コロナ禍でデリバリーなどを開始。冷凍パスタの調理法を紹介する動画が好評!

幅広い世代に親しまれてきた兵庫・三ノ宮のイタリアン「チッチャ」は、コロナの影響でテイクアウトとデリバリーを開始。中でも冷凍パスタが人気で、麺のゆで方などの調理法を動画で配信しており、話題を集めている。

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チッチャ

兵庫 神戸・三宮 イタリア料理

 神戸市のJR三ノ宮駅から徒歩数分の場所にあるイタリアン「チッチャ」。イタリアの星付きレストランで腕を磨いた青木勇司郎氏がオーナーシェフを務め、2012年のオープン以来、地元客を中心に幅広い年代を獲得してきた。

 青木氏が新型コロナウイルス感染症の影響を肌で感じるようになったのは今年3月に入ってから。予約のキャンセルが相次ぐようになり、危機感を募らせた青木氏は、4月の初旬にテイクアウトとデリバリーをメインにした営業形態に切り替えることを決意する。

テイクアウトとデリバリーのメニュー(一部)。マリネやパスタ、自家製のハムなど、多彩な料理をそろえる

 テイクアウトとデリバリーで販売しているのは、前菜の盛り合わせやピザ、ポルケッタ、ハム、テリーヌといった自家製のシャルキュトリーなど、「チッチャ」やバル業態の姉妹店「バールチッチャ」の既存メニューが中心。中でも特徴的なのが、店の売りの1つである自家製麺のパスタを、ソースとともに冷凍で販売していることだ。「店で調理したパスタをそのまま販売しても、家で食べるころには店で提供しているような味わいではなくなっています。そこで、冷凍にして、ご家庭で好きなタイミングで作っていただくのがベストだと考えました」と、青木氏は語る。

パスタは、麺とソースをそれぞれ冷凍して販売。「北海道産秋刀魚の燻製オイルソース」(写真)など、7種類ほどを用意し、特に「黒毛和牛の赤ワイン煮こみ ブラザート ピチ」(1,609円)が人気

 この冷凍パスタの調理法は、4月に新設した店のYouTubeチャンネルで紹介。青木氏が実際に調理をしながら、パスタのゆで時間やソースの解凍方法などをわかりやすく伝えている。「店のYouTubeチャンネルでは、それぞれのパスタの調理法のほか、ピザのおいしい食べ方や冷めてしまった場合の温めなおし方、看板メニューのバーニャカウダソースのレシピ公開動画なども配信しています」(青木氏)。

販売した冷凍パスタには、店のYouTubeチャンネルのQRコードを同封し、動画で作り方を確認してもらうよう促している

 このほか、姉妹店の焼肉店「焼肉ブエ」で仕入れているブランド牛を使った焼肉弁当(1,280~1,980円)や、家庭で焼肉を楽しめるよう、生肉を詰め合わせた「焼肉セット」(2,160円~)なども販売。「生肉を販売するにあたり、事前に保健所に相談して食肉販売業の許可なども取得しました」と、青木氏は語る。

デリバリーは青木氏自身が配達しており、近場であればスタッフに自転車などで配達してもらっている

 テイクアウトやデリバリーの情報は、ぐるなびや店のInstagram、LINEなどで発信。YouTubeの動画も話題になり、常連客を中心に売上は上々だ。「冷凍パスタは、東京など遠方から注文が入ることもあり、認知度アップを実感しています」と、青木氏は笑顔を見せる。

 とはいえ、通常営業時に比べれば売上は減少しているため決して楽観視できる状態ではない。それでも、「下を向いていてもいいことはありません。こういうときだからこそ、お客様のニーズに応えられるよう努力し、通常営業ができるようになったときに、『あの店で食べたい』と思ってもらえるように最善を尽くすことが大切だと思います」と青木氏。緊急事態宣言が解除されたことにより、予防対策を講じながら店内の営業も再開。コロナ拡大の影響でテイクアウトやデリバリーを始めたことを、新たなファンを獲得する機会と捉え、今できることを続けている。

チッチャ
兵庫県神戸市中央区加納町3-11-2 奥田ビル1F
https://r.gnavi.co.jp/af56srcu0000/
JR三ノ宮駅から徒歩数分の場所に立地。主な客層は、地元のビジネス層やファミリー。客単価は1万円で、普段使いから接待や記念日など幅広いシーンで利用されている。