2020/06/01 特集

【PART3】お店の数字の見方・操り方を知る!~コロナ後に重要な“脱どんぶり勘定”(5ページ目)

URLコピー

専門店におけるトッピングの重要性

 お客様と接する時間が短い専門店(ラーメン・うどん・牛丼・かつ丼など)でも、おすすめなどの販促は有効です。問題を通して考えていきましょう。

 ラーメン店を営むE店はある日、トッピングの注文が多く取れた月に利益が上がっていることに気がつき、その要因を探ってみることにしました。

 E店は通常、ラーメン1杯800円に対して、平均的な原価率は35%掛けており、人件費は20%、その他店舗諸経費合計は15%でした。この時、ラーメン1杯から得られる利益はいくらでしょう?(下の表E店-①参照)

 全体の変動費率は70%、変動利益は30%残ることになるので、ラーメン1杯から得られる利益は、
①客単価800円×変動利益率30%=240円

 次にトッピングの煮卵100円(原価10円)の利益額を計算します(下の表E店-②参照)。

 煮卵をおすすめするのに余分な人件費や諸経費はかかりませんので、残る利益は
①客単価100円×変動利益率90%=90円

 例えば、3人のお客様に煮卵のトッピングをおすすめして注文いただけると、利益は90円×3人=270円。ラーメン1杯の利益240円と比較すると、1人以上のお客様に来ていただけたのと同じ効果となります。

 これが理解できると、最初から様々な商品がトッピングされたメニューを打ち出したり、メニューブックにトッピング商品を目立つように掲載する意味が理解できると思います。

 また、ラーメン店などは接客する時間が短いため、メニューの表記の仕方やPOPでの訴求、季節商品のポスターでのアピールなど、視覚に訴求するツールも非常に大事です。

 トッピングの効果を理解したE店のオーナーは、チャーシュー、煮卵、のり、メンマなどトッピング商品を山盛りにした「わがまま盛り」(販売価格380 円、食材原価90円)を開発。チャレンジ企画として、ポスターでも「完食上等!」とアピールしました。

 「わがまま盛り」に余分な人件費や諸経費はかからず、コストは食材原価の90円だけなので、利益は380円-90円=290円。つまり、「わがまま盛り」トッピングが注文されると、プラス290円の利益が計上され、通常、ラーメン1杯の利益が240円(表E店-①)なので、ラーメン2杯分以上の利益になることがわかります。

 トッピング以外に、食べ方を提案するのも利益を上げる1つの方法です。例えば、途中で辛味噌を足す「絶品の”味変”!」や、残ったスープに特製出汁とご飯を加える「シメはあっさり雑炊で!」など、文言を決めておすすめすると良いでしょう。

 さらに、自店のメニューを「お持ち帰り用」としても用意しておくと、1人のお客様が自宅用として2人前以上購入いただけることも期待できます。

 加えて、キムチやメンマなど、ラーメン店のサイドメニューやトッピングの中にも物販用として提供可能な商品は意外に多くあります。店で使っている丼(どんぶり)を買いたいというコアなファンもいるので、チャレンジしてみてください。

全7ページ