2018/04/24 特集

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【訪日外国人】集客・対応事例 CASE:2海外へ積極的に情報発信! 「わざわざ来てもらえる店」に

【大阪・難波】鶏ダイニング 月のおどり

3言語に対応したメニューブック(左)。わかりやすいレイアウトを意識し、作成している。「焼鳥ベスト5」を記したシート(右)はスムーズなオーダーにつながった。ここから多くオーダーされている

トリップアドバイザーの活用も集客増へ直結!

飲食店が密集する大阪・道頓堀のビル2階に、2011年オープンした「鶏ダイニング 月のおどり」。オーナーシェフの徳永高弘氏は「当時は今ほど海外の方はいなかったのですが、ここ数年は日本人を探すのが難しいくらい」と、インバウンドの爆発的な伸びを語る。それに応じて3年ほど前から始めたのが、Facebookでの情報発信だ。日本語だけではなく、英語でも発信し、トリップアドバイザーの活用にも注力。「繁華街とはいえ、店へ続く階段への間口が狭く、2階なので場所がわかりにくい。それまでほとんど海外からのお客様はいなかったのですが、ほどなくして増え始め、今では全体の8割を占めるまでになりました」(徳永氏)。海外からの観光客が多いシーズンには1日平均3~4組の予約がFacebookから入ることもある。国籍は様々で、「NOPORK」のほか、ムスリム用食材の使用を打ち出していることから、1年を通じてムスリムの来店もある。

外国語メニューブックは、英語・中国語・韓国語をまとめたものと、ムスリム用の2種を作成。また、それとは別に、人気の焼鳥とアラカルトをまとめた「焼鳥ベスト5」「フードメニューベスト7」シートも準備した。「注文までに20分以上じっくりと考える方もいましたが、おすすめシートによって注文までの時間が短縮されました」と徳永氏。接客面では、スタッフの約半数は英語を話せるものの、いつでも誰でも対応できるよう、手のひらサイズの翻訳機も導入。できるだけコミュニケーションを取り、店の印象アップにつなげている。

そのほか、入口脇の壁には世界地図を貼り、どこから来たのかを書いてもらったり、季節に応じた装飾をしたり、会話のきっかけになる工夫が盛りだくさん。「祝箸」もそのひとつで、これは以前、海外から来店したファミリーの子供にプレゼントした時に喜ばれたのを機に取り入れたものだ。今後はさらに満足度を高めるため、人気メニューで構成したコースの開発を予定している。

英語で発信する「月のおどり」のFacebook(右)には、来店客と撮った写真も数多くアップ。トリップアドバイザーの口コミや、ぐるなびの外国語ページにもリンクしている
入口の壁やカウンターの上には、書き込みでいっぱいになった世界地図が貼られている
メニューブックのほか、入口の貼紙でも「お通し代」の説明を英語で明記
(左)店の一角には日本の四季折々の花を飾る。記念撮影スポットとしても人気(右)海外からの来店客に配る祝箸が大好評。おみやげにプレゼントしている
オーナーシェフ
徳永高弘氏20代はプロのヒップホップダンサーとして国内外で活躍。30代から料理の修業を始め、焼鳥店で9年間研鑚を積む。現在は、祖父の味を伝えるために、ホールはもちろん、調理も担当する。
鶏ダイニング 月のおどり
大阪府大阪市中央区道頓堀1-1-11 24Kビル2F
https://r.gnavi.co.jp/rk3szfc90000/徳永氏の祖父が80年前に創業した焼鳥店の味を継承。高知県や兵庫県産の朝引き鶏を使った焼鳥が好評で、なかでも、祖父の代から提供する名物「ずり(砂肝)」は1本162円から提供。宴会は最大70 名まで対応する。

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