誰もが安心して食べられる“あたらないカキ”を追求
「8TH SEA OYSTER Bar(エイス シー オイスター バー)」など、全国に約30店舗のオイスターバーブランドを展開する株式会社ゼネラル・オイスター。出店エリアの特性に合わせた集客戦略で業績を伸ばす一方で、海洋深層水による養殖ガキの浄化システムも開発。業界初となる「生食用冷凍殻付きカキ」の卸・EC販売も2026年の春にスタートする。
2024年から代表取締役社長を務める渡邊 一博 氏は、大学卒業後に「アジアンキッチン」「やぐら茶屋」などを運営する大和実業株式会社で店長として全国売上1位の実績を上げたのち、「牛庵」「いちばん」などの経営母体・株式会社ぎゅあん(ゼンショーホールディングス)に転職。約1年半の間に10店舗の立ち上げに携わり、多店舗のマネジメントを学び、36歳のときに旧知の先輩に誘われてゼネラル・オイスターに入社した。社長就任後は、飲食事業(直営・FC店舗含めて31店舗/2026年3月末現在)と卸売事業を統括し、さらなる企業発展に取り組んでいる。そんな渡邊氏に、ゼネラル・オイスター入社後の歩みや、「誰もが安心してカキを楽しめる環境」の実現に向けた取り組みを聞いた。
目次
・「ランチ=マーケット&ディナー=ターゲット」戦略が成功
・海洋深層水によるカキの浄化システムを構築
・2026年春から生食用冷凍殻付きカキの販売を開始
・カキ以外にも目を向けた業態開発も視野に
・「リーダー×一問一答」&「COMPANY DATA」
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「ランチ=マーケット&ディナー=ターゲット」戦略が成功
――会社の主力業態と業績を教えてください。
当社は複数のブランドを展開していますが、立地や客層に応じて業態を柔軟に変えています。気軽に生ガキを楽しめる「8TH SEA OYSTER BAR(エイス シー オイスター バー)」は当社の主軸ブランドで、40~50代の女性をメインターゲットに、全国の都市部の商業施設を中心に14店舗を展開しています。
グループで特に好調なのは、東京駅直結のシーフードレストラン「THE CAVE DE OYSTER(ザ・カーブ・ド・オイスター)」です。約80坪108席で、平均月商は2,500万円、年末には月商3,000万円を超える年もあります。
――ゼネラル・オイスターに入社後、どのような取り組みで業績を伸ばしたのでしょうか。
前職(ゼンショー)で幅広いエリアのマネジメントを担当した経験から、「地域が違えばマーケットも、お客様のニーズも全く変わる」と実感していたので、まずは自分の担当店舗のやり方を変えることから始めました。例えば、シニア層中心の水戸の店舗では大きな写真付きのメニューを作り、定食スタイルの夜メニューも展開したところ、月200~250万円ほどだった売上が2倍以上の500~700万円に伸びました。
また、「ランチはマーケット商売、ディナーはターゲット商売」であることも意識しました。ランチはその立地のお客様のニーズに合わせたメニュー・価格設定が必要で、ディナーは「オイスターレストランに行こう」と目的を持って来店することを前提にした店づくりが重要です。これらを踏まえたことで、各店の数字は着実に上がりました。
――2024年の社長就任の経緯を教えてください。
創業者で前社長の吉田 琇則(ひでのり)さんから新体制に移行する流れの中で、「現場をよく知る人間が経営に携わったほうがいい」という意見が強かったことも関係しているかもしれません。吉田さんが長年築いてきた「“あたらないカキ”を届けたい」という理念と技術の土台があったからこそ、今の会社があります。
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海洋深層水によるカキの浄化システムを構築
――養殖ガキを浄化する事業にも取り組んでおられます。
もともとカキの浄化は、一般的な「紫外線殺菌海水」による方法で取り組んでいましたが、私の入社後、富山県からのご提案をきっかけに富山湾の海洋深層水による浄化方法に切り替えました。海洋深層水は水深200メートル以深の海水で、太陽光が届かず表層の海水と混ざらないため、プランクトンも少なく清浄性が高いのが特徴です。この海洋深層水をカキに48時間以上かけ流すことで、カキは体内に取り込んだ細菌やウイルスを自然に吐き出します。
2014年には富山県入善(にゅうぜん)町に浄化センターを設立し、この技術で特許を取得しました。現在は全国約50カ所の養殖場からカキを仕入れ、年間約620万個以上を「8TH SEA OYSTER」というブランドガキとして出荷しています。卸先は、直営店舗を含む飲食店など全国400~500店舗にのぼります。
2026年春から生食用冷凍殻付きカキの販売を開始
――直近では、どのような新しい取り組みを進めていますか。
2025年11月に、虎ノ門アルセアタワー内のフードホールに、新業態の「8TH SEA OYSTER Kitchen(エイス シー オイスター キッチン)」をオープンしました。従来の店舗よりも小規模で、料理人がメニューを考え、月ごとに変えていく立ち飲みスタイルがコンセプトです。自由に考えたメニューをお客様に出せるという楽しさや誇りが、料理人のモチベーションにつながるのではと考えました。
もう一つの取り組みが、生食用冷凍殻付きカキの開発です。2026年2月より自社店舗での提供を開始し、この春からは業務用卸やEC向けにも販売を拡大していく予定です。開発の背景には、年間を通じた安定供給への課題がありました。
2025年は特にノロウイルスの流行が深刻で、検査をクリアできる産地が限られ、店舗への納品が大幅に制限される事態が起きました。しかしウイルスのリスクが低い時期に海洋深層水で浄化したカキを高品質なまま冷凍保存すると、ノロ流行期でもおいしく、安全な生ガキを安定して提供できます。冷凍には、活きガキに限りなく近い食感と風味が保たれる特殊な冷凍機を採用しています。
カキ以外にも目を向けた業態開発も視野に
――今後の出店戦略と中長期的なビジョンをお聞かせください。
出店は年間2~3店舗のペースを維持していきたいと考えています。直近では2026年3月28日、高輪ゲートウェイ駅近くにプレミアム路線の「L'ECAILLER(レカイエ) 8th SEA OYSTER」、大井町にシーフード全般を楽しめる大衆路線の「Mare & Oyster(マーレアンドオイスター)」を同日オープンしました。
今後はカキ一本に絞らず、魚介の藁(わら)焼きやカキだしのおでんなど、違う切り口の業態にも挑戦する予定です。「あの会社がやっていたの?」と思ってもらえるくらい多彩なブランドを持つことが、飽きられない企業であり続けるための条件だと思っています。
さらに、中長期的には売上規模100億円に近い水準を目指して、飲食・卸・加工の各事業を伸ばしていきたいと考えています。そしてもう一つ、大切にしているビジョンに「ハンディキャップを持つ方でも働ける店づくり」があります。おいしく安全な生ガキを届けることはもちろん、働く人が夢を持てる会社づくりにも力を入れていきたいですね。
リーダー×一問一答
■経営者として大切にしている事
当社で働いている人たちがやりがいを感じられ、それがお客様にとって価値を感じてもらえる企業。部下には、成長へのチャレンジをさせる
■愛読の雑誌やWebサイト
流通ニュース/PRタイムズ/飲食店経営
■日課、習慣
店舗シフトイン/現場感をなくさない。体を動かす・体重を維持させる
■今一番興味があること
繁盛店の集客方法やメニュー/良い人材確保できる企業
■座右の銘
道は拓くもの
■尊敬している人
稲森 和夫 氏の「理念×数値×現場」という考え方/年齢関係なく信念を貫き頑張れる人
■最近、注目している店舗名、もしくは業態
「酒と魚 はなたれ」「チロンボマリナーラ」「それがし」
食材や提供にこだわり、飲食の本質を感じるお店だと思います。
■COMPANY DATA
株式会社ゼネラル・オイスター
東京都渋谷区恵比寿1-15-1 TAMA WOODY GATE EBISU 3階
https://oysterbar.co.jp/
設立:2000年
店舗数:30店舗(直営27店舗、FC3店舗)※2026年3月時点
従業員数:社員94人、アルバイト約500人
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