2020/06/01 特集

【PART3】お店の数字の見方・操り方を知る!~コロナ後に重要な“脱どんぶり勘定”(2ページ目)

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「利き酒セット」で利益アップ

 日本酒、焼酎、ワインなどアルコールドリンクは種類も多く、どの銘柄をチョイスすればいいか迷われるお客様も多いです。この「どれを飲めばいいかわからない」は、客単価を上げるチャンスでもあります。

 日本酒であれば、升(ます)で提供すると180mlですが、それを60mlずつ3種類の「利き酒セット」で提供することで、客単価を上げることができます。これは焼酎やワインでも使えるやり方です。それでは、問題を通してその効果を見てみましょう。

 B店は、日本酒の各銘柄について特徴を記載した“虎の巻”を全スタッフに配りつつ、迷っているお客様には、60mlずつ3種類の飲み比べができる「利き酒セット」をおすすめするようにしました。

 この利き酒セットは3種類合わせて升酒と同じ180ml。また、この3種類は全て単品価格600円で、原価率は25%です。単品価格を50%オフにして「利き酒セット」を提供した時、利益率は何%アップするでしょうか?

 まず、升酒(180ml)で1種類を提供した場合の営業利益を考えます(下の表B店-①参照)。

①単品価格600円×営業利益率75%=450円

 次に、「利き酒セット」で60mlずつ3種類提供した場合(下の表B店-②参照)。

 元の原価は、
②600円÷量3(1/3の量)×原価率25%×利き酒3種類=150円
3種類それぞれ単品価格の50%で提供するので、売価は、
③600円×50%×3種類=900円
利き酒セットの変動利益単価は、
④売価900円-原価150円=750円

 利き酒セット(180ml)を提供した時の営業利益は、升酒(180ml)1種類を提供したときと比べ、750円÷450円=1.67倍になります。この利き酒セットを2回注文しもらえれば、単純計算で利益は1.67倍×2回=3.34倍となり、2回のオーダーで升酒3杯以上の注文をもらえるのと同じになります。どの銘柄を飲もうか悩んでいるお客様を見つけたら、ぜひ、「少量を飲み比べしてみると、好みのお酒を見つけやすいですよ」とお声がけしてみましょう。

 また、利き酒セットは数種類用意しておくとより効果的です。例えば、最初は「甘め」「中辛」「辛め」の日本酒を1つずつ選んでセットに。これを飲んでもらい、例えば「辛め」が好きなお客様なら、次は「辛め」の中で、「口当たり濃厚」と「スッキリ」を飲み比べるセットなどをおすすめすると、さらに客単価アップにつながります。

 お客様にとってもスタッフとコミュニケーションを取りながら、いろいろな情報をもらえると喜んでいただけ、リピートの可能性が高まります。アルコールドリンクのおすすめはコアなファンを作り、店への親近感を生んでくれるのです。

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