接客シートとファイルで接客力が向上!

静岡・浜松の「魚魚一(とといち)」では、外国人客用に接客時の会話を外国語に翻訳したシートや、「オーダーの仕方や日本食の食べ方」などが外国語で書かれたファイルを作成し、活用している。

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インバウンド獲得対策の今─ vol.30

外国人の来店にも余裕が持てるシステムを考案。客シートとファイルで接客力が向上!

年々増加傾向にある訪日外国人観光客(インバウンド)。ビジネス等で長期在日する外国人も対象に、言葉の違い、文化の違いを乗り越え、様々な工夫で集客を図る飲食店の取り組みをレポート。

職人技を駆使した薄造りで提供する「うなぎの刺身」。2016年3月には浜松商工会議所が認定する「やらまいかブランド認定品」にも選ばれるなど、県内外の注目度も高い

語学力に頼らない接客で、外国人客の満足度もアップ!

遠州灘や浜名湖産の天然の地魚料理で常連客をつかむ「魚魚一(とといち)」。2013年には、「うなぎは加熱して食べるもの」という固定概念を覆す「うなぎの刺身」を開発して商標を登録。看板料理に成長させ、通販でのヒットにもつなげた。「うなぎは小骨の処理など難しい点も多く、生食で出せるまでには試行錯誤を重ねました」と代表取締役の仲村 健太郎氏。当初はオーダーが伸びなかったが、その珍しさや味のよさが次第に評判となり、大都市圏から地元へ“逆輸入”の形で火がついた。やがて海外のメディアにも取り上げられるようになり、2014年頃からは外国人の姿も目立つようになったという。現在、毎日1組は外国人客が来店。「ぐるなび外国語版」に付けた5%割引クーポンの利用も増えている。

外国人客は中国を中心に、アジア系のアッパー層が中心。刺身や寿司、天ぷら、日本酒などの注文が多く、客単価が高いのが特徴だ。2回転目となる20時以降の来店も多いため、店にとってもありがたい存在だが、「当時は残念ながら、予約を断ることも多かった」と仲村氏。海外勤務の経験がある仲村氏と違い、スタッフは外国語が苦手。そこで考えたのが、「予約はありますか」「何名様ですか」などの基本的な接客時の会話を外国語に翻訳した接客シートだった。外国人客が来店すると、まずシートを順に見せて席に案内し、言語別(英語、韓国語、中国語の簡体字・繁体字の4言語)の案内ファイルをテーブルに持参。そこには「オーダーの仕方や日本食の食べ方」「部屋とトイレの位置」「Wi-Fiとパスワード」などが項目別に詳細に書かれている。また、料理やドリンクのオーダーは、厨房とオンラインでつながるタブレット端末を採用し、会話がなくても成り立つようになっている。

「ファイルは、私自身が海外の飲食店で困った経験を基に作りました。トラブルを未然に防ぎ、日本食への理解と楽しみが深まっていると感じます」(仲村氏)。ファイルにはさらに、2種のカードを付けており、「カンバセーション(会話)カード」が提示されたら、タブレット端末の翻訳アプリを通して会話できるようになっている。「ツールは完ぺきなものではありません。しかし、準備があることで心に余裕が生まれます。この余裕こそが大事。あとは、世界共通の笑顔で歓迎の気持ちを伝えます」と仲村氏。アナログ、デジタル、笑顔を融合し、今後も外国人への応対を進化させていく。

天然の地魚を使った料理が売り。「どうまん蟹」など浜名湖ならではの食材も人気
エントランス付近にポケットを作って接客シートを設置。外国人客の来店時には1枚ずつ見せて対応し、オペレーションを向上させた
国籍と言語を確認。母国語を確認して、メニューブック(タブレット端末)の言語を設定
外国人用ファイルは英語、韓国語、中国語の簡体字・繁体字の4種。日本食の特徴やオーダー方法などを明記
カードは表をスタッフに見せて使う。外国人客への応対は何度も改良を重ねて現在のかたちに
魚料理専門 魚魚一(とといち)(静岡・浜松)
静岡県浜松市中区肴町318-28 ペッシェビル3F
http://r.gnavi.co.jp/n104600/
極上の魚料理を求めるアッパー層に支持され、平日も満席が多い繁盛店。浜松はホテルが多く、外国人には大阪・東京間の宿泊地としても需要が高まっており、ホテルからの問い合わせも増えている。
代表取締役 仲村 健太郎氏
日本国内のほか、北京や香港などでも料理人の経験を積み、2001年6月に出身地の静岡・浜松で独立開業。地域活性化のために、浜松ならではの食材を使った商品開発にも積極的に取り組んでいる。

インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。2013年には1964年の統計以来、初めて1,000万人を突破。そして2014年には1,341万人に達し、2015年は1,973万人を記録。「2,000万人時代」は目と鼻の先。今後も増加が予想されるインバウンドの集客は、飲食店にとって重要な課題のひとつだ。

Information

受講無料 ぐるなび大学「インバウンド対策セミナー& 外国語版メニュー登録・更新会」

ぐるなび大学では、外国人観光客の受け入れ準備のための講座として、「インバウンド対策セミナー&外国語版メニュー登録・更新会」を全国各地で開催。ぜひこのセミナーを活用し、今後のインバウンド受け入れ準備につなげていただきたい。

※参加無料。対象はぐるなび加盟の飲食店様となります。

Report from FUKUOKA福岡でMICEやインバウンドに関するセミナーを開催

2015年7月に締結された「福岡市と株式会社ぐるなびとの地域共働事業に関する包括連携協定」に関連して、2月16日、福岡市役所でMICEやインバウンドに関するセミナーが開催された。

「MICE」とは、Meeting(会議)、Incentive Travel(報奨・研修旅行)、Convention(国際会議)、Exhibition/Event(展示会/イベント)の頭文字をとったもので、インバウンド(訪日外国人)を含め、多くの集客が見込まれるビジネスイベントの総称。セミナーでは、福岡市から、同市でのMICEやインバウンドの現状などについて紹介。また、ぐるなびが、MICE参加者を飲食店へ送客するための取り組みなどを解説した。会場には多くの飲食店関係者らが足を運び、熱心に耳を傾けていた。

ぐるなびによる訪日促進サイトJapan Trend Ranking

「行ってみたい日本、もう一度行きたい日本へ」をコンセプトに、ぐるなびが2013年4月25日に開設した、日本の今の魅力を伝えるWebサイト。全国50万件の飲食店情報と、全市区町村の生産者とのネットワーク、約2万人のシェフのコミュニティを有するぐるなび独自の情報を駆使し、海外や外国人に対して正しい日本食や食文化を発信。海外における“日本のファン”作りを狙い、訪日外国人観光客のさらなる拡大を目指している。

サイトでは、日本の伝統料理やご当地グルメのほか、名所旧跡、温泉、文化・芸能や、ショッピング、四季のイベントなど、日本全国の最新トレンドをランキング形式で紹介。また、会員(登録無料)になることで様々なキャンペーンへの参加が可能となる。サイトの随所に「ぐるなび外国語版」への誘導口を設け、店舗ページの閲覧も促進している。

タイ語版トップページ

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※本記事の情報は記事作成時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報はご自身でご確認ください。

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