2018/02/27 特集

無断キャンセル防止にコレが効く! 飲食店を守るための対策を集めました

飲食店を悩ませる問題といえば、予約の無断キャンセルです。突然のキャンセルを防ぐため、もしくは、発生した場合のダメージを最小限にするために、飲食店は何ができるのでしょうか。ぐるなび加盟店へのアンケートと店舗の取り組みから、飲食店にとって有効なキャンセル対策を紹介します。

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更新日:2024.2.22

飲食店が直面する「突然のキャンセル、どう対処する?」という切実な問題を前に、経験豊富な店舗が実践するキャンセル対策の秘けつを深掘りします。直前キャンセルや無断キャンセル(ノーショー)が飲食店に与える影響は計り知れません。事前の対策と迅速な対応が不可欠です。この記事では、飲食店の日常におけるキャンセルの実態と、その予防・対処法をぐるなび加盟店の事例を交えて紹介します。ぜひ、店舗運営のヒントとしてご活用ください。

※本記事の情報は記事作成時点のものであり、現時点での情報の正確性を保証するものではございませんので、ご注意ください。

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ぐるなび加盟店に聞きました。突然のキャンセルは避けられない!?

ほぼすべての店が経験。日常的に起こっている店も

歓送迎会のピークを控え、予約が増えてくる年度末や新年度。繁忙期に向けて気合いを入れて準備を進めていても、一方で不安になるのが突然の予約キャンセルではないでしょうかか。直前キャンセルや無断キャンセル(ノーショー)が起こると、せっかく用意した食材や料理が無駄になったり、席稼働率が悪化するなど、店側は大きなダメージを受けてしまいます。そこでぐるなび加盟店に対してのアンケートを実施し、直前・無断キャンセルの実態と、予防法・対処法を探りました。

飲食店のキャンセルの実態を調べるに当たり、まずQ1では、予約客が集客全体に対してどの程度の割合を占めているかを聞きました。これによると、半分以上の店が、予約客が40%以上あるという結果が分かります。このうち、8割以上を予約客が占めている店も15%以上ありました。

次にキャンセルの経験を聞いたQ2、3を見ると、「直前キャンセル」は90%以上。さらにダメージの大きい「無断キャンセル」は約80%が「経験あり」と回答しています。直前キャンセルについては、「月に1件以上」と高頻度に経験している店も、35%以上に上ることが分かりました。ほとんどの店がいずれかのキャンセルを経験しており、日常的に発生している店もあることから、対策の重要性が見て取れます。

こまめな連絡と予約対応がキャンセル予防のカギ

別メニューへの転用で食材ロスを防ぐ対処も

Q4、5では、キャンセル経験のある店に、発生後にどのように対処したかを聞きました。直前キャンセルの場合は(Q4)、「食材を廃棄せずに済むよう工夫」「席を埋めるための集客策」など、店での対処が、予約客への働きかけよりも上位となりました。また無断キャンセルでは(Q5)、「連絡を取る」など予約の確認作業が最多となりましたが、「一定時間を過ぎたら自動的にキャンセルとみなす」という手段を講じている店も多かったです。

続いてQ6では、キャンセルに対する挽回策を聞きました。もっとも多かったのは「食材(料理)を別メニューに転用」で、別データでは、この策について「効果があった/やってよかった」と実施した店舗の約80%が答えていました。集客面では、「ウェブサイトでの告知」「SNSでの告知」などが比較的多く実施されていて、同じく効果を実感しているのはそれぞれ40%、60%程度でした。

一方、予防策を聞いたQ7では、「前日の確認電話」「前々日までの電話連絡」など、事前の電話連絡が上位となり、別データでは、そのうち70~80%が効果を実感しているという結果でした。また、「キャンセル規定を説明し、了承を得る」という策も、約70%がやってよかったと回答していました。やはり予約受付時のていねいな説明とその後のこまめな連絡が、突然のキャンセル予防に効果的なようです。

迅速な挽回策と、予防の積み重ねが重要

ネットやSNSに期待の声。予約対応力などの強化も

Q8、9では、今後力を入れる直前・無断キャンセルの挽回策、予防策を聞いています。

挽回策としては、急に席が空いたことについて情報発信する、WebやSNSへの期待の声が多くみられました。また、用意した食材・料理の活用面では、来店客へのサービスとして提供するほか、近隣の他業態へおすそわけするなどの対応も。店の認知を広げたり、販促として活用するという声もあがっています。

予防策としては、「第二連絡先を聞く」「キャンセル規定を説明しておく」など、予約対応に関する工夫が目立ちました。一方で、「魅力ある店づくりの努力」「お客様との信頼関係を築くことが一番の予防策」との声も。いずれにしても、キャンセル対策には地道な取り組みが不可欠なものとなりそうです。

予約トラブル、ユーザーにも聞きました…お客のモラルにも問題があるが、お店も細心の注意を!

予約客の都合で起こるキャンセル。近年は、そのモラルを問題視する声も少なくありませんが、一方で飲食店としても予約時に注意すべきポイントがあるかもしれません。例えば、上図のユーザーを対象に行った「予約・キャンセル」に関するアンケート調査によると、外食で予約した際、「予約トラブルやキャンセル・変更の経験がある」と答えたのは44%。うち「自分都合のキャンセル・変更」の11.2%に対して、「店の予約ミス・食い違い」は31.1%で、客自身の都合を大きく上回っています。内訳をみると、予約の有無をめぐるトラブルが最多に。これは、店の予約対応、管理の仕方次第で、防げたかもしれません。

また、「予約トラブルやキャンセル・変更を防ぐために、店にやってほしいこと」では、予約日前の確認連絡を求める声が上位となりました。客側も確認の電話をほしいと思っているようです。これらの結果を踏まえて、もう一度、対応を見直す必要があるかもしれません。

【コレが効いた】予約とは“取引開始の大事な契約”。他業界と同レベルの対応を目指す

【東京・渋谷/表参道】AGA ~ Aoyama G Avanti ~

迅速&ていねいな対応でキャンセルリスクを減らす

年間120件以上の貸切パーティーを行っている「AGA ~Aoyama G Avanti~」の事例を紹介します。ディナーの約8割は予約来店で、最近は直前・無断キャンセルと無縁ですが、以前は悩ませられていた時期もあったそうです。転機となったのは、現代表の小笠原大祐さんがオーナーとなり、予約の考え方を徹底的に見直したこと。「予約とは、お客様とお店との大切な"契約"。他業界では、取引開始に当たり、必ず取引内容をきちんと確認します。同じように飲食店も、予約をより真剣に受け止め、お客様との良好な関係を作り、キャンセルを根絶したいと考えました」と、小笠原さんは語ります。予約の確実性を上げつつ、来店客に誠心誠意の対応をすべく、予約時に日時や人数はもちろん、利用目的や要望などの詳細までヒアリングすることにしました。「ぐるなびネット予約」の場合は、店側からの連絡を経て予約が成立する「リクエスト予約」を活用し、必ず折り返し電話をするように。「予約をいただいたらすぐにお電話し、ネット予約でもスピード感をもって対応しています」と店長の渋谷香奈子さんは語ります。

その電話では、人数変更の期限や、以降のキャンセル料なども説明します。「前日20時までは人数変更が可能と伝えたうえで、増えるケースには対応できるので、確実な人数だけを予約していただくようお願いしています」(渋谷さん)。幹事に事前の打ち合わせもすすめ、コミュニケーションを重ねることで、利用客の満足度も上がり、貸切のリピートにもつながっているそうです。

予約の電話対応は、店長の渋谷氏が担当。要望などを台帳に記入し、スタッフにも共有している
着席26名、立食50名まで収容可能な店内。大型のスクリーンを2台用意し、映像演出などのニーズに対応
客席のレイアウトは、利用シーンなどに合わせて変更。幹事に事前に来店することをすすめ、直接打ち合わせして、会の成功とキャンセル防止につなげる
貸切パーティのコースは7種類(飲み放題付き4,320円~)。一番人気は、ローストビーフやスペアリブが入った「アメリカンコース」(4,320円)
代表取締役 小笠原大祐 氏
食品会社の営業、マネジメントを経験後、2015年に当時勤務していた会社が運営する同店を引き継いで独立。自身も厨房に立ち、腕を振るう。

「AGA」の対策Point

  • “予約は取引の契約”という意識で、詳細な情報をヒアリング
  • ネット予約の場合も迅速に電話連絡し、内容確認を徹底
  • 人数変更の期限を予約時に口頭ではっきり伝え、確定済みの人数での予約をすすめる(当日、増えるケースには対応)
AGA ~ Aoyama G Avanti ~(現在はバル&貸切パーティー AGA)
東京都渋谷区渋谷2-9-10 キングビルサトウB1F
https://r.gnavi.co.jp/gak9401/
渋谷駅と表参道駅の中間に位置。フレンチ、イタリアンのほか、多数の生薬を用いた薬膳鍋も提供する。

【コレが効いた】キャンセル後の臨機応変な対応でマイナスのイメージを“プラス”に

【埼玉・南越谷】鉄板焼 煌 honoka

キャンセル発生時には、別日程での再予約を相談

厳選された食材を鉄板焼で楽しめる「鉄板焼 煌 honoka」の事例を紹介します。高級感ある店内には、2~6人用の個室4つと、3席のカウンターを配置。ビジネス層の接待や記念日での個室利用が多く、県外から訪れるファンも少なくありません。ホールマネージャーの澤井絵美氏は「ご来店いただいたお客様に喜んでいただけるお食事、おもてなしを大切に、末永くご利用いただける店であるよう心がけています」と語ります。

同店では、ディナータイムは予約が大半だそうです。要望を受け1席1席にあわせた料理や演出を検討する場合も多いことから、予約時の電話では、利用シーン、料理・ドリンクの好みなどをできる限り詳細に教えてもらっているとのこと。また、1カ月以上先の予約などには、了承を得たうえで、事前確認の電話対応も行っています。澤井氏によると「特別なことをしているわけではなく、何よりお客様のためという基本に立って、やるべきことをやるよう意識しています」とのことでした。

お客様の体調不良や急な予定の変更などで直前キャンセルが生じた場合も、その姿勢は変わりません。予約時にキャンセル規定を説明し、コース予約の当日キャンセルではキャンセル料を支払ってもらうことにしていますが、できれば“キャンセル料は避けたい”というのが、客側の心情です。そこで、店としてもまずは時間変更や別日程への振り替え予約を相談しています。再予約が難しくキャンセル料をもらう場合でも、「やむを得ない理由で来店できず、誠意をもってキャンセル料を支払ってくださったお客様には、店としても応えたい」(澤井氏)と、ケースバイケースで対応しています。例えば、接待の予約で取引先の都合から急きょ会食自体がなくなってしまったケースでは、次回利用可能な手書きのお食事券をお渡ししました。また、再来店の予定が立たない人に、ボトルワインを1本プレゼントしたこともあるそうです。

キャンセル時に用意していた料理や食材は、普段から来店客にメニューや食材を紹介したり、質問を受ける機会が多いスタッフに食べてもらい、接客の勉強に活用しています。「スタッフの教育費と考えれば、決して無駄にはなりません」(澤井氏)と、発想の転換でダメージをプラスに変えているそうです。

キャンセル料をもらった際に、手渡した手書きのお食事券。ベストな解決のために、店としてどんなことができるか、常に検討している
ディナータイムのコースは7,000円~。食材や料理の希望にも柔軟に応じている
ゆったりとくつろげる個室。仕切りを外せば、最大20名の利用も可能
スタッフ 枝川茉由(まゆ)氏
客として来店したのが、同店との出合い。料理や雰囲気、接客に感動して、2016年にスタッフとして入店。ホールマネージャーの澤井氏のもと、主にホールを担当している。

「鉄板焼 煌 honoka」の対策Point

  • キャンセル発生時には、日時変更での再予約を相談
  • 翌日以降にとっておけない食材や料理は、スタッフの接客時の料理説明などの勉強に活用
  • キャンセル料と引き換えに、次回利用可能なお食事券などを渡すことも
鉄板焼 煌 honoka
埼玉県越谷市南越谷1-13-7 ハローマートビル2F
https://r.gnavi.co.jp/gcrn600/
JR南越谷駅、東武線新越谷駅から徒歩3分のビル2階にある。店内にはジャズが流れ、落ち着いた雰囲気。

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