり、デリバリーの場合は「置き配」したりして、非接触の受け渡しを工夫する例もある。また、この機会に、事前決済を導入することも有効。あらゆる場面で、衛生意識を一段階も二段階も高くすることで、安心して利用してもらえる店を実現したい。

 また、イートインの店内消費と違い、テイクアウトやデリバリーなどの店外消費は、調理後、一定の時間が経過してから、しかも作り手の目が届かないところで食べることになり、衛生・品質面での特別な配慮が不可欠になる。今後、温度と湿度が上昇していく中で、食中毒などが発生しないように、料理の温度管理、手渡すまでの保存方法、配達環境の整備、配達時間の最短化、食べるときの注意喚起などには、十二分な対策が必要。せっかく中食市場に進出しても、健康被害を起こしたら元も子もなくなってしまう。

 最後に、飲食店への朗報を1つ。東京都は4月22日、新型コロナによる外出自粛要請などによって売上が大きく落ち込んでいる都内の飲食事業者が、新たにテイクアウトやデリバリー、移動販売を開始する際の初期費用の一部を助成することを発表した。チラシなどの制作費、包装資材、タブレット端末代、配達車両のリース代などの経費の5分の4を、100万円を上限に助成する。そのほか、飲食店が利用できる国の補助金として、「持続化補助(コロナ特別対応型)」や「IT導入補助」がある。前者は販路開拓を支援するもの、後者はITツールの導入に対する支援で、ともにテイクアウトやデリバリーを開始するときに活用することができるので、検討してみてはどうだろうか。

 新型コロナの今後の影響は、まだまだ予断を許さない。緊急事態宣言が解除されても、飲食店の苦戦は簡単には解消されないかもしれない。だが、小林氏は「今の状況をピンチと捉えるか、それともチャンスの要素を見出して、そこに帆を張って前進しようとするかで、見える風景は全然違ってくる」と語る。特に中食のマーケットは、「消費増税の際に導入された軽減税率と、新型コロナの2つが追い風となっているといえる」と分析。「今現在生まれているニーズに適応して乗り切るとともに、今後、伸びる分野を捉えて、事業を最適化していく戦略を立てるべき」とエールを送る。そのうえで、小林氏は、「今なら、まだ間に合う」とも。「客足が遠のき、売上が大幅に減少した現実を見て、思考停止したままこの時期をやり過ごしてしまうと、この先はさらに苦しくなり、後悔する事態になりかねません」と警鐘を鳴らす。すぐに、打つべき手立てをすべて打ち、ピンチをチャンスに変える気概で、追い風をつかみたい。

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