外食FC展開で成功する条件とは?強い看板商品と高利益体質の作り方

外食業のフランチャイズ(FC)展開において、成功の第一歩となる「強い看板商品」と「高利益体質の作り方」を株式会社物語コーポレーションの「焼きたてのかるび」を例に、株式会社エフビー 代表取締役 神山 泉 氏が解説。直営店での徹底した検証プロセスを経て素人でも提供可能な商品力と、投資回収率・人件費率を両立させるフォーマットの重要性や加盟者を成功させるための、揺るぎない事業パッケージ構築のポイントを伝えます。

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株式会社エフビー 代表取締役 神山 泉 氏
早稲田大学卒業後、株式会社 柴田書店に入社。「月刊食堂」編集長、同社取締役編集部長を経て、2002年に株式会社エフビーを発足。翌年、食のオピニオン誌「フードビズ」を発刊。35年以上もの間、飲食業界を見続けてきた、業界ウオッチャーの第一人者として知られる。

Vol.175

安易なFC化は失敗の元!直営店で利益が出る仕組みを徹底検証

今回と次回の2回にわたって、外食経営におけるフランチャイズ(以下、 FC) ビジネスへの正しい取り組み方についてお話をします。

これまで、FCで大きく成長を遂げた外食業はたくさんあります。外食はFCビジネスとなじみが良いのですね。一方で、FCを安易に考えている経営者も少なくありません。例えば、1店舗の繁盛店ができるとすぐに「よし、いける!」と思い込み、FC化を前のめりに進めてしまったりします。

「FCをやれば自社の投資はいらないし、営業も相手任せで済むから、労せずして店舗が増える」といった、甘い考えに陥りがちです。しかし、よほど強固なフォーマットが定まっていないと、FCで多店舗化などできるものではありません。

むしろ、直営よりもFCの方が運営ははるかに難しい、と私は思っています。いかに難しいのか、今回は、物語コーポレーションという会社の新業態「焼きたてのかるび」を例にとって話を進めてみましょう。

物語コーポレーションは、「焼肉きんぐ」、「丸源ラーメン」、「ゆず庵」などの強力なFC業態を持っており、強いFCビジネスを作ることにおいては、まさに筋金入りの外食企業です。この会社が今、心血を注いで開発を進めているのが、郊外型のカルビ丼・ユッケジャンスープ専門店「焼きたてのかるび」です。主力商品はカルビ丼やユッケジャンスープ、冷麺で、35坪の規模で客単価は1,000円、月平均で1,000万円を売ります。

2021年8月に本社のある愛知県豊橋に1号店を出してから着実に出店を続け、現在は35店舗になります。利益が十分出る仕組みはできているのですが、依然として直営1本槍で、未だFC店舗はありません。なぜならFC チェーンとして進発させるためには、“もう 一段高い利益構造を作らなければならない”と考えているからです。

彼らは郊外に500店舗を出すという目標を持っていますが、それ故にFC化には慎重です。幹線道路か生活道路か、ドライブスルーの是非、テイクアウト比率、人員配置、サービスの質… 。堅固なフォーマットを作るために、とことん検証を積み重ねます。

その長い検証を経て、「よし、これで行ける!」と確信した時に初めて、FC化が開始されるのです。すでに「FCをやらせてくれ」という希望者がいても、「まだまだ」と敢えて押し留めているのです。強いFCビジネスは、こういう徹底した検証によって磨き上げられ、生まれるのです。

やるからには、加盟店(フランチャイジー)に100%成功してもらいたい 。この強い思いがなければ、FCビジネスは絶対に成功しません 。このことを、まず経営者は頭に叩き込んでおかなければなりません。

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多店舗化の鍵は「素人でも作れる圧倒的な看板商品」にある

FCは、ビジネスパッケージを売ってロイヤリティーをいただく商売です。まず考えておかなければならないことは、その商売がいかに長持ちするかということです。10年、20年、いや30年以上の歳月に耐えなければなりません。ですから、一過性のトレンドビジネスはFCには向きません。一部の層だけがお客様になる“客層限定型”も失格です。あくまで、誰もが利用できる大衆商売でなければなりません。

既存のFCビジネスを見ても、うどんやラーメン、すし、とんかつ、天ぷら、焼肉、ハンバーグ、ハンバーガー、唐揚げ、フライドチキン、コーヒー、ドーナツなど、大衆商品として長く愛されるものばかりです。そこに珍奇な商品は一つもありません。

それから特殊な立地でのみ成立している商売もダメです。銀座や赤坂の高級店、原宿の竹下通りで当たっているタピオカドリンクスタンド。さらに、店主の人柄で人気のワインバー、これらは再現性がなく無理ですね。特殊な立地で成り立っている特殊な商売は、いくら繁盛していてもFCにはなりません。

大きく成功しているFCは、繁華街、郊外駅前、郊外ロードサイド、商業施設内など、と多様な立地に出店できる汎用的な力を備えています。そして立地に合わせて、店舗規模を伸縮できる柔軟性があります。まずは、最適立地と標準規模、そして標準売上高をしっかり固定化させることが大事です。

しかし、一番大事なのは商品です。よく売れてよく儲かる(利益率が高い)看板商品を持っているか。これがないことにはFCは絶対に成功しません。ユニークな店舗空間、クレンリネス、きめ細かいサービス、この店ならではのライブ感。いずれも外食ビジネスではとても大事なことですが、その中心に強い商品がないことにはお話になりません。

そして、その強い商品が、高いスキルを持った料理人によって作られる、というのではFCにはなりません。加盟者は基本的に外食の素人(しろうと)なのですから、主力商品は素人が一定の訓練期間を経て、作れるものでなければなりません。その仕組みができているかどうか、そこが成否の分かれ目です。

投資回収率と人件費率を両立させる「勝てるフォーマット」の要諦

その意味ではファーストフードのようなメニュー限定型ビジネスの方が、FC化に向いています。ファストフードは、圧倒的に強い一品が堅牢な仕組みの中でフル回転するビジネスです。アメリカの強いファーストフードは、本当に1品で勝負をしている店がたくさんあります。看板商品の圧倒的な強さ。これがFCの出発点であることを、改めて頭に叩き込んでください。

FCはフランチャイザー(本部)とフランチャイジー(加盟店)が利益を分け合うビジネスですから、利益率が高くなければなりません。つまり投資対して高い売上高が取れること、人件比率が低く抑えられること。この 2 点が 確実に押さえられていなければなりません。

また、利益を出すために原価率を下げすぎれば、今のお客様には通用せず競争力が出ません。それよりも一定の原価率をかけても、利益が出る仕組みをも持つことの方がはるかに大事なのです。

今回は中心に強いコア商品を持つことがFCの出発点であることを強調しました。利益が出やすいフォーマットを作ることが大前提ですが、これがなかなか難しいのです。しかし、本当にこれが達成できたら特別な募集をしなくてもFC 加盟希望者が殺到します。希望者もそういうビジネスを血まなこになって探しているのですから。(次回に続く)

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