2020/10/13 特集

飲食店のEC 成功の法則 成果を出すにはコツがある!(6ページ目)

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運用・情報発信

商品・顧客情報をデータで一元管理。自社サイトではSNSの活用が鍵

 ここまで見てきたように、ECに参入し、利益を上げるには飲食店のノウハウだけでは難しい。江藤氏は「実店舗で人気の商品だからと、そのままネット通販で売ろうとすると、失敗する可能性が高い」と手厳しい。原価の算出、販促、運用など全てを設計し直さなければいけないので、「現場任せ、担当者任せではうまくいきません。経営者自らが、ECの基本と運用についてじっくり学んでほしい」と江藤氏は語る。

 同時に、ネット通販のスムーズな運用に欠かせないのが、「商品のデジタルデータ化」(江藤氏)だ。商品の写真や使用食材、こだわり、販売状況などあらゆる情報をデータ化し、変化の激しいEC市場にスピーディーに対応できるようにしておきたい。さらに、「顧客情報もデータ化し、商品情報と共に一元管理することが望ましい」と江藤氏。EC事業の一連の流れをデータで管理することで、商品の改善や事業の見直しを迅速に行うことが可能だ。

 最後に、情報発信について見ていこう。「商品の差別化」でも述べたように、販売サイトでは5W2Hなどで魅力を発信。あわせて、SNSでの発信も行いたい。「モールの場合は効果は薄いですが、自社サイトの場合は実店舗のアピールにもつながるので、相乗効果も狙える」と江藤氏は話す。全スタッフを対象に、投稿の内容や写真、タイミングなどについて研修を行い、SNSでの発信を業務として位置付けて積極的に行うと、効果が期待できる。

 「さまざまなSNSを活用できれば理想的ですが、ECと親和性が最も高いのはInstagram」と江藤氏。LINEは全世代で利用している人が多いが、コミュニケーションツールという性格が強いので、広告は時間が経つにつれて宣伝効果が落ちる。一方、「Instagramはファン獲得に有効です。投稿にコツが必要ですが、活用する価値は高い」と江藤氏は話す。

 モールの販促は、社内に専任の担当者を置き、モール運営企業の担当者と共に販売手法に沿って販促計画を立てるのが望ましい。コストはかかるが、広告なども使いながら効果的に発信するとよいだろう。

 飲食店はコロナ以前から、店内営業のほかにも、新たな柱となる事業の必要性が謳われてきた。「ECはきちんと取り組めば、結果が付いてきます。そのためには、戦略や中長期的な事業計画が必要です。やると決めたら総力を上げてECに取り組んでほしい」と江藤氏は呼びかける。今こそ、前向きな姿勢で攻勢をかけてほしい。

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