2020/05/28 特集

【PART2】お店の数字の見方・操り方を知る!~コロナ後に重要な“脱どんぶり勘定”~(2ページ目)

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客数増/お得チケットと利益のバランス

 飲食店を助けようという機運が高まっている今だからこそ、来店いただいたお客様にボトルキープをおすすめしたり、後日来店いただいた時に使えるお得チケットの購入をお願いしてみましょう。また、キャンペーンに合わせて、酒屋さんや、食材卸さんに仕入れ値の協力をいただき、その分をお客様還元に使うのも良いと思います。

 ただ、こういった施策を行う際には注意しなくてはいけないことがあります。以下の問題を通して考えていきましょう。

 B店は客単価4,000円、原価率35%、人件費率20%、その他店舗諸経費合計が15%でした。この時、お客様1人からいただける利益(変動利益単価)はいくらでしょう?(下の表B店-①)

①客単価4,000円×変動利益率30%=1,200円
B店は通常、お客様1人当たり1,200円が利益として残ります。

 また、B店は「ドリンク1杯目+お通し」(通常平均800円)がその月に何度利用しても無料になる券を500円で販売し、購入していただいたお客様の情報を集めることに。すると、無料券を購入したお客様は普段月1回の来店でしたが、その月は3回来店してくれました。

 1回目の来店時の変動利益単価、および2回目以降の変動利益単価はいくらでしょうか?(下の表B店-②、B店-③参照)。

 「ドリンク1杯+お通し無料券」購入後1回目の利用時は、もともと800円取れていたものが500円になります(300円値引き)。この時、客単価は単純に値引きしているだけなので、客単価4,000円-値引き300円=3,700円。
また、お客様1人に掛けるコスト=変動費単価は変わらないので、
①客単価3,700円-変動費単価2,800円=900円
1回目利用時のお客様1人から得られる利益は900円です。

 「ドリンク1杯目+お通し無料券」2回目以降の利用時は、もともと800円取れていたものが無料になるので0円(800円値引き)。この時、客単価は単純に値引きしているだけなので、客単価4,000円-値引き800円=3,200円。
お客様1人に掛けるコスト=変動費単価は変わらないので、
①客単価3,200円-変動費単価2,800円=400円
2回目以降利用時のお客様1人から得られる利益は400円になります。

 B店は通常、1人のお客様から1,200円の利益をいただいていました(表B店-①)。一方、「ドリンク1杯+お通し無料券」を販売したとき、来店1回目は900円、2回目は400円、3回目も400円で、合計1,700円となります。本来、3回の来店で3,600円(1,200円×3)の利益が残るところ、1,700円になるということは、マイナスの面もあるのです。つまり、これはお客様情報を得るための“身を切る施策”ですので、長い期間行うのは得策ではないと思います。

 今後、コロナの問題が収束するまでに様々な施策を行う必要があるでしょうが、利益についてしっかり数字で考えながら、いつまでその施策を続けるのか考える必要があります。常態化させてしまうと大幅に客単価を落とすことにもなりかねないので、注意が必要です。

 そのほか、ボトルキープは値引き戦略ではないので、「お二人でそれぞれ2杯以上飲まれるようでしたら、ボトルキープされた方がお得ですよ」とおすすめしながら、合わせてお客様の情報を集めるとよいでしょう。

 さらに、“先売りチケット”は前もってお金を集められる点はメリットですが、単純に値引き戦略に陥ってしまうケースも多いので、利益とお客様情報獲得のバランスを考えながら実施してください。

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