店内営業しながら、5月はオードブルを300個&ランチBOXを1,200個販売!

愛媛・JR伊予小松駅のそばにある「わいん食堂 カゴヤ10taro」では、「10taroランチBOX」のほか、4月からオードブルの販売も実施。「記念日に選ばれるオードブル」を意識して開発し、売れ行きが好調だ。

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わいん食堂 カゴヤ10taro

愛媛・西条 イタリアン

  愛媛・松山から特急を使い約90分。西条市にあるJR伊予小松駅そばの「わいん食堂 カゴヤ10taro」は、2012年にオープンした洋風創作料理店。乗降客の少ない無人駅にあり、オープン当初は集客に苦戦したが、女性スタッフの発案で始めた「カゴヤ10taroの選べるランチ」(1080円)が転機に。主菜、副菜のほか、白米か十六穀米、みそ汁の具まで選べるランチが女性の心をつかみ、入店待ちの列ができるほどの繁盛店となった。

「母の故郷を盛り上げたい」(笠原氏)と、路地裏の長家を改装し開店

 新型コロナの影響で売上が大きく落ち込んだ4月、強い危機感を覚えたオーナーの笠原勇輝氏は、「経営を持続させることが先決」と、日本政策金融公庫からの融資で当面の運転資金を確保。そのうえで、コロナ禍でいかに売上を得るかに知恵を絞り、もともとテイクアウト販売を行っていた「10taroランチBOX」(1060円)に加え、オードブルの販売を新たに始めた。「意識したのは『記念日に選ばれるオードブル』。そして、それをどう作るか」と笠原氏。どの料理も仕上げの飾り付けに工夫を凝らすなど、女性目線を意識することで、6000円・8000円・1万円の価格設定ながらGW期間中に100個を販売。その後も母の日などの需要を取り込み、最終的に5月のみで300個を売り上げた。なかには愛媛の実家で暮らす母親に送りたいと、県外から注文する人もいたという。

「10taroランチBOX」。コロナ前の利用は少なかったが、5月には1,200個を販売し、売上に大きく貢献
オーナーの笠原氏。飲食店勤務を経て2008年に1号店を独立開業

 オードブルの好調は、料理の内容はもちろん、「西条市内は無料配送」を打ち出したことが要因の一つ。また、積極的なSNSでの発信も認知度アップにつながった。検索でヒットされるようにハッシュタグの設定を意識し、800人だったフォロワーは、7月時点で1500人にまで増えた。

地元の新鮮な野菜も盛り込んだオードブル。「ハニーチーズ豆腐」などの名物料理に加え、セットのバジルソースブレッド(写真下)も好評だ

 また、飲食業界の先輩の力を借りて開発し、昨年9月から販売している「カゴヤの小松プリン」(380円)の売上も順調だ。地元の卵や、バニラビーンズなどの素材にこだわり、笠原氏の先祖が牧場や牛乳販売店を営んでいたことから、牛乳瓶をイメージした容器も目を引く。今後はECサイトを準備し、通販も始める計画だという。

「カゴヤの小松プリン」は、手土産として使ってもらえるように、パッケージにもこだわった

 緊急事態宣言の解除以降は客足が戻り始め、「オードブルを注文したお客様が、『おいしかったから、次はお店で食べたい』とご来店されるケースも多いです」と笠原氏。再度の感染拡大が懸念される中、店内営業に支障が出ない範囲でオードブルは継続する予定だ。「大切なのは早め早めに行動すること」と話す笠原氏は、今後も状況を見極めながら、難局を乗り切るための施策を講じていこうと考えている。

母の日向けのオードブルには、感謝の気持ちを込めたメッセージを用意するなど、細やかな心配りも好評の秘密
わいん食堂 カゴヤ10taro
愛媛県西条市小松町新屋敷甲403-1
https://r.gnavi.co.jp/h29jxfy70000/