相撲にちなんだディスプレイと本格ちゃんこ。外国人客の要望にも対応

往年の人気力士・霧島の店として名高い、「ちゃんこ霧島」。売りである“霧島味”のちゃんこは、英語のメニューブックを用いて店頭でもしっかりアピール。個性的なメニューなど、外国人に人気の秘密をレポート。

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Vol.63

ちゃんこ霧島 両国江戸NOREN店(東京・両国)

外国人客のニーズを考え、心配りあるおもてなしを

 20年ほど前に、JR両国駅前に移転してきた「ちゃんこ霧島 両国本店」は、現陸奥親方で、往年の人気力士、大関・霧島の店として名高い。「本店では5年ほど前から外国人のお客様が目立つようになりました。ちゃんこをお相撲さんの食べ物と理解し、わざわざご来店くださる方が多いです」と、常務取締役の山中秀樹氏は話す。一方、2016年11月には「粋な江戸の食文化を楽しむ」をコンセプトに、12の和食店を集めた「-両国-江戸NOREN」内に、2号店となる「ちゃんこ霧島 両国江戸NOREN店」を出店。観光案内所も入っている「-両国-江戸NOREN」を訪れる観光客は多く、様々な店を覗きながら、施設内を回遊している外国人もよく見かけるという。彼らを引き付けるのが、店の前にカラフルな相撲のぼりが立ち、入口正面には霧島の優勝額のレプリカが飾られた同店だ。なかには食事をせずに、額の前で写真を撮り、店内も撮影してそのまま出て行く人もいるそうだが、山中氏は、「SNSでライブ配信してくださる方もいらっしゃるので、宣伝と考えています」と話す。

  • ①オープン時、急遽作成したという霧島の優勝額(レプリカ)。インパクト満点で記念撮影のスポットに
  • ②店頭には英語のメニューブックを設置。外国人を歓迎する気持ちを伝え、入店を促す

 売りのちゃんこ鍋は、鶏ガラと豚骨のスープに、しょうゆと味噌を合わせた「霧島味」に限定。英語のメニューブックを提示しつつ、口頭で説明すると、ほぼ全員がちゃんこ鍋をオーダー。ただ、日本人とは頼み方が異なることもある。例えば別々のコースを選んでシェアしたり、カップルの1人がアラカルト、もう1人は本来2人前から提供しているコースを頼むことも珍しくない。そんなときでも、「日本の飲食店の一般的な“ルール”は設けず、最大限ご要望にお応えして、楽しんでもらっています。お通しも提供していません」と、山中氏。アラカルトでは、土俵を模した4人前相当の「相撲コロッケ」(1296円)、同じく4人前目安の「ちゃんこにぎり」(864円)など、相撲をイメージさせる料理が人気だ。また、日本の食文化を体験したい外国人客が多いことから、まずは箸をセットし、食べにくそうな様子であれば、フォークの用意があることを伝えている。

英語のメニューブックでは、ちゃんこの由来、ちゃんこ鍋のスープや16種の具材を説明し、食べられない食材は変更可能なことも案内
メニューブックの最初のページ

 訪日外国人向けの販促は、「ぐるなび外国語版」でもしっかりアピール。日本ならではの料理が食べられることと、外国人客への気配りがSNSと口コミで広まり、1日の来店客の3分の1が外国人客のこともある。また、外国人の約半数は中国からの客だが、欧米からの来訪も目立つ。「浴衣を着てちゃんこを食べるイベントなども実施してみたいですね」と、山中氏は今後のプランを温めている。

「ぐるなび外国語版」にも加盟。店舗ページは、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語に対応し、インバウンド集客に貢献
  • スタッフの写真を使って、店のFacebookをアピール。来店客にもFacebookやInstagramなどへのアップを促している
  • 手軽にちゃんこ鍋が味わえるランチメニューは外国人にも人気だ
ちゃんこ霧島 両国江戸NOREN店(東京・両国)
東京都墨田区横網1-3-20
https://r.gnavi.co.jp/51zj6gmt0000/
JR両国駅の旧駅舎を利用した「-両国-江戸NOREN」内に立地。元大関・霧島で現陸奥親方の、陸奥部屋のちゃんこ鍋が味わえる。両国国技館や江戸東京博物館に近く、国内外の観光客も多く来店。
株式会社霧島 常務取締役 山中 秀樹 氏
高校時代は飲食店でアルバイト。海外留学後、外国人のモデル事務所や、焼肉店勤務などを経て2013年に入社。英語力を活かして、積極的にコミュニケーションを図る。英語のメニューブックも作成した。

インバウンドとは?
「海外から日本へやってくる外国人旅客」のこと。2013年には1,000万人、2016年には2,000万人を突破し、2017年は過去最高の2,869万1,000人を記録。2018年に12月には3,000万人を突破したことが発表され、過去最高の更新が確定。政府が2016年3月に発表した目標数は、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人。今後も増加が予想されるインバウンドの集客は、飲食店にとって重要な課題のひとつになっている。

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