2020/10/13 特集

飲食店のEC 成功の法則 成果を出すにはコツがある!(3ページ目)

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商品の差別化

同じジャンルの競合を徹底調査。自社商品の価値を伝えることが重要

 商品の差別化は、ネット通販事業を行う上で最重要課題の一つ。競合商品を調査し、売れ筋を把握して自社商品をブラッシュアップしなければ、モールはもちろん、自社サイトでも選ばれ続けることは不可能だ。

 競合商品の調査は、実店舗の場合、同じ業態や客層の店をベンチマークするが、ネットショップの場合は、同じ商品のジャンルで検索して行う。「検索上位に表示されたり、広告が出てくるネットショップは、対策を立てていると考えられるので、まずはそのショップのサイトからチェックするとよい」と江藤氏。人気ランキングに掲載されていたり、レビューの数が多い商品のサイトも要チェック。レビューの内容も大切な情報源だ。また、モール出店者なら、どんな商品がどのくらい販売されているかツールなどで知ることが可能な場合もあるので、参考にするとよいだろう。

 同時に、江藤氏は「ネット通販では、商品の価値は“情報の量”とイコールであることを肝に銘じてほしい」と呼びかける。購入意欲は、価格以上の価値をその商品に見出したときに高まるもの。実店舗なら、接客や料理そのもので商品の価値を伝えることができるが、ネットの世界では料理の味や香りはもちろん、接客で案内することもできない。つまり、購入意欲を喚起できるのは、写真や文字による“情報”だけ。どんなに料理がおいしくて、こだわった商品であっても、それを情報としてユーザーに伝えなければ、ネットの世界では「商品の価値」にはつながらないと言える。

 江藤氏は「高級レストランのシェフが大切な顧客の客席に出向き、一つ一つの料理のこだわりや素材、調理法、料理に込めた自身の思いを語るように、ネットユーザーに伝えてほしい」と語る。実店舗の食事がサイトで疑似体験できるくらいの情報量が必要で、それが商品の魅力となり、差別化につながるという。

 では、こうした価値を持たせる情報は、どのように見つけ出したらよいのか。江藤氏は「5W2Hを切り口に考えるとよいでしょう」と提案する。

 「5W2H」とは、When(いつ)、Where(どこ)、Who(誰)、What(何)、Why(なぜ)、How(どうやって)、How mach(いくら)の7項目のこと。例えば、「When」では、季節感や旬、あるいはどんな時期やシーンで喜ばれるかなど、「時期・時間」というキーワードで自社商品の魅力を考えてみる。「Where」は、食材の産地や料理の発祥の地など、場所に関するエピソード、「Who」はシェフや生産者の情報や誰に向けた商品なのか、「What」は使用した食材、「Why」は商品開発のきっかけ、「How」は調理工程のこだわり、といった具合に書き出していく。7つのすべてで魅力を見つけられれば理想的だ。さらに、「この商品をわざわざ購入する理由を5つ考える、または作り出すことも有効です」(江藤氏)。

 商品一つ一つに対して、こうした作業を行うのは簡単ではない。しかし、「商品の魅力を言葉で語ることは、すべての商売の基本」と江藤氏。低価格競争に陥らないためにも、魅力ある商品を作り、そのよさを最大限伝え、差別化を図ることが重要だ。

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